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- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594057992
感想・レビュー・書評
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『九段の母』が読みたくて。なにで知ったかは忘れてしまいました。多分、2ちゃんねるのまとめサイトの、後味の悪い作品とは、とか、オススメの小説家は、とか、そういったもので見つけた可能性が高いです。
主人公は、いわゆる、名探偵コナンのような、なにか事件事故が起きたらそこに顔を突っ込んで少しヒントを与えたり考えたりする人で、なぜこの事件はこのようにして起こったのか?ということを解決していく物語です。
短編集なので、それほど気兼ねなく読め、文章だって、長ったらしかったりぶつ切りだったりせず、肩肘張らずに読み進めていけます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
赤線が残り、夜店にガラスの知恵の輪やツェッペリン焼きが並び、近所にはお妾さんが住んでいて、靖国神社には見世物小屋が並び、玉ノ井ではバラバラ殺人事件があり、上野動物園の黒豹が逃げ、白木屋の火災がきっかけで女性がズローズを履くようになったころの東京を舞台にした艶っぽい話の連作。
久しぶりに生の「小説」を読んだ充実感を味わえた。和装姿の女性のなんとも色っぽいことといったらもう・・・。
時代小説からSFまで多岐にわたった器用な作家である都筑道夫。多作過ぎるためか、「大衆小説」っぽくてある意味、マニア受けしにくい作家(絶対「千夜千冊」に入らない!)だったが、最近、再評価されているらしい。物語の復権?
小説を読むことが、趣味ではなく娯楽の1ジャンルであった時代がありました。