すべての罪悪感は無用です

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594081348

作品紹介・あらすじ

あなたの苦しさはどこからくるのか

多くの人が、根拠のない自己処罰気分に陥り、無用な罪悪感を背負っています。
それがために、自分をおとしめたり、傷つけたりしながら生きざるを得なくなっている。
それがさまざまな病のもとになっているのです。

いわゆる「良い子」や「理想的な家族」ほど、現代社会では深刻な病理を抱えています。
生きづらさに悩む多くの人は、怒り、寂しさ、虚しさ、恨みなどの感情に翻弄され、共依存や依存症、「必要とされたい病」「認められたい病」に陥っていきます。
抑圧された怒りは恨みに変質し、あなたの人生を支配してしまいます。
人は同じ人間関係を繰り返すものです。それがどんなに酷いものであっても、不思議と「不幸な人生」を繰り返す。しかし、「不幸な人生」は修復可能なのです。

この現代社会で、自分を認め、愛し、自分らしく生きるには、どうしたらよいか。
家族問題の第一人者が、あなたを縛り上げる見えない呪縛から解き放つ。

なんとなく息を吸ったり吐いたりしているのが人生です。
あなたのすること、すべてに意味があります。
あなたはしたいことをすればよいのです。

■もくじより
第1章 「苦」生きづらさに苦悩する
第2章 「愛」愛が欲しい、愛してくれる人がいない
第3章 「囚」~~すべきという呪縛から逃れられない
第4章 「恐」人間関係からはじき出される恐怖
第5章 「寂」孤独を抱え、寂しくてたまらない
第6章 「嘆」なぜいつも自分だけ不幸なのか
第7章 「怒」自分を傷つけた人(親)を許せない
■著者
斎藤学・さいとうさとる
精神科医、家族機能研究所代表。1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させた。また、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。
『アダルトチルドレンと家族』(学陽書房)、『インナーマザー ~あなたを責めつづける心の中の「お母さん」~』(だいわ文庫)、『「家族」という名の孤独』(講談社+α文庫)など著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 不登校、うつ、摂食障害を経験しました。
    この本、ドンピシャ。

    時折「ウッ」と痛いところを突かれつつ、そうだったのかと気づき、そうだなぁと思い返しては納得しながら読んでいました。

    図書館で借りた本ですが、自分を見つめ直すためにも手元に欲しいなと思います。


  • 本当はだれも、あなたが思ってるほどにあなたに期待などしていません 。他者から向けられていると感じていた期待や要求の視線は、実はあなた自身があなたに向けている視線。
    問題を背負いやすい人はだいたいナルシスト、自分だけに関心がそそがれていると思って人に関心がない。

    耳が痛いほど自分にあてはまる内容。自意識過剰、自己中心性が抜けきれていない。また、未だに自分を特別視して平凡を受入れきれていないのであると感じた。

    症状とか問題行動と呼ばれるものは全てメッセージ
    症状と呼ばれるものの多くは周囲の他者へのコミュニケーション。
    言語化できないため身体の症状で伝える。言葉にすると当たり前のことであるが、自分では症状を作り出していることを認めることができなかった。症状の被害者でいることで自分を正当化していたのだと思う。

    親や教師の期待に応えなくては自分はダメだという強迫観念に近い信念をもって常にもって緊張していたが、本当に正しい信念であったか。そして有益な信念であるか。と考えるとちがうと思える。


    自分を親や周囲の被害者であると「こども」をするやよりも自分の責任で自由に行動する「おとな」でいたいと思う。自分で制限をかける不自由な「こども」より自由とそれに伴う責任を持った「おとな」でいることを選びたい。

    責任が伴うということは勇気や覚悟がいることだが、無責任な世間や周囲が責任をとってくれるわけではないので、自分の意思で自分のしたいことをしていきたい。

    つらい過去を解放するのは、「つらい過去があったね。それがどうしたの」という問い。
    過去に現在を支配する力などなく、過去に何があっても自分は今の自分の選択で人生を生きていくことができる問いであると感じた。

  • いろんな媒体に書いた・喋ったことを集めた一冊。一つ一つのエピソードが2P程度と深掘りされていないので「わかった。で、どうしたらいいの?」ということばかりだった。生きづらさを感じている人に寄り添うことで、癒やされる人はいると思うけれど、具体的な解決策が弱すぎる。寄せ集めるのはいいけれど、対策の部分はしっかり書き下ろしてもらった方がよかったのでは。

  • 家族はこうあるべき、母親なんだからこうあるべき、男ならこうあるべき…様々な”べき”にとらわれて生きづらさを感じている人には救いになる本だと思う。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼
    https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000047329

  • 窃盗を繰り返す元彼のことを理解したくこの本を購入した。
    精神科医の本を読んだことのない私にとって、聞いたことのないワードがたくさん使われていたため理解しながら読むのにとても時間がかかった。
    欲しい答えは見つからなかったけど…
    他人から受けた辛い体験は中々忘れることも出来ずいつまでも悲しい過去として残っていたけれど、まぁ、そう、それで?今あなたはこうして生きているのだから大丈夫だよ。と言われるととても心が軽くなった。
    自分の心は自分で癒すことが出来るんだなぁ。

  • 斎藤学集。今までのことをまとめられると何だかこれで終わりのようで寂しい。まだまだ活躍していただきたいです。

    ・「意味ある人生」という実体があるわけではない。何となく息を吸ったり吐いたりしているのが人生。それを面白いと思えることを回復という。
    ・シラフのときに緊張しやすいこと、人付き合いが苦手そうで、人前に出るとあがったり偉ぶったりしてしまうこと、概して自然体の人間関係がつくれないことをアル中らしさというのです。

  • 人が罪悪感や生きづらさを感じるのには理由がある。そしてそれは、そう感じる人だけに原因があるのではない。そうした人と向き合い続ける精神科医である著者の言葉は、多くの人にとって救いになるものだろうと思う。

  • なんだろう。よく分からないんだけれど、自己肯定感がすごく大切だってことが一番印象に残った。

    罪悪感は本当に無用なのだろうか?私は色々な感情が人間には湧いてくるけれど、ひとつひとつ感じた痛み喜び悲しみすべてを深く感じて刻み込んでいきたいなって思った。

    もちろん、罪悪感を引きずって、人生が滞ってしまうのは良くないかもしれないけれど、でも、大切なのは罪悪感がいらないってことじゃなくて、一旦保留にして、今の生活を一生懸命生きてみることなのかなって思った。

    必死に毎日を過ごしていくうちに、きっとある日、こういうことだったのかなぁ?って気付く日がくると思う。

    罪悪感が無用だと言い切ってしまうと、罪悪感を持ってしまう自分を今度私は否定しはじめちゃうから。

    うーん、難しいなぁ。

  • 精神科医の斉藤学氏の本。心理的な問題を家族機能の視点から捉える。
    この本は読み手に、家族機能不全家族のもとで育って、大人になってからも苦しんでいる人に向けて書かれている。自分のなかのインナーマザーがその人を苦しめること、世間でなんでも優しく包み込むというような聖母の母のイメージがあることが家族のあり方を苦しめる、家族は安全な守られる場所でもあり同時に虐待が起こっても無法地帯であること、いわゆる普通の家庭というのは多かれ少なかれ問題を抱えるのが当然であること、問題行動などは苦しみと同時にその人らしくありたい自己主張でもあること等、家族と自分の生き方という点で多くの示唆を得られる本だと感じた。

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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