日本の文化 本当は何がすごいのか

著者 :
  • 扶桑社
3.31
  • (1)
  • (6)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 75
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594067892

作品紹介・あらすじ

『古事記』『万葉集』『従然草』『富嶽三十六景』、祭り、花見、能、老舗など、日本文化を貫く原理を美術史の国際的権威が、比較文化の視点でわかりやすく説き明かす。日本文化の真髄がわかる全10章。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 693

    田中英道
    昭和17(1942)年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、同美術史学科卒業。ストラスブール大学に留学しドクトラ(博士号)取得。文学博士。現在、東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍するかたわら、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また、日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本国史学会(平成24年設立)の創設に尽力、代表を務める

  • 日本人の宗教・文化に対する考え方や感覚を、国の成り立ちからわかりやすく論理的に述べているのが良かった。
    日本で当たり前と思っていることが、外国ではそうでなかったり。いくらグローバル化していくとはいえ、日本人の死生観は変わりようがないと思う。この本は、外国の人にとっても日本のことを理解する手助けになるだろうと思う。

  • 世界が注目する“クールジャパン"の真髄とは? 『古事記』、葛飾北斎の『富嶽三十六景』、能など、日本文化を貫く原理とは何か? 美術史の国際的権威が、日本文化の特色を比較文化の視点から、わかりやすく説き明かす。

    第1章 日本文化のすごさの源泉
    第2章 自然信仰によってつくられた日本文化の独自性
    第3章 『万葉集』を読めばわかる日本のすごさ
    第4章 神道の心をうたう歌人・西行
    第5章 “気韻生動”で表された御霊信仰
    第6章 日本文化の中心にはいつも天皇がおられた
    第7章 神話が語る日本文化の特色とは
    第8章 聖徳太子の「和の精神」とは何か
    第9章 『徒然草』と日本人
    第10章 文化大国・日本

  • 累計5。日本人は富士山をはじめとする自然を敬うことを遥か昔から続けてきた。自然への畏敬の念が神道となり,仏教などと融合しながら日本人独特の価値観を築きあげてきた。葛飾北斎が表す富嶽三十六景には,富士が描かれているが,どれも小さい。北斎は富士山を描いたのではなく,富士に守られている人々の生活を描くことで,富士山=自然に対する信仰を描いたのではないか,という。そして,その技法だけではなく,価値観や自然を神とする心がゴッホやアンリ・リヴィエールらに影響を及ぼしたのではないかという主張。庭園や盆栽など,美や観を凝縮するのが日本人,というのも興味深い。また,争いを避ける原点に国譲りの神話がある点なども共感できる。

  • すべてのものを神道的な観点より説明しようとするきらいがあり、少しうさんくささもあるが、一方で日本の良さ等も十分に伝わる、また日本をもっと知りたいと思える内容なので、良い本であると思った。

  • 自然に恵まれ外敵から隔絶された島国、争わず、国譲りで統一。自然崇拝、和の精神、神の加護。

    大陸的なものと比べると、改めてその根本的な相違に気づかされる。

  •  日本文化は、世界からも称賛を受けることが多いが、その原点は日本独特の神道にある。神道の中には、自然信仰、御霊信仰、皇祖霊信仰があり、日本の様々な文化や日本人の言動の中に、神道が根付いている。
     例えば、日本の庭園などがそうである。日本の庭園は、そのままの岩や木をうまく調和させ配置し、砂を川に見立てる枯山水など、自然の調和を大事にする芸術である。しかし、ヨーロッパの庭は、自然を刈り込み、人工的な美しさを美徳とする。自然を制覇することが欧米人の考え方なのである。
     また、皇居や明治神宮など、東京のど真ん中にあれだけの広大な人が入れない緑地が存在することもおもしろい。また20年ごとに行われる伊勢神宮内宮の遷宮も1300年続いていると思うと、世界的に見ても考えられない文化である。また葛飾北斎の富嶽三十六景には、つねに富士山が象徴としてあらわされている。
     日本人は、昔から自然を大事にし、いかに調和させていくのかを重視した種族なのである。そう考えると、自虐的に歴史を考えたり、欧米に敬重するのではなく、もっと自分たちの国に誇りを持ってよいと思う。

  • ■書名

    書名:日本の文化 本当は何がすごいのか
    著者:田中 英道

    ■概要

    世界が注目する“クールジャパン"の真髄とは――
    『古事記』、『万葉集』、美しい仏像、西行の歌、兼好法師の『徒
    然草』、葛飾北斎の『富嶽三十六景』、祭り、富士山、能、皇居、
    老舗など、
    日本文化を貫く原理は“神道"にあり!
    美術史の国際的権威が、日本文化の特色を比較文化の視点でわかり
    やすく説き明かす。

    なるほど、そういうことだったのか! “目からウロコの新視点"
    ◇ 日本列島に住む人々は“ふるいがけ"が行われていた
    ◇ “専守防衛"は日本の伝統
    ◇ 神話が語る日本文化の特色とは
    ◇ 東京のど真ん中にある“空洞"=皇居の不思議
    ◇ 聖徳太子の「和の精神」とは
    ◇ 『万葉集』を読むと日本人の考え方がわかる
    ◇ 日本人は「老い」を肯定的にとらえてきた
    ◇ 光源氏は日本文化のすごさを物語っている
    ◇ 葛飾北斎は『富嶽三十六景』で何を語っているのか
    ◇ エッフェル塔は富士山に似ている! ?
    ◇ 日本の浮世絵がヨーロッパで大流行した本当の理由とは
    ◇ すぐれた文化が生み出される条件とは……、その他
    (From amazon)

    ■気になった点

    ・イタリアやフランスにとっと大人になると言う事は、極端に言って
     しまえば、常に争いが出来る状態に自分を置く事だ。

    ・世界の文化が「争いの文化」であることに対して、日本は、「人
     間性にあふれた幸福な文化」であるということが出来る。

    ・争いをどう処理するか?という考え方が、民主主義や、哲学だっ
     たといってもいい。

    ・西洋では、人間と自然は敵対するものという自然観が支配してい
     る。

    ・日本は、世界の中心的思想になり得る思想を持っているという
     ことなのである。

  • 日本の文化=神道と置き換えて、いかに神道が優れているかを暗に示そうとしているかなり右寄りな本だった…。

  • 神道に対するきょうみが深まった

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

昭和17(1942)年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、美術史学科卒。ストラスブール大学に留学しドクトラ(博士号)取得。文学博士。東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本国史学会の代表を務める

「2024年 『日本国史学第20号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中英道の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×