インテリジェンス人生相談 [社会編]

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594059286

作品紹介・あらすじ

インテリジェンスを駆使した超実践的アドバイスが満載。

感想・レビュー・書評

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  • 元外交官の佐藤優の人生相談。

    雑誌の連載だったらしく、相談した頃は若干古いと思いきや、普遍的な内容だった。

  • ちょっといろいろあって、かなり後ろ向きになってたんだけど、これを読んでちょっと前向きになれた。 読む前の心境からすると結構救われた。

    SPA!で連載されていた読者からの様々な質問にたいして、佐藤優氏がいろいろな回答やアドバイスをしている。 社会編の黒版と個人編の赤版2つがあり、これは社会編として、貧困、国家、処世、未来の分野に分けて質問と回答がなされている。 社会編とあるけど、おもには個人と社会の関わりという所に重点を置いているようで、基本は個人と社会の関わりというような身近な問題が大半になっている。

    インテリジェンスとあるけど、インテリジェンスは佐藤氏のうりだから本のタイトルにはいっているだけで、たしかにインテリジェンスの現場での経験などが多く語られている部分はあるが、その回答にたいする中心はキリスト教的な人間愛をベースにしたようなものが多いと思う。 外務省憎しの部分が多いのは、それもふくめてこの人の特徴なんだろうけど。

    また雑誌編集時の編集方針だとおもうが、それぞれの質問に回答するときに、参考になる著作が一つ提示されている。 それぞれの回答は1ページ半ほどの短い物だし、それを参考になる本の紹介で補うというのはとてもいい方法だと思う。 また本には直接的には書いていなかったが、佐藤氏もかなりの多読家なんだろうな。 多くの相談に対していろんな本を読むことを進めていた。 やはり本を読むと言うことは大事なことだと改めて思った次第。 ラノベ以外をもっと読むようにしよう…

    個人的に興味深かったのは貧困の部分、自分はかろうじてワープアではないというレベルの収入だが、いつワープアに転落するかもしれない現状、とても興味深く読んだ。 現在の状況が本当に行き詰まってしまっても、どうにかできるかもしれないというちょっとした期待を持つことができた。

    個人編も手に入れてみようと思う。

  • 佐藤優による人生相談。この人生相談が連載されている雑誌が雑誌がゆえに質問の内容もなかなかハードだ。いや、別にどんな高尚な雑誌の読者にしたって、言わないだけでその内に秘める悩みというのはどこか似たり寄ったり、人間臭いものなのかもしれないが。

    世の中の人がどんなことに悩んでいるのか知ることができるという意味でも興味深いが、それ以上に興味深いのが佐藤優の回答だ(人生相談だから回答するのは当たり前なのだが)。佐藤優はどんな質問にも参考として何らかの本に言及し、そこから何か"ヒント"を提供する。なるほど、本というのはこういう風に現実の生活の中で活用するのか。純粋な知識を得るためだけでもない、楽しむだけでもない、より実践的な読書をするという視点で読むと、この人生相談はより興味深いものになるだろう。

    また、佐藤優の回答は抽象的なものにとどまらず、どこか具体的・実践的だ。こうしたらいい、ああしたらいいと具体的にどのように行動すればいいかを示していることが多く、質問者と自分が置かれた状況は違うものの、役立つ部分があるし、何か行動を起こせば何かが変わるかもしれないーそんなことを思わせてくれる。

    なんとなく悩んでいる、でもその悩みの正体がよく分からないーそんな人もこの本を読んで質問者と一緒に悩み、佐藤優と一緒に解決方法を考えてみることも、自分の状況を振り返るきっかけになるかもしれない。

  • 片手間に読めるだろうという安直な気持ちで手にとったが、ユーモア(下ネタ?)混じりつつも真剣に回答されていて、改めて「はっ」とすることもありよかった。

    ネットカフェ難民(?)やフリーターからもどかしい思いをして働いている医師など様々な方が日々の不満・悩みを等身大(良い意味で)に質問を投げているから、

    普段は「はずかしいので人には言えないけど(ちょっと自分勝手だとわかっているけど)ぶっちゃけこうなんだよね」っていう思い(質問?)に対して、建設的な答え(?)が提示されており、また参考となる書が提示されている。

    このようなスタイルなので、(短い)通勤時間の合間とかに読むのにぴったりだと思う。

  • 優しさとブラックユーモア溢れる。

  • いざとなったら勝負できる実力があれば世間の評価に惑わされずによい
    人生の大きな夢を見る多めに小説というのはあるいいでは幻想と夢の世界を描いていることだから、いろいろとヒントを与えてくれる。
    職場の人間関係なんてのは給料をもらうことと割り切ること。
    苦しいときは、正直に苦しい、と言い、助けてと叫ぶこと。そうすると必ず助けてくれる人が出てきます、世の中にはいい人がたくさんいます。もし周囲にそういう気軽に相談できる人がいない場合は、教会に行けばいい。
    生きていくうえで夢は絶対に必要。持つ夢はできるだけ大きい方がいい。
    どんな嫌な人に対しても、一方的に断罪しない。徹底的に求めると外部から必ず助けがやってくる。

  • ■『結論を言うと、イサムさんの現在の状況は決して悪くありません。<民間企業で働く会社員やパート労働者の昨年1年間の平均給与は435万円で、前年に比べて2万円少なく、9年連続で減少したことが国税庁の民間給与実態統計調査でわかった。年収別で見ると、200万円以下の人は前年に比べて42万人増え、1023万人と21年ぶりに1000万人を超えた。一方、年収が1000万円を超えた人は9マン50000人増加して224万人となり、格差の広がりを示す結果となった。>という実情に鑑みるならば、手取りで15マネンということは額面で20万円強、しかも住む家があるのだから、東京の感覚で言えば400万円ぐらいの年収があるということになります。住む家が保証されているという現在の与件を最大限に活用したほうがいいと思います。』

    ■『じゃこ飯さん、ぜひ、プラス思考でいきましょう。まず、「ダメ人間でも何とかなる」というのは本当です。客観的に見て、あなたは「ダメ人間」では全くないのです。月に15万円も稼いでいるじゃないですか、自分一人を養っていくことが出来るということです。社会的責任を十分果たしています。』

    ■『とにかく20代の前半というのはすごく大切な時期なので。向学心もあるしね。それで世の中に対して斜めから見るようになったら、それはもう絶対に損するから』

    何も出来ない癖に世の中を斜めから見るような行為を辞めたい。

    全体のアドバイスを通して感じるのは、私達日本人一般が如何に「人に助けを求める」ことを恥じているかということ、佐藤優氏はバンバン公共機関と政治家への「助け」を提案しまくっている。辛い時は助けを求めるという大原則。

  • 具体的でわかりやすく、納得できる内容ばかり。面白さもあり、参考になる。

  • いろいろな悩みに対して、ユーモアと優しさをもって真摯に答えていて、いい方だな〜と思いながら読んだ。回答の中で必ず本が紹介されていて、読書が人生を切り拓く鍵であることもよくわかった。

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    介護の仕事は、社会的に価値がある「魂の労働」なので、低給与でも名誉が得られるというイメージを先行させて、低賃金労働を末端のヘルパーの人たちに押しつけているという構造的問題があります。14
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    自己啓発や、心理学の本をいくら読んでも自分の性格は変化しません。20歳くらいまでについた性格は、恐らく一生変化しないというのが、私自身と周囲の人々を観察した上での結論です。146
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    不利益になる話というのは、99%自分の口から出ちゃうものなんだよ。「なんでこんなこと知ってるんだろう?」と思った場合は、ふとした時に自分が漏らしていることが多い。174
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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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