老いの整理学 (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594071509

感想・レビュー・書評

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  • 忘れる事は、新しい事を入れるスペースができる事、なるほど~

  • 誕生日を過ぎると死亡率が上昇する。
    70を過ぎたころから、おしゃべりする目的の仲間を作った。
    忘れれば頭はよく働く。
    怒りっぽいことは、年を取ってからは悪くない。怒りは元気の源。興奮する材料。
    シュリンケージ(縮小)は防ぎきれない。精神的に老化する。防ぐには、広げるしかない。新聞を読む。
    新聞の切り抜きで本ができる=森銑三。
    年を取ったら読書は30分ごとに歩き回る。
    本を読むのは仕事ではない。仕事をする。

    地下鉄は、経費がかかるので、近田から冷房は無理だという理由をつけて拒んでいた。
    昼入浴で風邪を防ぐ。風邪に入浴が良くないというのはドイツ医学。ドイツは湿度が低いので入浴は疲れて体によくないもの。

    書くことが無くても書く。書けば×。発表するところがなくても書く。
    高齢になっても、10年分の材料を仕入れる。

    ゆっくり急げ=アウグストスの愛用のことば。反対の言葉を結び付ける。撞着語法。ありがた迷惑、公然の秘密、負けるが勝ち、など。よく学びよく遊べ。
    田舎の学問より今日の昼寝。ゆとりの中にまなびがある。

    睡眠だけでなく横臥も大事。
    うつぶせが内蔵にはいいが、苦しい。

    詐欺は、自分のお金が役に立つという満足感を利用される。
    寄付金の処理はいいかげんなところが多い。
    流れる水は腐らない=動き回ればいつまでも若いといわれる。

  • (本から)
    「他山の石」
    ピグマリオン効果

    ”日々にわれわれは賢くなりゆく〝 シェークスピア

    全てを自然、時の流れに任せ、万物流転、われ生きる、ゆえにわれあり、という悟りに向けて、ゆっくり急ぐ。老いの楽しみはその中にある。

  • 怒りたい時には怒り、泣きたい時は泣けってことですね。

    食事会を催して後日お礼を貰えなくて怒るところがクスッとワロタ。

  • 人間は年とともに、忘れっぽくなる。それが正常かもしれない、長い間生きてきて、頭の中はいろいろな記憶でいっぱいになっている。そこへ新しいことを持ち込んでも入るところがない。それで片っ端から捨ててしまうようになる。覚えていないのではなく、頭に入ることができなかったのである。
    朝、目を覚ました時、気分爽快であれば、頭の掃除がよく出来ている。忘却のおかげである。目覚めが爽やかでないのはいろいろな理由があるに違いないが、頭にゴミが残っている、つまり、忘れ足りなかったためである事が多い。
    過去を振り返るよりこれからのことを考える。今している事が終わったら何をしよう、といったことを考える。そうすると自然に古い事を忘れる。余計なことは消えてなくなる。料理とは理(ことわり)を料する(考える)という事、高齢者にとって、食べ物を作るのはたいへんいい運動になる。
    体を動かすには、年中無休。毎日する。毎日の予定表をつくる。起床・散歩・体操・食事・・・午前中にすること、午後すること、夕食のあとすること、できたものの上には○、できなかったものは✕流れる水は腐らない。動き回るものには老いがゆっくりでいつまでも年より若いと言われる。病苦、災難はなければそれに越したことはないが、生身の人間である、平穏無事の一生ということは考えられない。病気になった、災難に遭ったとしても、すぐに、これでおしまいと考えない、楽天的であるのがいい、なんとかなるさ、とタカをくくっていると案外、そうなる。人間のおもしろいところである。

  • 著者はもう九十なんですね。
    ここまで達観出来るのは、この人のなせる技。

  • 『思考の整理学』の著者で知の巨人と称せられる外山滋比古氏による人間老いたら、いかに生きたらよいかを問う一冊です。著者の論理的なわかりやすい考察や説明は本書でも随所に見られとても読みやすく、思わずふむふむと一気に読んでしまう面白さでした。まだ中年で老年ではない私ですが、人生の大先輩の教えはまだ老年を迎えない人にもとても役立つと思います。読書とは著者との対話である、と再認識できる一冊でした。

  • 個人的な考えが取りとめなく書かれている感じで、納得感や共感はあまりなかったけど、参考になる考え方もいくつかあった。

  • 外山先生がなぜ元気なのか、わかった。ストレスフリーな、老年期の過ごしかた、参考にしよう。

  • 90歳を過ぎて、ますますお元気というか、実際にガンガン本が出ている著者のエッセー。「怒ってよし」とか、誰もが持つ感覚に近くて、いい意味での”くそじじいのススメ”的な要素もあり、親近感が持てた。昔からよく知られている「知の巨人」の一人なんだけどね。よくある「~すべし」「自分らしく(というわりに説教くさい)」的な自己啓発本とは、違って心地よく読める。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『ワイド新版 思考の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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