騙されない老後-権力に迎合しない不良老人のすすめ- (扶桑社新書)

  • 扶桑社 (2020年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784594086879

感想・レビュー・書評

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  • 好きにほどほどに今を生きようぜ

  •  健康長寿が希望ですが、寿命は天寿だと思っています! 池田清彦「騙されない老後」、権力に迎合しない不良老人のすすめ、2021.1発行。内容は:①新型コロナウィルスの正しい情報を知る ②老人だからこそ「今」を楽しむ ③嫌いなことはやらなくていい ④健診は受けなくいい ⑤人づきあいは「適当」がちょうどいい ⑥ボケても困らない時代の到来。心に留まった個所は:①ワクチンを打つのは社会のため ②未来のために生きない ③何を食べても大差なし ④食えるうちは死なない ⑤老人に抗がん剤は酷 ⑥健診で得するのは医者。

  • 長生きが目標なのではなく

  • 池田先生の考え方はとても参考になる。

  • 去年の12月に書いているからちょっと当たっているところもあってすごい。好きなもの食べようっと。検診も受けないで良いや。

  • ●ワクチンの90%の予防効果と言うのは、一定期間内の発症者が片方は5人、もう一方は50人だったとすれば、予防効果90%と言うことになる。45人は発症免れたと言う意味での予防効果90%。

  • 先週(2021.1末)本屋さんに行った時に見つけた本です、副題にある「不良老人のすすめ」が気になりました、また本の帯にある「健康も安全も何が最善かを決めるのは自分だけである」というフレーズにも惹かれて読んでみることにしました。

    私より20歳くらい先輩である著者の書かれていることは、実際の体験をベースに、さらには生物学者の観点から書かれていて、今後数年以内には別のステージに移行する予定の私にとっては為になる部分が多かったです。

    私がこの本から受け取ったメッセージは、自分の老後(いわゆる60歳定年以降)は自分の基準・価値観で決めるべきで、外部情報に惑わされたり他人との比較は意味がないということ、更には、加齢とは上手に付き合うのが一番ストレスがかからない、というものでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・スペイン風邪は1918年1月から流行し始めて1920年12月に収束したと言われている、収束までに3年を要している。COVID-19の場合は、下手をすればそれ以上に長引く可能性がある。死者数を比較すれば、COVIDのウィルスは毒性がマイルドである可能性が高いから(p20)マイルドに変異する(毒性が弱い)ほど増殖しやすい(p21)

    ・90%の予防効果とは、ワクチンを接種した人の90%がウィルスに感染しないという意味でない、2万人にワクチン投与、2万人にはプラシーボ(偽薬)を投与したとして、一定期間内の発症者が前者は5人、後者が50人だったとすると、予防効果は90%となる。ワクチンを接種したことで50人が5人になったという意味での「予防効果90%」である(p25)

    ・本音としては「社会を守るために、ちょっと危険かもしれないが、お年寄りの方からワクチンを打って欲しい」ということ(p29)

    ・COVID-19による呼吸不全のリスクを高める遺伝子がネアンデルタール人からもたらされたという論文がネイチャー(2020.9.30)に掲載されていた。日本や韓国、中国などの東アジアにはほとんどいない、一方で南アジアでは30%、欧州では6%がこの遺伝子を持つ(p34)

    ・PCR検査が進まない理由として、厚生労働省の利権がある。行政は内務省、教育は文部省という明治の初頭に決められた縄張りがあり、疾病対策は内務省にルーツを持つ厚労省、大学医学部・研究機関を統括する文科省は介入しないという暗黙のルールがある。PCR検査は厚労省の所管であり、文科省の介入は許さないということになっている(p46)

    ・医療崩壊が起こるとすれば、厚労省が近年ずっと全国の病院のベット数を減らすことに腐心してきたことに原因がある。(p48)

    ・昆虫類は膨大な卵を産むが、ほとんどが親になれず繁殖に関与する前に死んでしまう、もっと効率的なやり方をすればよさそうだが、無駄がないと有事の際に余裕がなくて絶滅してしまう可能性が高くなる為であろう、アリやハチは7割はあまり働かず、1割は一生懸命働かない。この働かないアリこそが有事のセキュリティ装置として巣の存続に役に立っているのだろう(p49)

