- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594073626
作品紹介・あらすじ
二宮和也、ビートたけし出演! テレビドラマ化決定!
<12月28日(月)よる9時~ TBS系で放送>
笑って泣いて胸に沁みる、破天荒な名エッセイ、待望の文庫化!
~談春さんは 談志さんが残した最高傑作~
――ビートたけし
17歳で天才落語家・立川談志に入門。
両親の反対により新聞配達をしながら、「上の者が白いと云えば黒いもんでも白い」世界での落語家前座修業が始まる。
三日遅れの弟弟子は半年で廃業。なぜか築地市場で修業を命じられ、一門の新年会では兄弟子たちがトランプ博打を開帳し、
談志のお供でハワイに行けばオネーサンに追いかけられる……。
様々なドタバタ、試練を乗り越え、談春は仲間とともに二ツ目昇進を目指す!
テレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)などで俳優としても活躍、
「今、最もチケットの取れない落語家」の異名を持つ立川談春のオリジンがここに!
<2008年講談社エッセイ賞受賞作品>
立川談春(たてかわ・だんしゅん)
1966年、東京都生まれ。1984年、17歳で立川談志に入門。1988年、二ツ目昇進。1997年、真打昇進。2014~15年、
落語家三十周年記念落語会「もとのその一」で日本全国を周る。2008年、本書で講談社エッセイ賞受賞。
最近は、『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』(TBS系)等のテレビドラマでも俳優として活躍
感想・レビュー・書評
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筆者の立川談春は、立川談志の弟子。本書は、談春が談志に弟子入りし、真打ちになるまでのことをエッセイにまとめたもの。
驚くほど面白い。
落語家の世界、特に天才・立川談志について書かれているので、題材として面白くない訳がないのであるが、ストーリーとしての面白さばかりではなく、談春という人は、とんでもなく文章が上手で読ませる。
また、色んな意味で、過不足のない、絶妙なバランスのエッセイだと感じた。
まず、文章の抑制の効かせ方が素晴らしい。落語家の子弟関係は簡単な関係ではない。お互いに愛憎半ばするはずであるが、師匠の談志についての記述が、これ以上書くと愚痴や悪口になるぎりぎりのところで留まっており、かつ、談春の談志に対する敬愛の念が滲み出ている。
談志についてのエピソードなら、いくらでもあるだろうに、それも、本筋に関係のないところは書かず、本筋と関係のある大事なことは全部書くという、過不足のなさを感じさせる。
落語について詳しい訳ではないが、談志と談春の落語なら、絶対に聞いて損はないのではと思えた。
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立川談春さん
学生時代、ぼくはずいぶん談志さんの落語やラジオを聴いていた。どんな問題があろうとも明るく前向きに語ることがとても気持ちが良かった。談志さんのラジオは、ぼくの応援歌だった。
お前に嫉妬とは何かを教えてやる
己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんだ。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う
ぼくは、100万部の人間になるぞー
子供たちに愛を伝える小説を書くんだ! -
この内容が、修行の100%ではないのだろうが落語家になるための大変さがわかった気がします。
落語は、聞いている側のほうで良いな。 -
きちんと落語を聞いたことがない。
当然、落語に関する知識なんてまったくない。
かろうじて2、3の落語の演目名を知っているだけだ。
落語の中身がどんな内容か、いったいどんな話なのか、聞けば何となくは思い出すだろうけれどほぼわからない。
落語をまったく知らないまま、果たしてこの本を楽しめるだろうか。
不安に思いながら読み始めた。
面白い!!
文句なく面白かった!!
結局、最後まで一気に読んでしまった。
立川談志に対してあまり良いイメージを持っていなかった。
たまに見かけた談志は、強い口調、切って捨てるように言い放つ暴言、いつでも相手を見下したような言い方、喧嘩腰の態度。
どれも苦手なものばかりで、談志が出演している番組はまともに見たことがない。
いつ亡くなったのかさえ知らない。
出演者の中に談志がいると違う番組に変えてしまっていたからだ。
この本を読んで思った。
もしも一度でも談志の落語を聞く機会があったとしたら・・・。
少しは違うイメージを持つことが出来たのかもしれない、と。
思わず笑ってしまう場面がある。
切なくてグッと胸にくる場面もある。
「赤めだか」と読むと、著者である談春が世渡り上手な人間ではないことがわかる。
それでも落語を愛する心が、師匠である談志への強く深い思いが、尊敬が、伝わってくる。
ドラマ化されると知って読んだ本だった。
けれど、読んで良かったと素直に思えた1冊となった。 -
冒頭「本当は競艇選手になりたかった」
末尾「「談志(オレ)の心の中には、いつも小さんがいるからだ」平成十九年、談春(オレ)は真打になって十回目の正月を迎える」
面白かった!一気に読んでしまった。落語をまともに見たことはないけど、修行の様子、師弟関係とか新鮮で、また個人個人が面白い。
談春が弟子入りした立川談志は弟子の育成に問題があったということになっていたけど、読めば「優秀な指導者じゃん」となる。
「型ができてない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる」
古典芸能では「守」「破」「離」という言葉があるみたいだけど、きっと同じことを言ってると思う。そして古典芸能に限らず、他の色々な仕事に通じる考えだと思う。やはり基本があってこその応用。
最近色々な場面で、ネット上の情報を寄せ集めて知識人ぶったり、うすっぺらい人がよく目につく気がする。
「相手の進歩に合わせながら教える」
学ぶ楽しさ、師に誉められる喜びを知ることが第一で、気長に待つ、自主性を重んじるなど、お題目はいくらでもつくが、それを実行できる人を名コーチと云うのだろう。
「やるなと云っても、やる奴はやる。やれと云ったところでやらん奴はやらん」
最近働き方改革に関連して、どうもやる気を削ぐような方向の動きばかり多い気がする。
後輩にどう接していくか、とか考えるヒントが随所にあった。
一番のお気に入りは、破門を覚悟した談春が夜中に談志の家を訪ねた時の談志の対応。談志師匠懐が深い!これは弟子が惚れてしまうよ。 -
ドラマ「下町ロケット」でも有名な濃い顔の落語家、立川談春が、高校を中退して談志に入門し、前座から二つ目、真打ちと昇進していくまでの苦闘と笑いを、破天荒な談志師匠との関わりを中心に交流を面白おかしく綴ったエッセー。かなりアクが強い。
落語家、立川談志のイメージは、お騒がせ男、暴君、ドケチ、そしてキレキレの落語、といった感じ。とても弟子を育てるのに適した人物とも思えないが、不思議と、何人もの弟子が大きく育っている。本書から、談志と個性派の弟子たちの間に不思議な引力のようなものが働いているのが分かった。
談志の往年の芸が偲ばれる。談春の落語も、見てみたくなった。 -
談志師匠の優しさが書かれてとてもよかったです。
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立川流の濃さが談春視点で描かれている。エッセイではなく、小説の形で読みたかった。
でも、面白い。 -
夢中になって読んだ
落語に少し興味が出ました
己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬というんです -
・買った経緯
夏フェスで談春の落語をみて惚れた
・買った理由
立川流に擬似弟子入りしたかったから
・のこってる感想
この本が好きな僕を好きなってもらいたい