「愛」という名のやさしい暴力

著者 :
制作 : 構成 木附 千晶 
  • 扶桑社
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本棚登録 : 190
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594086022

作品紹介・あらすじ

あなたの生きづらさはどこから来たのか
現代社会では、いわゆる「よい子」や、やさしい「いい人」ほど
生きづらさを抱えている。
子どもを愛するがゆえに、子どもに期待して干渉する。
そんな親からの「やさしい暴力」を免れている家庭は、今の日本には少ないかもしれない。
波風を立てず、空気を読み合って、相手の期待を裏切らないようにふるまううちに
人は自分の欲求や願望をうしなっていく。
他者の期待を読み取り、それにこたえることが「自分の人生」になっていないだろうか?
誰の役に立たなくても、みんなと同じことができなくても、あなたらしい人生はそこにある。
不安、無力感、寂しさ、怒り、罪悪感に苦しむあなたを
家族問題の第一人者である精神科医が、「やさしい暴力」から解放する。
かけがえのない「あなた」が自分らしく生きるために。

感想・レビュー・書評

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  • SNSだったらすぐ炎上しそうな言い回し。“父親と母親が揃っていないと正しい家庭環境にならない”などという内容

  • 家庭によって育まれる“やさしい暴力”についての文章は最初数章だし、全体通してジェンダー観に危うさが漂う。

  • 「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた方の本。
    内容は今までのものとそれほど変わらない感じ。
    「安心しして無気力でいましょう」
    「人の役に立たなくていい」
    とか、読むと気持ちが楽になる。

  • 斎藤学さんの本には、自分のことを理解するにあたり助けられています。

    家族とは暴力隠蔽装置である、親の期待や要望が(愛という名の)やさしい暴力である。
    テストでいい点数とりなさい!っていうのはそのやさしい暴力のわかりやすい例ということとして読みました。
    自分の延長線上の人間して人(家族)を扱うことが共依存。家族は他人。他人は他人。
    日本社会に張り巡らされた、目に見えない息苦しい規制。人の心証(期待、要望)をおもんぱかって生きることが前提とされている日本社会。承認、評価、生き残りのため自身の基準(自分軸)より社会基準(他人軸)を優先してしまう「らしさの病」。自分のプラスもマイナスも明確に表現できること。
    プラスもマイナスも明確に表現できること、というのはすごく納得がいって、そこにあるものをナイものとしてやり過ごす(似非ポジティブ等)、みたいな光景に出くわすたびに違和感を感じていましたが、マイナスもきちんと表現できることは大人の証なのかな?と。
    幸せは遠いわけだ。なんかものすごいゲームの世界にいるみたいで、どう攻略してやろうか?という。
    日本社会のすさまじい共依存パワーについて。特にマスメディアなどはだから人のタトゥーとかについてもとやかくいうのだなと今更だけど腑に落ちました。空気読め!は、あからさまな目に見えない暴力だったんだな〜。
    個人的な話ですが、十代のときにみんなが仮面をつけてお芝居をしているようにみえ怖かったのですが、この本の中では、皆が偽りの人生を送っています。と言い切られていてあながち間違いじゃなかったなと。

    著者の知性に触れ、いい刺激を受けた。
    同じだろ同じだろ〜ってやってくる人や力は自分でネーミングして区別するのがいい。
    リスペクトとはやさしい暴力も暴力も振るわず、一個人の選択として尊重すること。ほうっておくこと。とても重要で、必要なこと。
    コミュニケーション。

  • 間違った方向性の家族愛を大事にしようと自己愛を無くしてはいけないという本だと思ったが、経験則でふと家族関係なく自分のさじ加減1つで自己愛が暴力に変わるかもしれないと思った本。暴力はグラデーションであり、愛と関係ない人は1人もいない

  • 依存症についての記述が多かった印象。
    一つの言葉につき2ページの文章、とさっと読める構成。文体も語りかける形で読みやすい。

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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