崩壊する世界 繁栄する日本

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594059019

感想・レビュー・書評

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  • 国家モデルという観点から、日本が繁栄することを明らかにした著書。精緻な分析により、日本の可能性を浮き彫りにする著者には、勇気付けられます。

  • まだ少数派とは思いますが日本経済の強さを記した本が増えてきたように思います、今までそれらを主張してきたのは私の知る限りでは、日下公人氏、増田悦佐氏、長谷川慶太郎氏あたりでしょうか。

    そのグループにこの本の著者である三橋氏も加えることができるでしょう。更に、彼は中小企業診断士の資格を持っていて、実際に中小企業の診断も行っているようです。中小企業を経営指導するにあたっては、弱点の指摘よりも長所を伸ばすことが重要です、その考え方からこの本も書かれていて彼の波長を捉えることができたのかもしれません。

    世界の主要な国家モデルを解説した上で、それらの国に最近発生した事件を解説してあったので理解が深まりました。

    以下はためになったポイントです。

    ・国家のモデルとは、その国の経済がいかに「付加価値:GDP」を稼いで成長し、「輸入(輸出ではない)」を可能にするかの概念である、米投資銀行は借金を膨らませてROEを高めていただけ、国民の幸福を考えた場合、対外債務を増やして国民に消費させる米国モデルは間違っていない(p19、22、47)

    ・GDPとは、1)国の年間フローを示しており、ストック(資産・負債)は意味しない、2)GDP=民間最終消費支出(56.6)+総固定資本形成(23.2)+政府最終消費支出(18.1)+在庫変動(0.6)+純輸出(1.6)、である(p25)

    ・輸出をどれだけ拡大しても、それ以上に輸入が拡大すればGDPは増加せず、むしろ減少する、韓国が良い例(p28)

    ・国際収支=経常収支+資本収支+外貨準備高増減+誤差(p40)

    ・日本政府の巨額債務も95%が自国通貨建てなので、円を刷って返済することが可能であり、財政破綻はない(p46)

    ・最近の日本は6年以上の景気拡大が続いたが、国家モデルが円安・海外へのマネー流出に基盤があったため、中小企業・一般国民にはその恩恵は享受されなかった(p56)

    ・1397年に成立したカルマル同盟(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)はデンマークを盟主にしたもので、その範囲はフィンランド・アイスランド・グリーンランドにも及んだ、ス・フィがバルト帝国で分離したが残りは19世紀初頭までデンマーク海上帝国で存続、アイスランドがデ・ス・ノから融資を受けられた理由もここにある(p68)

    ・アイスランドが預金口座凍結したことに対して、イギリスは反テロ法を持ち出して、英国内のアイスランドの銀行資産を凍結した(p64)

    ・アイスランドの経常収支は、4項目(貿易・サービス・所得・経常移転収支)のすべてが赤字、アメリカは貿易赤字は大きいが、サービス・所得収支は黒字である(p69)

    ・韓国の成長モデルは、アイスランド(金融立国)と異なって、貿易立国を採用(ウォン安、資源安、米需要大、円安の時は順調)していたが、2007年10月末までのウォン高は貿易黒字拡大でなく投機マネー流入による(p83、96)

    ・ロシアは現在も人口減少が毎年50万人を超えているが、2001年から2007年まで毎年5%成長をしている、これは国民所得が1万ドル未満の成長途上にあるからで、人口増加は絶対条件ではない(p110)

    ・世界の為替取引は全体の34%がイギリス、アメリカ:16%、スイス・日本・シンガポール:各々6%と比較して群を抜いている(p126)

    ・日本の対外債務対GDP比は、50%(2008年2月)に対して、米国:100%、イギリス:400%、EU各国:100~200%、アイスランド:900%である、イギリスが大きい(p131)

    ・中国は輸出が減少しているにもかかわらず、輸入の減少額が輸出よりも上回っているので、純輸出が増加してGDPは増加する統計となる(p168)

    ・米国ドルが基軸通貨であり理由として、1)米国債の格付けがトリプルA、2)原油取引が米ドル、である(p190)

    ・新自由主義を高らかに唱えていたアメリカ、イギリスが金融機関の国有化をしている、FRBの窓口融資は、護送船団方式時代の日本さえもしなかった証券会社への融資も含んでいる(p210)

    ・日本の家計が保有する現預金の総額(約800兆円)は、アメリカのそれ(500兆円)を上回っている、人口比を考えると驚異的(p237)

    ・日本政府の債務の95%以上は日本の民間から借り入れているので、日本国民から見れば「債権」、これを「国民一人当たりの借金」と言い換えるのはおかしい(p248)

    ・日本政府の債務はGDPを超えるので破綻という論理は、GDPというフロー(利益)と債務というストック(借金)を比較していることになる(p249)

  • この人の作品は題名が過激だけど中身は数字を根拠に
    丹念に調べていてしっかりしているよね。

    最近、よく雑誌に取り上げられてきたし。

    内容納得。でもいい意味でほかの本と趣旨が
    同じ=一貫しているので★は2つということで。
    (驚きなしなので)

  • 相変わらず経済指標等数値データに基づいているので説得力があるのと、文章自体は平易に書いてくれているのでわかりやすいです。GDPや国際収支等から日本、アイスランド、韓国、ロシア、イギリス、ドイツ、スペイン、中国、アメリカの国家モデルを解説されています。
    ちなみに三橋さんの著作を読むのは5~6冊目ぐらいでしょうか。著者の書籍を読むまで、新聞やテレビの情報から漠然としたイメージのみで(実際の経済指標等数値データを確認することなく)誤解していた事項が、恥ずかしながら結構ありました。
    日本という国は最大の対外純債権国であり、また主要国の中ではアメリカに次いで輸出依存度(輸出GDP比率)が低い内需依存国家。GDPの約6割を個人消費が占める国だったりします。

  • 2009/7/3 
    各国の国家モデルってのは良い理​解の切り口だな”

  • 本当なのか? と思うところも多いが、経済の指標をどのように分析するのか、やAspectを増やすという意味では、読んで面白かった。

  • いやはや重厚な内容のマクロ経済書です。各国のバランスシートを一つ一つ検証しながら経済実態を丸裸にしています。そもそもバランスシートやGDPや輸入輸出、為替変動とは何なのか?という所から出発し見事に各国の実態を論証している。マクロ経済を勉強する上では、これだけ内容の充実した本はないと思います。

    改めて日本の底力を垣間見ることができる一書。

    この本で知識付けて統計局のホームページとか見て理解できたら十分な経済通です。

  • 0/1

  • FXってなんだっけーな自分にも分った。
    結局美味しい話はないと、こういうことだね。
    繁栄の気配は自分には微塵も感じられませんorz

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