帝国憲法の真実 (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594070380

感想・レビュー・書評

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  • 日本国憲法の欺瞞と、そこに仕込まれた暗号。日本を日本として残そうとした、ぎりぎりの妥協の産物。
    比して、世界の文明国足らんとする大日本帝国憲法。
    やっぱり倉山先生だ。

  • どうでもいいけど、日本国憲法に誤植があるってネタどの本でもやってるけど、そんなに自慢したい内容かね。こういう風に帝国憲法を絶賛する論調は小気味よいが、帝国憲法復活って論調にあえて繋げないようにしているように感じる。

  • 歴史に学べぬ愚か者が多い

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    帝国憲法こそ、日本国の歴史と文化と伝統に則ったまっとうな憲法であり、世界標準の文明国の通義にかなった憲法なのです。10
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    吉田茂は答弁しています。
    「御誓文の精神、それが日本国の国体であります」
    「日本においては他国におけるがごとき暴虐なる政治とか、あるいは民意を無視した政治の行われたことはないのであります。民の心を心とせられることが日本の国体であります」33
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    警察のようなものである警察予備隊を創設し、海上保安庁のようなものである保安隊から軍隊のようなものである自衛隊へと組織改編を行い、なし崩し的な再武装を行うのです。すべて「のようなもの」です。58
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    戦前の憲法学では、もちろん条文は重視しますが、国体こそ真の憲法だとの共通認識がありました。憲法典の条文解釈においても、我が国の歴史・文化・伝統に鑑みて、どのような解釈が適当であるかが、議論の優劣を決する基準だったのです。124
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  • 現行の日本国憲法について考えるにあたり明治憲法(帝国憲法)についてはあまり知識がないなぁ、と思い読んだ。国とは何か、そもそも憲法とは何か、という基本的な点をあまりに私たちは考えてないことを思い知らされた感じです。

  • 現行憲法VS.帝国憲法。明治・大正を支えた帝国憲法はなぜ悪魔の憲法に貶められたのか? 天皇、九条、靖国神社、集団的自衛権、統帥権etc。日本の争点を気鋭の憲政史家が一刀両断する。

    第1部 日本国憲法の欺瞞
    第2部 帝国憲法の真実

  • 東アジアで初めて欽定された大日本帝国憲法。国家の非常時に国民すら守れないコミュニストが作文した現憲法は廃止すべきだなぁ、と思う本。

  • 憲法=constitution=政体・国体ということで憲法を語るなら国家論は抜きにはできない。本書は国家論に正面から取り組んでいるので「国家論なき憲法論」(百地章先生の指摘)となってしまっているタコツボ憲法学者の本よりはいいと思う。

    とはいえ著者が帝国憲法ファンダメンタリストであるので主張の部分は割り引いて聞いたほうがいい。読み物としては面白く情報としては相応の価値があると思った。

    帝国憲法の再評価の本としては八木秀次先生の『日本国憲法とは何か』も読んだが、憲法3条の解説と、社会契約説の理解においては本書の方がいい。

    天皇親政の建前でありながらたくみに立憲君主制としての統治機構を組み上げている帝国憲法は、19世紀の憲法典としてはよくできていると私も評価する。

    が、非常時に大権を奉還することで危機を乗り越えることを意図してそのようにできている、というのは、「危機管理」などという言葉が普及する前の時代でそこまで考えてあるのか、私はちょっとここは同意しかねる。

    思うに、天皇の権威を最大限政府が利用し統治力を高めるように考えた結果ではないか。じっさい、国民が立憲君主制に気づいて「天皇機関説」とか語りだすのはだいぶ後のことだ。親政は建前ではなく実態だと信じられた時代は長い。

    帝国憲法も現行憲法もいいとこ取りをして次の憲法に生かせばというのが私の今のところの考え。帝国憲法が優れていても現代に復活させればやはり時代に合わないところがあるだろう。現行憲法に内閣の規定や文民統制が取り込まれたのも意義のないことではないし。

    なお、文民統制が軍部の独走を抑えるという機能だけで語られず、戦争に勝つために必要な体制、と指摘したあたりは鋭いと思う。日本だって文民統制がなってなくて負けたし、第一次大戦のドイツも例示されている。

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著者プロフィール

憲政史家

「2023年 『これからの時代に生き残るための経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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