夢に迷って、タクシーを呼んだ

著者 :
  • 扶桑社
3.88
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本棚登録 : 926
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594087739

作品紹介・あらすじ

燃え殻の話題作『すべて忘れてしまうから』の完結編が待望の書籍化!

童話”鉛の兵隊”は、焼かれた後に心臓だけが残りますよね。燃え殻さんの言葉みたいだな。―――斉藤和義

繰り返される緊急事態宣言、武士が見える女、趣味がフットサルの男、グレーな宿泊施設、退職代行サービス、青春の使い方、破られた学級新聞、タマゴサンドと牛乳、磯丸水産の夜、首都高速を走る車の音、渋谷円山町のワンルームマンション、叩かなくてもホコリの出る人生――すべて忘れてしまうから。

自身の日々の体験を基に、いつか忘れてしまう、でも心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、抒情的に、時にユーモラスに綴った、燃え殻による断片的回顧録・完結編。読み終わったときに、忘れていた自分の大事な記憶を思い出したり、鬱屈とした気持ちが少し楽になったり……コロナ禍の今、先の見えない毎日を過ごす私たちにそっと寄り添ってくれる一冊になっています。物語を彩る装画・挿画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家・長尾謙一郎氏が手掛けます。

感想・レビュー・書評

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  • 8月ももうすぐ終わりますね…
    9月にはなれば暦の上ではもう秋です
    今年もあと4カ月
    4カ月なんてあっという間ですね

    ところで、みなさんは今年になってハマった作家さんはいますか?

    乙一さん(中田さん、山白さん)
    柞刈湯葉さん
    燃え殻さん

    私はこの三人が今年になってハマった作家さんです(〃∇〃)
    残り4カ月で新たにハマる作家さんが出てくるかもしれませんが〜w

    そんなハマっちゃった燃え殻さんの、心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、叙情的に、ときにはユーモアに綴った一冊の第二弾!
    第一弾の『すべて忘れてしまうから』の方が良かったですが、第二弾の本作もやっぱり文章が心地良かったです♪

    さぁ、年内中に燃え殻作品をあと何冊読めるかな〜(´∀`*)ウフフ

    • みんみんさん
      今年かぁ〜もう1人くらい増やしたいなぁ…
      今年かぁ〜もう1人くらい増やしたいなぁ…
      2023/08/21
    • 土瓶さん
      今年は……、も……、いないですね。
      今年は……、も……、いないですね。
      2023/08/21
    • 1Q84O1さん
      みんみんさん
      発掘王、今年はもう十分では…w
      けど、まだ発掘しそうな勢いですね〜

      土瓶師匠
      来年は……、も……、ですか?
      今年はもう捨てま...
      みんみんさん
      発掘王、今年はもう十分では…w
      けど、まだ発掘しそうな勢いですね〜

      土瓶師匠
      来年は……、も……、ですか?
      今年はもう捨てましょう!
      来年こそ土瓶師匠の心に響く一冊が見つかりますようにw
      作家でなしに一冊になってるわw

      ほん3さん
      乙一さんは安定感抜群
      湯葉さんはこれ来ましたよ!
      今年一番かも♪
      燃え殻さんは気になる、やめられない感じですw
      2023/08/21
  • 燃え殻さん4冊目、エッセイは3冊目。冷静な視点からの物事の分析が面白い。自虐しているが、実は器用な人なのではないかと思っている。昼夜を問わない番組制作の仕事に携わっているせいか、マスコミ業界の人脈のせいか、この方の描く東京の様子や出てくる知り合いの方々の言動が、とても新鮮だ。本業である番組制作の仕事環境は、エッセイに描かれている部分だけをみても相当過酷そうだ。それでも、今でも文筆業と番組制作業を並行させているのはすごい。きっと番組制作での様々な経験が燃え殻さんの文筆業に大いに役立っているのだと思う。本書の元となった雑誌連載は残念ながら何らかの理由で終了してしまったようだが、今後も燃え殻さんの書く文章を楽しみにしている。

  • 燃え殻さんによる人生相談の本「相談の森」がおもしろかったので、他の本も読んでみたいな…とおもって手に取った1冊。(ちなみに燃え殻さんの小説も少し読んだのだが、そちらはハマらず…すいません…わたしと燃え殻さんの相性がいいのは、物語よりもエッセイや人生相談というノンフィクションの分野のほうみたいです)

    エッセイ1本3ページという短いけれども短すぎず、ささっと読んでしまえる分量がとてもよかった。
    しかもそれぞれのエッセイに対して挿絵があり、さらに何本か読むとノスタルジィな写真がはさみこまれている。しかもカラーで。
    そしてやたらと上質なツルツルした紙に印刷されており、これが単行本税抜1500円というのは…採算とれてるのかな…?と心配になってしまう。(よけいなお世話である)


    燃え殻さんのエッセイは、唐突に話が飛んだりぶっ飛んだ比喩をさらっと書いていて、アレッとなる。
    なのに支離滅裂にはならず、またさらっと大筋に戻ってくるので、ちょい心を揺さぶられた余韻はそのままに、また元の位置に戻ってくる。
    これはまるで上下するジェットコースターで、一瞬遅れて身体が浮き上がり、また戻る感じと似ている。(わかりづらい)

