乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 550
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594075583

感想・レビュー・書評

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  • 内容の重複が気になる。編集でどうにかならないのか。

  • セレンデイピテイとは思いがけないこと発見する能力である。さがすものは出てこなくて、思いもかけぬものが飛び出してくる不思議。例としてペニシリンを発見したフレミングの例が書いてあった。失敗が思わぬものを発見するキッカケになる例だ。著者は思いがけないことを発見するためには乱読をすればいいと主張している。ぼくが実践していることと同じだ。嬉しい。

  • ジャンルを問わず色々な本を同時に読みまくる「乱読」。俺も実践することにする。出口氏の精読本も読んだが、性に合わない。

  • 【本は風のごとく、映画のフィルムのごとく読むのが良い。】
    「思考の整理学」で東大・京大の若者から絶大な支持を受ける英文学者、外山滋比古氏による、“乱読スタイルでアイデアを生み出す読書のススメ”です。本棚に置く価値のある良書。

    【1.著者はどんな人?】
    外山氏は日本の英文学者・言語学者で、お茶の水女子大名誉教授です。「ことば」による子供や若者への情操教育に取り組み、思考法に関する本やエッセイなどもたくさん書いています。

    【2.本書のテーマは?】
    本が大量に多種多様に出版され、いつでもだれでも手に取れる現代では、“乱読”(色々なジャンルの本を、ある程度速いスピードで、大量に読む)こそが一番おもしろく、自身の思考の役に立つ読書の仕方だ、という主張です。
    「本は風のごとく読むのが良い。(p.67)」
    「ことばの流れは、映画のフィルムのようなもの・・・バラバラだったフィルムの一コマ一コマが結びつき動きが出る。読むのも、これに近いと考えて良い。(p.65)」

    【3.細部はどんな内容?】
    ・本は一つのジャンルにとらわれず、文学、科学、哲学、宗教、ビジネスなど、自分の土俵ではない分野もふくめて読むことを勧めています。なぜなら、自分が理解しやすい分野の本ばかり読んでいると、「正確に理解するだけの読書(物理的読書)」に偏るためです。一方、「理解しにくいが好奇心をそそり、無意識に残る読書」を続けることで、頭の中で化学反応が起き、思いがけないことを発見する能力(=セレンディピティ)が鍛えられる、と述べています。
    p.75「ベーター読み(内容・意味がわかりにくい文章を読むこと)の能力を身につければ、科学的な本も、哲学も、宗教的書物も、・・・好奇心を刺激する点ではおもしろい読みができるはずである。」「とにかく小さな分野の中にこもらないことだ。広く知の世界を、好奇心にみちびかれて放浪する。」

    ・“知識”と“思考”は相反する関係であるとし、知識が過剰になると借り物のアタマになり、自分で考えることを妨げるため、過剰な“知識・教養信仰”に対して警告しています。そこで、インプットとともに“忘却・忘れる”ことを勧め、溜まり過ぎた余計な知識を排出して整理することで、思考の整理によりアイデアが生まれやすくなる、と述べています。
    p.52「本当にものを考える人は、いずれ、知識と思考が二者択一の関係になることを知る。・・・問題はどう見ても、生きる力とは結びつかない、知識のための知識を不当に喜ぶ勘違いである。」
    p.168「知識をとり込み過ぎ、それを使うこともなく、頭にためておくと、知的メタボリックシンドロームになるのではないか。」

    【4.ココがオススメ!】
    本の後半では実際に著者が乱読から得たセレンディピティによるアイデアを紹介しており、その内容が非常に面白いです。編集者時代に雑誌が売れずもがいていた時、トイレの中で「編集とは料理に似た加工である」ことに気づいて売り上げV字回復へ導く話。日本語がハイコンテキスト(回りくどい言語)なのは、日本が島国なので人同士の関係が密接であり、あうんの呼吸で伝わるために相手に理解を促すようになったから、とひらめいた話など。乱読が実際に著者の人生でさまざまなアイデアに結びついている様子がわかります。
    私自身、仕事の合間の休憩や散歩中、またはお風呂の時によく「ひらめいた!」状態になります。脳が無意識下で情報をせっせと統合しており、頭が切り替わった時にアウトプットされやすい、というのはその通りだと頷けます。あのスティーブ・ジョブズも、散歩しながらミーティングしていたと言われます。なお、色々な考えを頭のフラスコに入れて寝かせると化学反応が起きる、という視点は、ジェームス・W・ヤングの「アイデアのつくり方」にも通じます。

    【5.こんな方にオススメ!】
    ・読書から生きた教養・思考力を身に付けたい社会人。
    ・本を読んだほうが良いと思いつつ活字が苦手な大学生、就活生。
    ・色々な本を読むことで、どんな良いことがあるかを知りたい中高生。など

    【6.買う前に知っておくと良いこと】
    この本はノウハウ本ではなく知的なエッセイです。乱読・速読の具体的な方法論や本の選び方、おすすめ本などの紹介はほとんどありません。あくまで「考え方」を紹介するものですのでご注意を。

    【7.目次】
    ほんはやらない/悪書が良書を駆逐する/読書百遍神話/読むべし、読まれるべからず/風のごとく/乱読の意義/セレンディピティ/修辞的残像まで/読者の存在/エディターシップ/母国語発見/古典の誕生/乱談の活力/忘却の美学/散歩開眼/朝の思想

    以上、これから購入をご検討の方の一助になれば幸いです。どうぞ楽しい読書Lifeをお過ごしください!

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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