    ・1994年の法改正により、1998年からは60際未満定年制が禁止、2012年には定年が過ぎても本人が希望すれば65歳まで継続雇用することが企業に義務付けられ、2013年に施工された、これに合わせて年金も65歳支給となった(p52)

    ・寿命に関与する遺伝子の発現を制御している領域の「DNAメチル化」を調べて算出された人間の自然寿命は、38歳である。アフリカゾウは65歳、ビンタゾウガメは120歳である、象や亀は実際の寿命とほぼ一致している(p56)

    ・肺がんになりやすいかどうかは、タバコを吸うかどうかよりも、肺がんから命を守る方向に遺伝子が働くか否かによって決まる部分が圧倒的に多い(p61)

    ・あやふやな未来を「ある」と決めて受けることで生き方が窮屈になってしまうくらいならば、今を楽しみながら生きるのがいい、今を大事に生きる方が絶対に得である、今日美味しいと感じるものを食べ、今日楽しいと思えることをやる。一方で、明日からもなんとなく人生が続いていくことを想定しているのだから、お金はほどほどに使い、無駄使いもすることはしない(p76)

    ・老後というと「のんびりする」のが正解だと思いがちだが、寿命を延ばしたいのならば、多少なりとも「めんどくさいな」と感じることが必要である(p80)

    ・癌で死ぬ人の数は減っていない、がん検診とは、「がんの発見」には貢献しても、癌で死ぬ人を減らすことには貢献できていない。がんの早期発見が進んでも死ぬ人の数は減らない、という事実は「早く発見しても遅く発見しても、治る人は治るし、死ぬ人は死ぬ」ことを意味しており、結局のところ、早く発見することに大したメリットはない(p130)癌で死ぬかどうかは、発見の早さではなく、その悪性度によって決まる(p132)

    ・フィンランド保健局が1974-1989年の15年にわたり、40-45歳の管理職1200にんの男性を対象に行なった調査がある、5年間、4ヶ月毎に定期検診を行い、医者が適切と思われる介入をした群としなかった群に分けて、15年間の死者数を比べたところ、介入群の方が非介入群よりも死者が多かった、これを「フィンランド症候群」と呼ばれている(p148)

    ・一緒にゆっくり食事を楽しむことができるのは人間だけであり、人間だけが持つ貴重な楽しみ、心を豊かにする秘訣である。それを続けることで人間社会のありようが変質すると心配される(p154)

    ・自分自身が楽しくなるためにも、他人と楽しく付き合うためにも、自分の頭の中をいつもニュートラルにして多様性を維持しておくのが良い(p158)他人の言動が必要以上引っ掛かるのは、これだけが正しい、と思い込んでいる、つまり多様性がない。他人の言動で気になることがあったとしても、あまり深く考えずに、ペンディングしておけば良い。その辺をうまくスルーする能力も、楽しい老後には必要である(p159)

    ・自分が社会の役に立っているという自尊心を持つことは、いつまでも老け込まずに豊かな老後を送ることに繋がる(p179)

    ・国民全員に10万円支給したのは、まさにベーシックインカムである、これを毎月やって、その大半を使用期間限定の貨幣にすれば良い。そうすることで、貯めるのでなく、使うことを前提に現金を支給できて経済は回っていく(p206)

    2021年2月11日作成

  • 人生を自分のペースで楽しんでいる老人のエッセイ。

    タイトルのイメージ程骨太な内容ではないですが、気楽に読めてなるほどとは思えます。

  • 池田先生のように、自分の頭で考えて行動する老人を目指します!

  • 「清彦節」絶好調、という感じ。追いつつある自身の見本である。「権力に迎合しない不良老人」

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著者プロフィール

池田 清彦(いけだ・きよひこ):1947年東京生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。早稲田大学、山梨大学名誉教授。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野で100冊以上の著書を持ち(『構造主義科学論の冒険』 講談社学術文庫ほか)、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」等、各メディアでも活躍。

「2024年 『老後は上機嫌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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