日本会議の研究 (扶桑社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594074760

感想・レビュー・書評

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  • ◎美しい伝統の国柄を明日の日本へ
    ◎新しい時代にふさわしい新憲法を
    ◎国の名誉と国民の命を守る政治を
    ◎日本の感性をはぐくむ教育の創造を
    ◎国の安全を高め世界への平和貢献を
    ◎共生共栄の心でむすぶ世界との友好を
    の6つを目指して運動を展開し、最高裁の「夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲とする判断」にも影響を与えたとされる日本会議。著者が指摘する通り、民主的なプロセスの中で賛同者を集めているのであれば、彼らの運動自体を否定することはできない。

    しかし、表面的には民主的プロセスであっても、同団体の「秘密主義的体質」は看過できない。個々の運動については明確な主張の下に展開しているが、思想のルーツすなわち「生長の家原理主義」についてはひたむきに隠そうとしている。個々の運動に賛同した多くの一般の人たちも、彼らの存在を認識していないだろう。

    しかも、彼らの究極の目的は「明治憲法の復元」にあるという。こんなビジョンに共感できる人が一体どれだけいるのだろう?(笑)

  • それが何をしているのか、どのような経緯をたどって今の組織になっていたのかの源流に関する本。現在の運動を理解する上での基礎となる部分。

  • 民主主義を信望しない「一群の人々」の、愚直で地道な民主的な市民運動により、改憲ならぬ「反憲」が進んでいる。
    「一群の人々」は正体を隠して活動している。
    もともと党内基盤の弱い安倍晋三は彼らに目を付けられ、取り込まれてしまった。
    70年代の「成長の家学生運動」の同志→①椛島有三Gr「日本青年会議」→日本会議→議員懇談会②伊藤哲夫Gr「日本政策研究センター」③教団Gr「谷口雅春先生を学ぶ会」(稲田も参加)

  •  現在の政治の右傾化の根源ともいえる日本会議を追う。
     
     別に日本全体が右傾化してるわけではない。早くして出世競争を勝ち上がった安倍晋三には強固な派閥がなく頼るものが必要で、その一つが草の根の保守活動をずっと続けていた人たちだった。
     その日本会議は宗教団体生長の家の一部と学生運動が隆盛の時に左翼と戦った若者達が源泉だった。明治憲法の世の再現を願う彼らが地道に活動を続けた結果が今なのである。
     記録を丁寧に追い、取材を続け、作者は日本会議の源へ迫っていく。その過程はなかなかに惹き込まれる。
     おそらくこういうことなんだろうなぁと腑に落ちた。世の中は流れていて、どこかで何かが大きくなっていく。

     今の日本を考える上で必読の一冊。

  • 読んでいて恐ろしくなる。

    日本会議が目標としていた参議院選挙での2/3を改憲勢力でとり、まずは『緊急事態条項』の追加を目指し、「すべての国民は、個人として尊重される」「個人の尊厳」の文言を削除し、『家族保護条項』の追加をめざし、さらに『自衛隊の国軍化』を押し進めようと着々と安倍政権をバックアップしている。
    日本会議のメンバーになっている最右翼の稲田氏を防衛大臣に据え、安倍の(日本会議の)もくろみがすすむ。
    組織として絶大な数ではないが、その組織力がバラバラな野党が対抗出来るのか?
    不安にはなるが、組織には組織、市民レベルの対抗組織が必要であると痛感する。

    国民会議の最終目的は明治憲法復元である。あらゆる意味で、国民会議に立ち向かわないと近い将来日本はトンでもない国になると思った。

    そして、本文には日本会議の歴史やその組織を形成している人々も含め研究されている。

    とりあえず、こういう事実を私たちは知っておく必要があると考える。

  • 何となく消化不良。安倍の裏には日本会議があり、そのまた裏には日本青年協議会がある事はわかったが、彼らが日本をどの様に変えようとしているのか理解出来なかった。危険な方向に変えようとしているのは分かるが。
    でも安倍一味は怖い。浅い考えで独裁的に変えようとしている。国民は何故浅はかな安倍内閣並びに自民党(昔の自民党はもっと色々な考えを持っている人がいたけど、今じゃ右向け右)を支持するのか?
    ホントに憲法改悪になってから気付いたんじゃ遅いよ。

  • 戦慄の書、と言って良いと思います。読み切って改めてレビューを書けたらいいなと思っています。

    恐ろしい、おぞましき団体、日本会議。これに操られる安倍に、何が何でもイニシアチブを握られてはならないと思います。

    読み切ったその日は日本の現代史上、忘れがたい選挙の終わった日でした。2016年7月10日の選挙を決して忘れることはないでしょう。戦後初めて改憲勢力が衆参両院で3分の2を超えた参議院議員選挙、そしてその翌日、日本会議議長が新聞に対してコメントをしていました。『これまで極左であった日本をようやく"普通の国"にすることができる。それを言ってきたのは安倍晋三ただ1人だ』と。ふざけてもらっちゃ困る。今までが極左だというのなら安倍は極右そのものではないか。ニュートラルだなんてどこ見りゃいえるんだ!?

    勝ったおごりに溺れてしまえ!と思いながら、読了後のこの本を本棚に収めました。どうかこ奴らの思うがままの国になりませんように!と祈りつつ。

  • よく調べてあるとは思ったのだが、なぜかモヤモヤ感がぬぐえない。それは生長の家が政治からなぜ手を引いたのか、ということへの疑問や、政権中枢とのつながりの深さについて頭をもたげたからだろう。この本はあくまでダイジェスト。続編を読みたい。

  • 「大手マスコミの相手ともならず、学問の対象ともならぬ」とはよく言ったもので、この手の仕事は専ら週刊誌の得意とする分野であろう。事実、その語り口や論の組み立ては週刊誌のそれに近い。
    しかし、本研究と週刊誌の記事の間には、乗り越えられぬ程の質量と熱量の差が厳然として存在している。
    如何せん行間の多さを感じる表現が多用されていたため、素直に内容を受け容れることはできないが、それらの「正しさ」はおいおい検証していくことで明らかになろう。

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