- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594066833
感想・レビュー・書評
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主人公・中島加代子がハングリーすぎる…
ちなみにホテル業界の話ではなく、新人賞は取ったが単行本デビューできない中島加代子の、スーパーハングリーコメディです。
主人公は中島加代子ですが、語り手は大物小説家・東十条宗典(ひがしじゅうじょう むねのり)60代や、加代子の大学サークルの先輩で今は小説「ばるす」の編集者・遠藤などに、一人称が変わります。
特に東十条とは最初から最後まで好敵手であり、ときには利害の一致から手を組みもしますが、まあ持ちつ持たれつな感じが最後まで続きます。
小説「ばるす」という名前からして、なかなか攻めてるこちらの物語ですが、他にも「直林賞」やら「早生田大学」などなど、あちらこちらに攻めたパロディが詰まっています。
しかも主人公・中島加代子は、逆境にありながらそれでもなんとか小説家デビューして書いていく!!!!という意志が強く、「どこかに『木』が入ると売れる。」(30ページ)というジンクスの1つに乗っ取り、「相田大樹」というペンネームをつけます。
そのくだりを見て、何気なく本書の著者名をみたところ、「柚木麻子」と木が4本も生えていたのには思わず笑ってしまいました。
かとおもうと、現実の小説家の名前もバンバン挙がっており、朝井リョウ氏に関してはしっかり出てきてしっかりしゃべっております。わお。
朝井リョウ氏と著者の柚木麻子氏の関係性に疑問を持たれた方はぜひ、朝井リョウ氏のエッセイ「風と共にゆとりぬ」「そして誰もゆとらなくなった」をお読みいただきたいです。めっちゃおもろエッセイです。このエッセイを読んでから本作を読むと、エッセイと本作における朝井リョウ氏のキャラクターにぷぷっと笑っちゃって仕方なかったです。
いやしかしそれでも☆2なのは、強いて言えばあまりにもドタバタコメディだったから、でしょうか(苦笑)(つまり好みの問題)
あとは、一人称が章のなかでも結構コロコロ入れ替わるので、主人公は確かに中島加代子なんだけど、ちょっと応援しにくかったのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「さくさく読めて、面白かったです。テンポもいいし、心が温まりました。この調子でよろしくお願いします。」
文中のこの言葉がぴったり。
もっと面白くなるかなーと思ったけれど、固有名詞に頼り、内輪話に終始し、主人公の傍若無人ぶりに可愛げがなくて辛かった。 -
物語について、誰よりも横から上から矯めつ眇めつ考え抜き知り尽くしているのが言うまでもなく作家という業深い人種なのだろうけれど、それが為にネタベタメタのループに自ら囲い込まれて「ちびくろサンボ」の虎のように口溶け良く蕩けるバターに程よくスパイスを効かせ親しみやすいパッケージに閉じ込めたお菓子のような作品を器用に書いてみせられるのだろう。そして自分のようにこの作品を「つまらない」と思う読者がいることもあらかじめ熟知し(ご丁寧につまらない理由まで本作に書き込まれている)、同時に「面白い」と思ってくれる読者層に支えられていることも良く解っていらっしゃるご様子。恐らく上記ループに閉じこもった己を解き放つ「風船の栓」のようなものを本作中で「イノセンス」と表現しているのだろうと思う自分は、柚木氏の「イノセンス」が前面に出た作品をこそもっと読みたい。
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実名で出てくる人の意味もわからず。
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ドタバタして何も響かず。
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2016.1.14
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面白く読んだ
だけど、共感できない
作家の葛藤とか、うまく描かれてるとは思うんだけど
この作家はもういいかなぁ
≪ 最高の ホテルに似合う 私へと ≫ -
2015.2.26 読了
これは。。。
あまり 感情移入できなかったし、
主人公にも共感できなかったなぁ。。。
ある小説家のタマゴが いろんな手を使って
大作家になってゆく。。。と
ザックリ過ぎる言い方をすれば
そんな話なのだけど、
汚い手を使っても、読後は スッキリすれば
いいんだけど、
読後感も スッキリせず。。。
ただ 作中に出てくる作家が
たまに ほんまもんだったりして、
この作家さんは こんななんかな?
と 想像したりして、そこは 楽しかった。 -
ないわー。
途中までは主人公のむちゃくちゃぶりも面白かったけど、後半ひどい。
朝井リョウとか宮木あや子とか実在の作家さん出しすぎで内輪受けっぽい。
なんで最後は復習劇なんだろう。そんな要素なかったし、あそこまでする必要ないのに。何もかもに不満を抱いて思い通りにムチャする主人公にうんざり。 -
なんかチグハグさが目について違和感。
最初の話の方向だったら
危なげなく読めてたかな。
何と言っても、軽いから
何年も残る一冊にはなり得ないが。