日替わり弁当のみで年商70億円スタンフォード大学MBAの教材に 東京大田区・弁当屋のすごい経営
- 扶桑社 (2018年11月26日発売)


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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784594081133
作品紹介・あらすじ
■数字で見る玉子屋
・450円の日替わり弁当を昼までに毎日最大7万食デリバリー。
・原価率53%
・廃棄率0.1%
・2代目を継いで8年で弁当の注文数を3倍に。
■中小企業の課題をことごとく解決
・日本の企業のうち97%を中小企業が占めている。昨今、中小企業の黒字廃業が問題となっているが、その大きな理由は後継者不足。
そんな中、中小企業の課題ともいえる「スムーズな事業継承」をし、先代から引き継いだ弁当屋の年商を20年で7.5倍に拡大させたのが、「玉子屋」の二代目社長だ。
日替わり弁当1本で年商70億円、パーティや冠婚葬祭などの仕出しを請け負う工場も設立し、年商90億と業界最大手に育て上げた。
東京の15区と、神奈川のごく一部に配達する1日の食数は最大7万食。朝電話注文を受けて、昼までにどうやって7万食を配達するのか。なぜ
日替わり弁当1本でそこまで事業を大きくできたのか。原価率53%、廃棄率0.1%という驚異の数字を維持できるのはなぜか。
そこには中小企業ならではの、フレキシブルな面白経営哲学がある。
・社是は「事業に失敗するこつ12箇条」
・営業マンは存在せず、配達のドライバーが弁当容器回収時に味や好みなどマーケティングリサーチをし、営業も行う。
・暴走族や地元の札付きの子らを積極的に採用
・一つの班を一つの子会社とみなし大幅権限委譲(下克上も日常茶飯事)
・初めての客とはすぐに契約しない
・1日最大7万食を午前中に配達する、「言われてみればなるほど」の配達方法
・全国展開、フランチャイズ化お断り
・世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のフォーラム・メンバーズに選出
こうした破天荒な経営哲学により、米名門スタンフォード大学からも視察が訪れ、MBAの教材となっている。
日本から中小企業が消えていく中、「華麗なる中小企業」を看板として成長している玉子屋さんの経営スタイルは、全国の中小企業事業者に
ヒントと勇気を与えるずだ。
■著者:菅原勇一郎
1969年東京生まれ。立教大学卒業、富士銀行(現みずほ銀行)入行。流通を学ぶため、小さなマーケティング会社に転職し、1997年から「玉
子屋」に入社。葬儀やパーティ用の仕出し屋「玉乃家」も設立。2004年社長になり、97年当時12億円くらいだった売り上げを、90億円までに
。2015年からは、世界経済フォーラム(通称ダボス会議)にも、フォーラムメンバーズに選出されている。
感想・レビュー・書評
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とても面白かった
読んでいて、仕事のこだわりと人材育成にとても熱心にしていることがわかる。
読んでいるだけで働きたくなったし、まず食べてみたくなる。
提携してる会社しか食べられないが、一度機会があれば食べてみたい。
弁当業界の改変も本の中に書いており、今後新しい改革をどんどん発表していくだろう。
まずMBAの教材に選ばれたことに注目がいく。
読み終わった今は、経営って面白いと思わせてくれる。
三方よしをまざまざ突きつけられた
今後の動きが気になる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先代社長さんの本を読んで気になったので読んでみた。先代の本はどのように会社を軌道に乗せるか、広げていくかが、こちらはどのように会社を存続していくか、引き継ぎ発展させていくかが書かれていた。
お二人が親子という関係性もあり、会社の流れについて答え合わせをしているように感じた。おもしろかった。 -
事業承継、ビジネスの成長や人材育成等、経営に関するエッセンスが著者の実体験と共に描かれており、非常に勉強になった。
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日替わり弁当1つで勝負している中小企業の経営方法について書かれた本です。
①スケールメリットによる450円の価格設定
②1日最大7万食を届ける多段階配送システム
③配送員が顧客のニーズを聞き取る営業マン
④減価率53%の豊富なおかずが入った弁当を12時までに届けるサービス設計
商品が1つだからこそ、マーケティングミックスの4Pについて徹底的にこだわっているのが読み取れます。
仕事でマーケティングを担当する方はもちろん、具体例が多いので読み物としてもおすすめです!
