日本猟奇・残酷事件簿 (扶桑社文庫 こ 9-1)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594052263

感想・レビュー・書評

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  • よく戦後の事件集はあるけど、明治から載ってるモノはあんまり見かけない気がする。
    中には微妙な事件も載ってますが、大体は読んでて「これは・・・」と思わざるを得ない内容の事件ばかりです。
    有名所の「阿部定事件」や「小平事件」も掲載。

  • 昭和の入ってからの猟奇事件をあつめた本は多いけど、これは明治、大正時代のものがわりと詳しく、ケーススタディも多く集められていてる。
    また、有名どころばかりでなく、でばがめみたいな笑えるだけの事件も息抜きに入っていたり、読み物としてあきない。一本一本が短くまとまっているのもいい。どこでも好きな所から読める。
    知らない話もあって楽しかったが、やはり昔からいちばんぞくぞくするのは、ある村では男女が結婚する際、祝言のとき新郎の父親が新婦ととなりの部屋でまずまぐわってから晴れて宴となるという風習があって、その夜もまたひとつの祝言が行なわれるところで、新郎の父親と新婦がとなりの部屋に入っていったんだが何時間たっても出てこない。物音もしない。最初は「お楽しみだな」と先に酒を飲んでいた村人たちも、あまりの遅さにイライラしてくる。
    ついにしびれを切らした新郎が「親父、いいかげんにしろ」ととなりの部屋へ怒鳴り込んだところ、父親と新婦は抱き合ったまま裸で布団の中で死んでいた・・・という話。物音ひとつせず、となりの部屋ではみんなが耳をそばだてていたにもかかわらず、どうやって死んだのか。当時はまだ明治時代だったこともあり、また警察も詳しく調べなかったため、ついに原因はわからなかった。閉鎖された村という空間の中、新郎の父親と新婦がセックスしてからでないと結婚できなかったという風習、またそれをすぐとなりの部屋でふすまに耳をくっつけて聞いていた村人たちという状況もあわせて、すべての要素がぞくぞくさせる。父親と新婦は愛し合っていたのかな、とかね。

  • 日本には知らない事件がまだまだある。
    結婚式の途中で新婦と新郎の父親が席をはずして一晩のみ関係をする風習。
    苦痛淫楽症や、人肉・人骨が業病に効くという信仰。

    人はどこまで残酷になれるのか。人はどれだけ悲しい生き物なのか。
    人はどれだけ快楽に溺れることができるのか。その代償。

    人間人間人間。
    人間とは何だろう。

  • 有名な阿部定事件など、世間を大いに賑わせた昔の事件のあらましが分かります。残酷、猟奇という犯行方法のイメージばかりが先行しがちなこの手の事件、裏には余人には計り知れない怨嗟だったり、或いは短絡的な金銭欲・色欲が渦巻き、業の深さに驚くやら呆れるやら。読んでもあまり気分の良いモノではありません、あしからず。

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著者プロフィール

一九三四年(昭和九年)、北海道空知郡上砂川町生まれ。北海道新聞社に入社し、事件を担当。在職中からノンフィクション作品を発表。退職後は札幌大学講師など。主な作品は『日本史の現場検証』(扶桑社)、『松浦武四郎 北の大地に立つ』(北海道出版企画センター)、『北の墓 歴史と人物を訪ねて』(柏艪舎)、『生還』(柏艪舎)など。1994年より道新文化センターでノンフィクション作家の養成塾、一道塾を主宰。札幌市在住。

「2022年 『小説を旅する 北海道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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