脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

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  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594069513

感想・レビュー・書評

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  • ◆講談社ブルーバックスなどで、脳機能に関する一般向け著作を有する著者による、エッセイの集積。多くのテーマを広く浅く叙述する脳・理工分野の雑学本◆

    2013年(底本2012年)刊行。
    著者は東京大学大学院薬学研究科教授(脳の可塑性)。

     ブルーバックスその他で、脳機能に関する一般向け著作を有する著者によるエッセイ・講義録等の集積。テーマは多岐に亘るが、ワンテーマは短いので広く浅く、という書である。
     また、著者の書や類似テーマの他書と被る部分(引用が多い故かも)もあり、新奇部分は多くはない。

     ただし、それでもなお幾つかは個人的に新奇な叙述がある。
     例えば、
    ➀ ヒトが言葉を有するに至ったのは、FOXP2遺伝子の二か所での変異による。
    ➁ 人の情動に関する脳の作用機序。
     不安と劣等感の感情は共通基盤がある。不安と妬みも同様。
    ➂ ワーキングメモリーのトレーニングは乱数列を記憶し、30秒後に再起させる。この訓練によりドーパミンの受容体量の増加が見て取れるよう。
     35(分/日)✕5(日/週)✕5週間でも効果あり。
    ➃ 嗅覚による発汗の要因区別は可能。中でも、AVビデオ鑑賞時の男性の汗を、女性(の脳内では無意識に)は区別する指摘は驚き。
    ➄ カロリス=摂取カロリー減は辛いが、記憶・長寿には有効。
    ➅ 音痴と空間認識能力は負の相関関係。幾何学得意と音楽との関係性を示唆。
    ➆ アルコールは線条体を活性。
     つまり脳内での快感を誘発し、多幸艦増進と習慣性に寄与。
    ➇ ネアンデルタール人と現生人類との混血を肯定するDNA分析。しかも、黒人にはなく、黄色・白色人のみ。中でも、ネアンデルタール男とホモサピエンス女の混血のみ。
    ➈ 自由意思の否定という仮説の認知が、規範違反・行動の自由を促進。規範違反の弁明が立つからという仮説を提示。
    ➉ ごく一部の短眠遺伝子を分離。変異型DEC2がそれ。

    などなどだが、この結論だけでなく、これを導出した根拠やそれに関する実験などの記述も興味深い。

  • やはり脳は面白い。

  • 池谷先生の本って内容濃いわ。ほんと。
    この値段でやすいってくらい、面白い脳の話いっぱい。

  • 内容は薄い。心理トリビアの話をしているのか脳活動の話をしているのか?
    脳活動の話は出てくるがそれが人間の心理に対する洞察(あるいは決めつけ)の直接の証拠になっているようには読めない。

  • この方の本は定期的に買って読んでいるんだけど、今回の本も非常に示唆に富んだ内容で面白い。事実よりもたとえ話の方が人に伝わりやすいとか、人間は過去に受けた経験によって作り出され、その反応で生活をしているため、良い経験を積めば積むほど良い反応(良い人生)が過ごせる、等々。無意識を鍛える事が良いという感じかな。脳に関する知見が多く、人生を楽しく生きるためのTIPSがふんだんに書いてあって面白い。

  • 脳科学の世界への入門書といった感じ。親しみのある語り口で読みやすく、身近な喩えは納得感あり。日常に於いての自らの感じ方、考え方を省みる示唆に富んだ良著。

  • FOXP2遺伝子の2か所の変異がヒトに言語を与えた。アイデアは寝る事、熟成期間が創造に繋がる。

  • つまらない

  • 脳科学について、広範囲に様々なトピックに分け実生活・日常に即した形で記述。一般向け。

  • 脳には妙なクセがある/池谷裕二

    何となく買って読んだ本だった。もうちょっと自己啓発系なのかなと思ったが、基本的には脳の仕組みを実験などの実証例を挙げながら面白く紹介している本だった。
    そういうのが好きな人は読むべきだが、脳にはこういうクセがあるから➡︎こういう行動をとると良い。という部分はあまりなかった。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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