光の闇

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 56
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594068042

作品紹介・あらすじ

ないことはあること-。聴覚、視覚、嗅覚、脚、声、記憶…"欠損感覚"に問いかけた、新感覚小説。身体の一部をうしなってからの人生の一幕を描いた連作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • 「欠損感覚を通して身体感覚を探ってみる小説」とあるが、内容は体験したことや聞き書きを並べただけのエッセイに近いのでは。欠損感覚に関してもう少し踏み込んだ描写や考察があるものと期待したのだが、かなり残念。最後の一編だけが小説っぽく、しかしそれ故に他から浮いた感じが否めない。

  • 2015.11.20読了

  • なんだか寝付けず、いちど起きて本を読む。
    カバーの絵は松本竣介の「水を飲む子ども」。収録作にも竣介の絵にふれたものがある。

    「あとがき」に著者はこう書く。
    ▼ずいぶん前から、欠損感覚を通して身体感覚を探ってみる小説を書いてみたいと思い続けてきた。

     身近に、聴覚や視覚をうしなった知人がいたこともある。また、自分自身がアスベスト禍に遭い、身体の内面に思いを寄せることが多くなったせいもあるかもしれない。(p.210)

    著者は「欠損」感覚と書くが、さいしょから、少なくとも物心がついて以来その感覚はなかったのだという人の話もあって、それはたとえば「生まれたときから聞こえなくて、それが私にはアタリマエ」というようなことで、そういう感覚や経験には「欠損」ではなくて、なにか別のことばがあればいいのになと思った。

    いわゆる"障害者"モノ、として読むこともできる小説は、「ないこと」や「失ったこと」は、ただマイナスや不幸せではなくて(苦労や不便はあるのだろうけれど)、その状態と感覚のなかで生きている人たちがしっかりと伝わる佳作だった。

    結局、さいごまで読んでしまってから、また布団に入って寝た。

    (4/14了)

    *2年前の生誕100年の年にいくつか読んだ松本竣介がらみの本
    『青い絵具の匂い─松本竣介と私』
    『求道の画家 松本竣介―ひたむきの三十六年』
    『松本竣介 線と言葉』
    『舟越保武全随筆集―巨岩と花びら ほか』

  • 私小説作家という事は、重々承知してるけど… 聞書という形式ではなく、フィクションとして作り直して欲しかった。

  • 欠損感覚を持ちながら生活している人々の記録。
    嗅覚障害の治療をしている知人がいるので、重ね合わせて読んだ。大震災以降の記述も。表紙絵は東北のゆかりの画家のもの。

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著者プロフィール

佐伯一麦(さえき・かずみ)
1959年、宮城県仙台市生まれ。仙台第一高等学校卒業。上京して雑誌記者、電気工などさまざまな職に就きながら、1984年「木を接ぐ」で「海燕」新人文学賞を受賞する。1990年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、翌年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞。その後、帰郷して作家活動に専念する。1997年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年『鉄塔家族』で大佛次郎賞、2007年『ノルゲNorge』で野間文芸賞、2014年『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整賞をそれぞれ受賞。


「2019年 『山海記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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