逆転を呼ぶ気功仕事術 ~外為どっとコム躍進の秘密~ (扶桑社新書 35)

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  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594057480

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  • 智能気功の効果、意識について実例を交えながら、分かりやすく解説してくれている。

  • 今週おすすめすの一冊は、『逆転を呼ぶ気功仕事術』。ちょっとタ
    イトルは怪しげですが、気功の効用について語ったいたって真面目
    な内容の本です。著者は大畑敏久氏。外為どっとコムの社長です。

    この本は、著者と親交のある友人から頂いたのですが、正直、そう
    でなければ自ら手にとることはなかったと思います。「仕事術」な
    んて謳っている本にはあまりロクなものがないし、まして「気功仕
    事術」ですから、超胡散臭い(笑)。でも、これが、読んでみると
    実にためになるし、面白いのです。

    著者は、もともと銀行マンでした。東大を出た後、国際的な金融マ
    ンになる夢を抱いて某都銀に入ります。国内外で支店長も経験し、
    それなりに成功しますが、54歳の時に、突然、潰れる寸前の外為
    ブローカーへの転職を命ぜられます。折しも、持病の腰痛が悪化。
    奥さんも更年期障害で体調を崩し、夫婦ともに悲嘆にくれます。

    その時に奥さんが出会ったのが気功でした。身体に良さそうだから
    と習い始めた気功の力によって、みるみる回復していったのです。
    それを見た著者も気功を習い始めてみたところ、半年で腰痛は克服。
    精神的にも前向きになって、転職先の会社の立て直しに尽力し、業
    界トップに成長させます。その会社をもとに設立した外為どっとコ
    ムはあっという間にFX(外国為替証拠金取引)業界トップとなり、
    60歳を過ぎたベンチャー社長として、人生を謳歌しているのです。

    本書は、そんな著者の人生を振り返りながら、いかに気功が人生を
    変え、50代後半からの人生の開花につながったのか、を熱く語り
    下ろしていきます。気功は、肉体を健康にするだけでなく、意識の
    レベルを高め、潜在能力を引き出すことを通じて、人生をよりよい
    ものにするのに役立つ。それが毎日欠かさず練功(気功のトレーニ
    ング)を続けてきた著者が辿り着いた信念なのです。

    「元気」も「病気」も「気分」も、文字通り、皆、「気」が関係し
    ています。ここでいう「気」とは根源的な生命エネルギーのことだ
    そうですが、気功は、その根源的な生命エネルギーを体内に取り入
    れ、活性化させるための技法なのです。

    実は、学生時代、気功は少しかじったことがあるのですが、本書の
    おかげで、ほぼ20年ぶりくらいに気功と出会い直し、再発見した
    気分になっています。特に、気功は人間と自然との調和を取り戻す
    ための技法だという著者の指摘には、目を見開かされる思いがしま
    した。もう一度気功をやってみようか。そう思っています。

    気功を通じて辿りついた著者の大らかな人生観に触れられることも
    本書の大きな魅力になっています。非常にすがすがしい気分になれ
    る、まさによい「気」をくれる本ですので、是非、読んでみてくだ
    さい。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    私の人生が本当に花開いたのは60代になってからだといっていい。
    そしてそれは気功の力によるところが大なのである。

    練功をするときはよく、「天涯を思い、自分の体のなかを思い…」
    という意識の使い方をする。つまり宇宙を相手に、宇宙や自然との
    一体感を意識しながら練習するのだ。(中略)毎日の練功でそうい
    う果てしない宇宙を相手にしていると、日常のトラブル、心配事、
    悩み、怒りなどがちっぽけで取るに足りないものに思えてくる。見
    栄や世間体といったものもつまらないことに思えてくるのだ。

    私の座標軸は宇宙にある。会社に居場所がなくても、どうってこと
    ないじゃないか。(中略)家庭や会社といったものは永遠不変では
    ない。にもかかわらず人間はそういう儚いものにとらわれて、その
    なかでの評価に一喜一憂する。挫折感や焦燥感、不安や無力感が生
    まれる元凶は、そこにあるのではないだろうか。

    私は60代にしてなお人間としてさらに成長できるという希望が持
    てるようになった。

    精いっぱい仕事をして、思い切り遊んで、そして最期は「じゃあ、
    ちょっとお先に」と軽くあいさつをして、小川を渡るような感じで
    スッと彼岸に行くことができたら…これこそ最高に幸福な人生では
    ないだろうか。それを可能にしてくれるのが気功だと、私は信じ始
    めている。そして私自身、気功を続けることによって、そんな理想
    の人生が垣間見えてきた気がしているのである。

    私は気功を習い始めて半年ほどで、持病の腰痛を完全に克服した。
    と同時に、気功は潜在能力を引き出す力も非常に強いといわれてい
    る。私自身、毎日練功を続けているうちに、判断力や決断力が研ぎ
    澄まされていくのを強く実感するようになった。

