- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594069162
感想・レビュー・書評
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東大卒の明治大学の准教授が監修しており、なかなかここまでやるか〜という事が書かれている。
都道府県ごとの風俗の値段の適性値段の式や、東大女は学校で彼氏を作らないとあとが大変など。
割り切りの女についてもかなり触れている。店舗型より割り切り型で働き女性のほうが低学歴でコミュニケーションを求めない人が割り切りをやるとある。男性も同じで箱型は大卒が40パーセント以上利用するが割り切りは1割を切るなど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『夜の経済学』
著者:飯田泰之
著者:荻上チキ
装丁:岡睦 (mocha design)
表紙絵:チカツタケオ
撮影:難波雄史
図版:松崎芳則 (Muse Graphic)
DTP製:株式会社 Office SASAI
出版社:扶桑社
判型:四六判
定価:1430円(本体1300円+税)
発売日:2013/09/26
ISBN:9784594069162
〈https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594069162〉
【軽いメモ】
一般向けに易しく書かれている。経済学に限定するより、社会科学の啓蒙書という方が自然かも(啓蒙より、データの提供とか、偏見の中和とかのほうが主眼)。
風俗産業や貧困層などの世間実態が知られていない分野・階層(または、誤解が多い分野)にフォーカスしている。本書は、データをもとに議論するための、「たたき台」の本とのこと。
【メモ】
・日本国内の風俗産業の市場規模は数兆[円/年]
・「夜」の世界に光を照らせ --『夜の経済学』著者・飯田泰之氏インタビュー (SYNODOS 2013年10月11日)
<http://synodos.jp/newbook/5836>
【簡易目次】
1章
フーゾク業界を経済分析
フーゾク業界の経済規模3.5兆円以上
日本人女性の3.6〜5.4%がフーゾク経験あり
フーゾクの平均単価の地域間のばらつきは7.8%
etc.
2章
個人売春(ワリキリ)を市場分析
ワリキリ価格はその地域のファーストフード店の時給の20~25倍
ハメ撮り・ナマ・自宅などリスクを受け入れる要因
この4年間で売春の平均価格は1割前後も低下
etc.
3章
夜のマーケットの需要と供給
地域間のばらつき フーゾク価格<地域間経済格差<ワリキリ価格
フーゾク顧客とワリキリ顧客の違い
etc.
4章
「幸福な若者たち」って誰のこと?
生きづらい!? 偏差値60以上70未満女子
「希望」があると幸せな若者たち
東大女子最強説
etc.
5章
ニッポン社会的排除白書
生活保護受給者に「就職・仕事用のスーツが必要」と答える人 37.2%
〈外国人犯罪〉率25.9%と答える、日本人の寛容度
etc.
6章
流言とデマの経済学
需給ギャップをニセ情報が埋める
被災地に多かった地震兵器、地震再来流言
日本の情報教育を憂う政治家49%
etc.
7章
アダルトメディアの夜明け
メガアップロード摘発からア動ブ、東スポ、MAN-ZOKU、TENGAまで
荻上チキ×飯田泰之 対談 「ここから議論の応酬を」 -
んまあまあ。メンバーで買いだったが、不真面目とされる分野を真面目に分析という組み合わせはわかるし、そこは良いんだけど、まだふざけられただろうというか、固さが残ってたのが残念。
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経済学者と評論家のコンビが素晴らしい。
いずれかの一人ではここまて深いデータ収集、仮説・モデル設定、統計学的分析は不可能だっただろう。フェルミ推定(シカゴにはビアノの調律師は何人いるか?)も利用し、日本に風俗店は何店あるか?を算出。その他、首都圏大学生の偏差値別行動分析。生活保護の分析。震災後のデマ。メディアは視聴率を稼ぐために珍しい事例しか取り上げないが、データは現実を明らかにする。 -
稼働店舗と1店舗あたりの在席女性の数から、日本全国の
風俗嬢の人数を30万人と推測。
風俗嬢の平均月収は49万円、首都圏と地方のワリキリの
平均金額の違いなど、まあ、風俗関連の数字について
よくぞここまで仮説を立てたと、好きな人には面白い夜の経済学。
ただ、ただのエロ経済の話ではなく、光ったのが後半部分の
貧困・生活保護に関わる考察。
それなりの所得を得ている人たちは、生活保護を受けている
人たちに対して厳しい評価を下している、これはすなわち
”貧困を想像できていない”という指摘。数字が物語っているだけに
間違いなく事実。
(別のことでも触れて、著者は”自分にやや厳しく、他人には
超厳しい”傾向と表現しています)
そして、この結果が今の日本を覆っている、息苦しさにもなっているの
ではないでしょうかね。 -
キャバクラ勤めしていた身として、興味津津。
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統計を使っての風俗や買春分析をしていくのだけど、統計の限界や分析思考の限界に対する葛藤が端々に見られて面白かった。
中で紹介されてる高学歴になるほど童貞・処女率が上がるってデータも面白かった。 -
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とても真面目に「数字を扱って考えるとは」を考察している一冊。
テーマが風俗とか売春とか一般的にデータがないものだからこそ
思考力で補って考察することに意味がある、
というのがとても良く分かる。
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個人的に、「数字では分からないこともある、それは数字で分かることを把握した上で、そこから漏れるものもちゃんと考察しようってことですよね」という趣旨の文章が我が意を得たりという感じで嬉しかった。まさに。
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本書は興味本位で(半ばネタとして笑)買ったのですが、あまり馴染みの無いテーマだったこともあり、新鮮でした。
統計学と経済学の手法を使って、所謂フーゾク産業を分析しているのですが、読むと日本の問題が見えてきます。
「『売春相場の地域差』は、印象だけのものではない。価格の平均値・最頻値に加え、『経済状態』を表す変数として、完全失業率、有効求人倍率を用いて回帰分析も行ったのだが、いずれの場合でも『経済状態が悪い地域では売春価格は安い』という結果が得られた。そう、『売春は経済問題』なのである。」(p.81)
そういうお店を利用して、極端に値段が低かったら、その地域は経済状態が悪い、景気が悪い、ということなんですね。
まあ、行きませんけどね。