- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594065522
作品紹介・あらすじ
道徳教育の一つの道は、「美しい」と感ずるような話を子供たちに伝えること。健全な少年少女にとって、美しい、ためになる話は、同時に面白いものでもある。道徳教材の新しいスタンダード。偉人が、名作が、教えてくれる"大切なこと"全37話を収録。
感想・レビュー・書評
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北尾吉孝のブログで見つける。いろんな著作のレファレンスとも言える。いくつかは原著にも触れてみたい。
“道徳教育の一つの道は、私たちが「美しい」と感ずるような話を子供たちに伝えることではないかと思います。健全な少年少女にとって、美しい、ためになる話は、同時に面白いのです。教室で偉人の話をすれば、子供たちの目は必ず輝くはずです。私たちは世界中の美しい話、いい話、そして特に日本人の行った素晴らしい話を子供たちに伝えるべきでしょう”渡部昇一
<目次>
日本人には「岩盤のような道徳」がある
この本の特徴
第一部 しっかりとした自分
橋本佐内/山口良治と伏見工業ラグビー部/吉田松陰/熊沢蕃山と中江藤樹/山本幡男の遺書/木村秋則/ある小学六年生の作文/塙保己一
道徳のキーワード:道 道程<高村光太郎>
コラム:外国人も驚いた日本人の道徳
道徳講座?:道徳はどうして生まれたのか?
第二部 人とのかかわり
草柳大蔵/光明皇后/アンドリュー・カーネギー/牧野富太郎とその妻/西郷隆盛/本田宗一郎/
道徳のキーワード:マナー 「いただきます」と「ごちそうさま」、江戸しぐさ
道徳のキーワード:友情
第三部 かけがえのない生命
マザー・テレサ/オー・ヘンリー/東山魁夷/村上和雄/菊池寛
道徳のキーワード:自然の美しさ 徒然草<吉田兼好>
第四部 「公」と「私」
聖徳太子/池田潔/小林虎三郎/藤沢周平/「葬式ごっこ」八年後の証言/皇后陛下/佐久間艇長の遺書/二宮尊徳/橋本久義
コラム 「町工場の力」で不登校が皆勤賞に
道徳講座 欧米の商業道徳
第五部 誰かのために
ビートたけし/藤原正彦/『稲むらの火』濱口梧陵/上杉鷹山/盛田昭夫/ドーデ/渡邉允/福沢諭吉
道徳のキーワード 助け合い
道徳のキーワード 国旗への敬意
コラム 海の武士道 工藤艦長とフォール卿
コラム よき国際人であるためには、よき日本であれ 曽野綾子
<メモ>
橋本佐内のことば(27)
学問とは、人として踏み行うべき正しい道筋を修業することであって、技能に習熟するだけのものでは決してない。
道程 高村光太郎(28)
僕の前に道はない/僕の後ろに道は出来る
彼らは、自由は規律をともない、そして自由を保障するものが勇気であることを知るのである。
池田潔『自由と規律』(158)
商業慣習の確立していた時代のイギリスは、通貨のポンドが世界の中心になるぐらい圧倒的に信用がありました。二十年後(中略)そのような習慣は完全に失われていました。(中略)ハイエク教授が説いてやまないように、社会主義政策が行われると個人道徳は崩れるのです。(中略)経済の衰退と人間の卑しさの関係を証明するのは難しいでしょうが、私は関係があるように思います。(渡部昇一)(206)
人間は誰も、一定期間の後に、死を迎える。この世のいっさいと訣別することになる。我々の人生とは、この最終的別れに向かい、少しずつ別れを重ねて行く過程に他ならない。別れとは死への階梯であり、そこには、根源的悲しみがこもっている。(藤原正彦) (219)
(日本の大学の卒業式にて)「仰げば尊し」が終わっても、彼女(アメリカ人学生)は目頭を押えていた。日本文学を長年にわたり学んできた彼女は、日本人の底にある、鋭い無常観まで共有するようになったのだろう。
2012.08.25 ブログ記事に引用
http://naokis.doorblog.jp/archives/51805408.html
http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_salon_20170821.html
http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_club_Aug2017.html
http://naokis.doorblog.jp/archives/moral_studies_from_thirteen.html
http://naokis.doorblog.jp/archives/book_selection_from_moral_studies.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
甥への中学入学祝い。
前書きの渡辺昇一さんの「子供はいい話、感動的な話が好きです。」というのは同感。もちろん個人の好みはあるだろうけど、基本はそうだと感じます。
偉人の伝記とかはいいと思うんですよね。とくに子供のうちは心に残るものです。大人になってからだと裏話とかを知ってスれてくるから。
神話や伝説、小説としては「最後の一葉」が収録されていますが、努力と感動の実話が中心。ソニーや町工場、マザーテレサに上杉鷹山。奇跡のリンゴに天皇の祭祀など…日本が中心ですが世界の話を集めています。親が子に、先生が生徒に、大人が子供たちに伝えたい、心の柱に、道しるべになるような話ばかりです。
後書きの貝塚茂樹さんが触れているように、私も「道徳の時間に何をやったか覚えていない」です。まずい教育だったのか、私の記憶力が悪いのか…。
神話や伝説などはもちろん教えられなかったので、美智子様の講演「橋をかける」ではぎくりとしました。自分でもそう感じてたから、子供たちには同じ轍を踏んでほしくなくて神話や名作童話なんか薦めてたもので。
私は草柳大蔵さんの「私が二四歳のときにかいた恥」とビートたけしの「オフクロへの小遣い」が印象に残ります。子供たちには、最初のページから全部読まなくてもいい。押しつけではなく、なにかひとつでも自分の心に残る話を見つけてもらえれば嬉しいです。 -
お馴染みの話から知らない話までバランスよく組み込まれている。子供だけではなく大人でも楽しめる一冊。
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しっかりとした自分
人とのかかわり
かけがえのない生命
「公」と「私」
誰かのために -
道徳の教科化を念頭に、バランス良く逸話が組み込まれています。大人が読んでも楽しく読めます。
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図書館の児童書コーナーで目についたので借りました。いい話がいっぱい載ってマス。子どもより先に親が読んでおきたい一冊です。
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いい話が書かれている。人のつながりが薄れつつある今だからこそ先人から学ぶ道徳教育は大事である。
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大切なことを思い出させてくれる、すばらしい逸話が豊富。是非多くの人に読んでもらいたい。