黄泉醜女 ヨモツシコメ

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594073060

感想・レビュー・書評

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  • 実際の事件をベースにした作品。
    登場する官能小説家は自身を投影したキャラクター。キーワードとなる「春海さくら」自身の心情はなく、関連する人物に焦点をあてているのですが、それぞれのドロドロした印象が渦巻いている感じで一気に読みました。嫉妬がテーマ。

  • あの事件をベースに書かれていると思います。
    それほどあの事件は私たち女性に衝撃を与えたのですね。
    どうしてもランク付けし、「自分はあの娘よりマシ」なのに…こういう嫉妬はいくつになっても、誰に対しても抱きたくなるものね。

  • 婚活連続殺人事件で死刑判決を受けた「さくら」、木嶋佳苗を題材にした作品。
    作家自身をモデルにしたような、官能小説で受賞してデビュー、その後、ホラーや文学のほうが著作数が多いにもかかわらず、官能作家と言われるという女流作家が、フリーライターと一緒にさくらの周辺の女性たちを取材するという構成。

    テーマは嫉妬。面白いのではあるが、著者の思考、言いたいことがわからなかった。
    (図書館)

  • この『春海さくら』って、あ~、あれか!あの婚活サギ女・・・名前なんだっけ?(とググる)そうそう!これは、あの〈首都圏連続不審死事件〉で4人以上の男性を死に追いやったとされる木嶋佳苗被告に着想を得て書き下ろされた小説なのね~。
    著者の花房さんはインタビューで「あの事件を初めて知ったとき、まず『私はこの女よりまし!』と叫びそうになりました」と語ってるけど、私もそんな風に思いました・・・「これなら私もまだまだイケるんじゃん?」とw
    花房さんは事件そのものより「これほどまで多くの女性があの事件に夢中になった、という現象のほうに興味をそそられました」とも語っています。
    そして、これまた著者自身をモデルとしたような『桜川詩子』が書き下ろすために、フリーライターの『木戸アミ』と一緒に取材します・・・そんな女たちの内に秘めた嫉妬や欲望、歪みや捩れとは・・・?

    女は・・・存在自体がホラー、なのかもw

  • 『黄泉醜女』
    木嶋佳苗を題材に、それぞれ社会的に違う立場の女たちの嫉妬を書いたもの。
    語り口調がほとんどだから読みやすい。最後仰々しすぎるのでは?と思いつつも、面白くて一気に読んだ!「人について語るとき自分の色眼鏡を露呈させて、自分を語っている」(大意)と『愚行録』の解説で読んだ通りだ。

    バリキャリの女は木嶋佳苗の男を立てて頼る生き方に注目し、元ブスが努力して綺麗になったあと専業主婦になった女は完璧な自己肯定をする内面に注目する。

    いわゆるキラキラ女子を「何にも考えてなさそう」と腐しながら「でも私はブス時代に精神を鍛えられた」と自負する流れがそっくりそのまま書かれてて怖くなった

  • 2015年、36冊目は花房観音の新刊。

    あらすじ:女流官能作家、桜川詩子はフリーライターの木戸アミからの誘いで、婚活連続殺人で死刑判決が出た、春海さくらの取材を始める。

    自らも女流官能作家である、花房観音が、木嶋佳苗の婚活連続殺人を下敷きに描いたもの。各章異なる視点で描くのは、『女の庭』にもあったパターン。その六人の女性を通して語られるのは、女の「欲」「嫉妬」「業」。この辺のテーマはこの方が得意とするトコロだろう。そして迎えるのは意外なエピローグ。このエピローグ、キャラ変してるんじゃない(?)的印象もあるが、「一般的価値観とは」みたいでけっこう好き。

    性描写、官能場面はそれほどありません。二十代後半以上の女性に読んで欲しいかな。

    個人的に評価、★★★★☆は妥当。

  • 男が読む本じゃないな。
    かと言って、女にも読んで欲しくない。
    でも面白い。
    ある意味、とてもエンターテイメントな作品。
    それも「負」の。
    お金と時間を費やして、恐怖や実世界で認められない欲望を仮想体験するのは、勿論それが現実では困るから。
    これを真剣にとらえず、作品、フィクションとして楽しんで読める人にだけ読んでほしい。
    自分自身がそうであるかは甚だ疑問だけど。

  • 木嶋佳苗容疑者を事件をベースにした小説。
    「東京という街は」、「誰よりも女なのだ」、という表現は、キーワードらしいんだけど、その概念がありきたりで使い古されてるため、全くついていけない。なんか、表現が古くさい。
    今時、女の中の女、みたいな表現で何か伝わるほど、女性も単純でもない。むしろ、こんな括られ方するとウンザリする。
    ただし最終章で作家が別の顔を持つところは面白い。
    総じて人物描写はありきたり。人生ってこれだけしゃないからな、としか言えない。

  • 2016 10 2

  • 木嶋佳苗をなぞったような、小説。
    恨みや妬み、嫉妬が前面に押し出されている。

    花房さんの書きたいテーマがしっかり表現されていました。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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