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上の立場の者が下を減点主義で評価したり、「やって当たり前」という目で見ているようでは、現場のやる気は削がれていく。
まずは長所を見出して褒める。それから欠点に気づかせ、ミスをなくすように指導する。
この順番が大事 -
東京近郊で仕出の弁当屋を営む玉子屋の2代目社長である著者が同社の歩みや弁当に対するこだわりなどを書いた一冊。
450円の日替わり弁当を1日6万〜7万食の弁当を提供する同社の弁当の食材に対するこだわりはもちろん廃棄を無くすための見込みの読みや配送ルート、注文管理のシステムなど高い原価率で満足のいく弁当にするために試行錯誤された仕入れなど高い満足を得ている弁当が提供されている秘訣を本書で知ることができました。
また、同社が養鶏や鮮魚の取り扱いから弁当屋に至るまでの経緯や弁当屋になってから集団食中毒を起こして一から信頼を勝ち得て今の地位に立っていることなど同社の今まで紆余曲折を知ることもできました。
そして、悪ガキとされる者を雇う際のポイントややる気にさせるトップとしての心構えや評価制度があることも知りました。
そんな本書を読んで父親から事業継承した際の経緯の中で著者が失敗を恐れず信頼されていたことが2代目に受け継がれても成長を続けれた秘訣ではないかと感じました。
あお巻末にある事業に失敗するこつも反面教師として非常に戒めとして有用なものだと感じたいへん参考になりました。
同社の450円の弁当に賭ける想いと出来るだけ多くの人に届けたいという心意気を本書を読んで強く感じました。
そして著者が学生時代に打ち込んだ野球を通じて成長があり、サラリーマン時代に自分の親が営む会社の弁当から感じた客観的な視点をもとに事業継承してからも失敗しながら歩み、スタンフォード大学のMBAの教材となるまでに成長した同社が今後弁当を通じてどこまで成長し、多くの人々を笑顔にするのか楽しみになる一冊だと感じました。 -
ケース読んでみたい シンプルだけど大事なこと
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三方よしを実現する二代目の地道な経営手腕。
読み物としておもしろい。
残業や個人情報に関する視点が中小企業ならではで考えさせられる。
何十時間も働くから給料を高くいただくという関係性も若い時はありえるものだし。
短期間でお金が欲しい夢を叶えたい若者への働きかたという視点も考えさせられる。 -
地元密着、品質向上、事業継承、人材育成といった要素を学べる一冊。目の前の課題に真摯に向き合うこと、顧客の視点を第一に考えることの大切さを述べている。内容が重複していたり間延びしている感は否めないが、さらっと読めた。
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経営論として、様々なポイントが詰まっている。
二代目社長で、先代からの事業継承がたまたま上手く行ったといいながら、この本の内容を読めば会長、社長のすごさが理解できる。
「たまたま」なんかじゃない。
むしろ二人のすごさが際立つ内容だ。
それだけ、サラリーマンで出世して経営者になるという人たちとは、何かレベルが違う。
普通に考えて、日替わり弁当を毎日7万食、直販売できるか?
これは確かに一朝一夕には真似できない。
もちろん、すべての動きをデータ化して、AIとかで分析したら、真似は出来るかもしれない。
しかしそこは、どうもAIで分析しようがない、データにならない「人の気持ち」があるような気がする。
中卒高卒の悪ガキを育てて、使える人材として雇用し続ける。
これがAIに置き変わるとはどうしても思えない。
今後、弁当需要がどうなっていくかは確かに分からない。
それはどんな仕事(例えば放送事業)だって、これから大きく変わらざるを得ないことをみんな気づいているはずだ。
この二代目社長は、本書の最後に「夢が大事」という。
悪ガキたちに、いつまでも玉子屋で働いてもらうために、将来の成長した自分たちを示す必要があるという。
これは本当に共感。
「10年後20年後もオレは同じ仕事しているのか?」
こう思わせないために、トップリーダーは研鑽を積まねばならない。
経営というのは、本当に奥が深い。
読み進めながら、本に書かれた裏側を想像すると、さらにそう感じる。
(2019/9/8)
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