    気というのは、人間が健やかに生きるために必要な根源的な生命エ
    ネルギーである。海や山、森や湖など大自然には特に強い気が満ち
    溢れている。そういうところで練功をして新鮮な気をたっぷりと取
    り入れると、活力が湧いてくる。迷いや不安が消え、メンタルパワ
    ーも高まってくる。そうするとまた正しい道を信じて進んでいける
    ようになるのだ。

    もともと人間というのは、宇宙や自然のなかで健やかに生きていけ
    るようにつくられている。人間も自然、地球、宇宙の一部である。
    私たちの体に起きる不調や病気の多くは、自然の流れを無視したり、
    宇宙のサイクルに逆らうような生き方をした結果といっていい。

    子思や孟子など中国の思想家が「天と人は通じている」と唱えて以
    来、東洋の人々はあらゆる分野で自然と人間の協調、調和、一体感
    を探求し、その実現を目指してきた。気功はそれを実現するための
    方法論の一つといっていいだろう。(中略)失われつつある自然と
    の一体感を気功で取り戻そう。それが体と心を真に健やかにする秘
    訣である。

    新約聖書には、イエスが手を触れると重い皮膚病が消え去ったとか、
    抱き起こしたら病人の熱が下がったなど、イエスが行ったとされる
    癒しのエピソードがいくつも見られる。それらを読んで「まさか」
    と一笑に付す人もいるだろうが、気功的な観点からすれば十分にあ
    り得ることだ。気功には外気発射といって、手のひらを病人にかざ
    して気を発射し、病気を癒す方法がある。

    気功もヨーガもフラも、アメリカ先住民の生き方も、そして宗教も、
    今日まで長く守り実践し続けられてきたものには人類共通のすばら
    しい叡智が流れているといえないだろうか。そしていずれも究極の
    目標は、健全な心身をつくることと充実した生を全うすること、こ
    の2点にあるという気がする。

    もしも今、何かに悩んでいて息苦しさを感じていたら、ぜひ気功を
    始めてみてほしい。心が軽くなっていくはずだ。おおらかな気持ち
    で毎日を過ごせるようになるだろう。人生には死ななければならな
    いほど深刻な悩みなど一つもない、という達観した気持ちも湧いて
    くるものだ。気功は必ず心の癒しに役立ってくれる。

    意識は間違いなく自分の人生も左右するものなのに、その重要な意
    識を改善したり、高めたり、磨く努力を私たちはしているだろうか。
    (中略)実は、気功のレベルを上げるためには意識の鍛錬が必要不
    可欠なのだ。そして気功が上達すると、意識レベルも向上していく
    のである。

    練功を重ねて宇宙の気と繋がるようになると、我がだんだんと広が
    って、狭いものの見方や考え方、執着から離れた「大我」といわれ
    る境地に成長していく。その過程で、心は自分以外の他者、社会、
    世界、宇宙へと向き始めるという。

    我は誰にでもある。これを捨てるのは容易ではない。人類の歴史上、
    我を捨て切った人はごくわずかだろう。普通の人間には特に難しい
    ことだ。そこで考え方を少し変えて、我を大きくすることを目指し
    てはどうだろうか。言い換えれば、包容力を持つということである。

    長く続けていけば、気功は必ず人生の宝になる。

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    ●[2]編集後記

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    最近、日曜日の早朝にジョギングをしています。以前は土日のどち
    らかの夕方だったのですが、同じ寒いなら、朝のほうが気持ちいい
    なと気づいたからです。

    実際にやってみると、これが実に気持ちがいいのです。早朝はまだ
    空気も汚れていないし、精気のようなものが満ちている。神社の鎮
    守の森や畑にいくと、これは特に強く感じます。鎮守の森でこの精
    気をいっぱいに吸い込み、畑に寄って地面から立ち上る気に触れる。
    そうすると、心身に活力が満ちてくるような気分になるのです。

    昨日も走ったのですが、帰りがけに畑に立ち寄り、ルッコラを間引
    いてきました。帰宅し、お風呂に入ってからこのルッコラを食べた
    のですが、これが、夕方収穫したものに比べて、圧倒的に味が濃い
    のです。野菜の味というよりも、土から立ち上ってきた生命のエネ
    ルギーを味わっているような気分になり、幸福感に包まれました。

    ルッコラだけではありません。熊本の阿蘇から届いたお米も、埼玉
    から届いた大根の葉も、全て同じ大地の味がしました。いずれも契
    約している有機農家から直送されたものですが、やはり、きちんと
    育てられたものは、生命のエネルギーに満ちているのだなあと改め
    て実感した瞬間でした。

    「土」という漢字は、もともと地中から発芽するように立ち上るも
    のをかたどった象形文字だそうです。いわば生命のエネルギーを表
    現したものなのです。そのエネルギーが野菜には詰まっている。僕
    らが頂いているのは、野菜ではなく、そのエネルギーなのでしょう。

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