夜の経済学

  • 扶桑社
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レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594069162

感想・レビュー・書評

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  • フーゾクやワリキリの実態をフェルミ推計を用いて数値化する好奇心をそそるところからスタートし、貧困や幸福など社会問題にまで踏み込んでいく。データを見ることで逆張りが溢れるメディアに惑わされないなど、読む前の期待がいい意味で裏切られた。

  • ○ノンフィクションライター荻上チキ氏と明治大学教授の飯田泰之氏の著作。
    ○フーゾクの経済状況といった、社会の裏側に存在する大きな市場について、そのスケールや活況を、具体的な数値にて表し、分析している。また、そこから見える“真の社会的弱者”について、その実態を明らかにしている。
    ○まず、自分の身近な出来事を、統計学等の知識を用いて、数値化し、合理的に分析していることが大変興味深かった。
    ○また、荻上チキ氏の徹底した取材及び文章構成に、つい引き込まれてしまう。

  • この手の本としてはかなりのヒット。

    本文にも書いてあるとおり Inspired by 「ヤバい経済学」で、公式統計がない風俗などの分野について、なんとかして統計データを作った上でクロス統計で分析を行う、というのを読みやすくまとめてある。人々はなんで風俗産業で働いているのか、とかね。

    「ヤバい経済学」を読んだ時と、知的興奮という意味ではやっぱり非常に近いんだけど、出てくる分析がフィールドが日本だけあって、特に階層社会の現状については全く他人事ではない頭が痛い分析がバンバン飛び交うので、読後感はちょっと重い。「ヤバい経済学」も重い話題は多いんだけど、やっぱりアメリカの話題だから微妙な対岸の火事的な感覚で読めちゃうしね。特に風俗とワリキリでの参加者の階層や意識の違いのくだりは、現代日本社会の参加者なら誰でもかなりグサッと来るんじゃないか。

  • 多くのメディアでは語られない、もし語られたとしても根拠の乏しい、夜の経済について、生真面目にデータを用いて分析している本。

    こういうサブカルチックな本は面白い。ただ、こういう本はよく、筆者の主観が多分にはいってしまうものだと思うが、この本はかなりの調査量に基づいたデータをもとに議論が進むので、現実味があり、とてもおもしろかった。

    正直、ブックカバーをつけて読むべきだったかなぁと今さらながら思っている所存である。

  • よくぞここまで調べた。また、東スポを過去20年さかのぼって登場の多い源氏名を調べるなど、役に立たないと思われる情報も、本当に時間と手間をかけて調べた。この点だけでも敬意を表す。アンケート調査データの分析方法だけでも経済学の手法がわかり、勉強になった。

  • 統計学を用いて社会を評論するライトな社会評論と言ったところ。統計に関する著書も複数ある飯田が関わっていることから調査・分析のデザインはなかなか。ただ本書で着目すべきなのは「幸福な若者」及び生活保護に関する分析だろう。いずれも誤解や偏見の多い分野に対して、どのような条件から、いかなる認識が形成されるかを統計学的に分析しているのは見物だ。このような、「若者」などを世代論によって勝手に規定するのではなく、その形成要因を仔細に明らかにしていく研究・言説が増えることを望みたい。

著者プロフィール

明治大学准教授

「2019年 『日本史に学ぶマネーの論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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