    人生には実はいろんなことが起こっているのに、それを当たり前のこと、おもしろくもないこととして自分の脳が処理してしまうから、“自分の人生はなにも起こらないしおもしろくない”と思ってしまうのだな、ということがよくわかった。
    しかしそれがわかったからといって、燃え殻さんのように、おもしろく書き綴れるかといったら別の話になる。
    なんの変哲もない人生をすくいあげてエッセイにし、1冊の本にしてしまえるのは…やはり燃え殻さんにすくい上げ&書き上げる才能があるからだとおもう。

  • 「すべて忘れてしまうから」に続くエッセイですが、この本から読んでも楽しめます。
    ライトな文章でイラストや写真もあるので読みやすいと思います。
    いわゆる就職氷河期世代の方は時代の空気感など共感できるのではないでしょうか?

    燃え殻さんのエッセイを読んでいると、自分の過去の出来事と重ね合わせてしまいます。
    普通に読めばサクッと読了できる内容ですが、忘れていた思い出が追いかけてくるのでなかなか進まない…
    じっくり読んでしまいました。

    あの頃、心の痛みは鎮痛剤でごまかして忘れるみたいな感じで生きていましたが、今になってきちんと向き合えることができました。

    いい本にいいタイミングで出会えたな…と感謝です。

  • 思わず笑ってしまったり、ホロッと泣けてしまったり、いろんな感情を持った本です。燃え殻さんの言葉は心の奥にしまった大切だった気持ちや少し切ない思い出を思い出させます。当時の気持ちは思い出せないけれど、今の自分の目で見ることで、余計に恥ずかしくなったり、美しく見えたりするのが面白いと思います。
    燃え殻さんの思い出は、業界の人だけあって一般人の自分から見るととても刺激に富んだ内容です。その刺激も何処か客観的にみていて、素敵だと思いました。

  • あの頃の僕には夢も希望もカネもなかった。
    ただ、有り余る時間だけはあった。
    もしかしてその状態を、人は
    「青春」と呼ぶのかもしれない。

    全く同じ「青春」が私にもあったと思い出した。

    途中まで読んでて、前作の方が好きかなーと思っていたら、最後の「夢に迷ってタクシーを呼んだ」で逆転した。
    2021年の燃え殻さん、私は2023年の10月のある日の夜、お風呂で、この本を読み終えました。
    この本の中の燃え殻さんよりは、風通しの良い世の中になりましたよ。

  • とてもとてもとても良かった。
    読み終わってしまうのが勿体無くて、本を閉じたり、ちびちび読み進めたり。
    クスクス笑えたり、心の痛いところをトン、と刺激されたり(上手く言えないがグサッではないのだ)。
    燃え殻さんの文章と、長尾謙一郎さんのイラストが造る世界観がたまらなく美しい。
    「すべて忘れてしまうから」と合わせて、大好きな本になった。

    燃え殻さんの作品を読む度に「エモい」とはこの事か、と思う。
    何でもかんでもエモいで纏める風潮は好きでは無いのだけど、燃え殻さんはエモい。
    「エモ…(放心)」「エッモ…(絶句)」「エモ!!!(荒)」の繰り返し。語彙喪失。
    読み終わった後の余韻もエモい。エモいに浸ってる。
    いいなあ、大好きだなあ。


    ⚫あの頃の僕には夢も希望もカネもなかった。ただ有り余る時間だけはあった。もしかしたらその状態を、人は「青春」と呼ぶのかもしれない。

    ⚫この世に「生粋の社会人」なんているのだろうか。みんな「劇団社会人」に属していて、それらしく演じるのが上手い人と下手な人がいる、ただそれだけな気がしてならない。

    ⚫日常生活は、基本的に大事件は起こらない。盛大なオチとも無縁だ。だからといって、 日常がつまらないわけではない。過去に逮捕歴はない。過去に何かの受賞歴もない。でも過去がつまらなかったわけじゃない。僕たちの人生は、なぜか忘れられなかった小さな思い出の集合体でできている。

    • kyocooさん
      同じく、燃え殻さんが大好きな者です^_^
      “エモい”を使っていいのは、燃え殻さんの本と思い出の音楽だけにしています。笑
      エモすぎますよね…
      ...
      同じく、燃え殻さんが大好きな者です^_^
      “エモい”を使っていいのは、燃え殻さんの本と思い出の音楽だけにしています。笑
      エモすぎますよね…
      私はちょうど相談の森を読み終えたばかりです!
      2023/09/20
    • こしあんさん
      kyocooさんはじめまして!
      わー!全く同じくです!むやみに「エモい」は使いたくないんですが、燃え殻さんと音楽は別ですよね。圧倒的エモ!(...
      kyocooさんはじめまして!
      わー!全く同じくです!むやみに「エモい」は使いたくないんですが、燃え殻さんと音楽は別ですよね。圧倒的エモ!(笑)
      相談の森、わたしも読みました︎︎︎︎☺︎燃え殻さんの回答もとても良かったんですが、相談がたまにぶっ飛んでて好きです!
      2023/09/20
    • kyocooさん
      こしあんさん、返信ありがとうございました♪
      共感しすぎて嬉しかったです!
      ぶっ飛んだ質問、ちょいちょいありましたね。笑
      尿にキレが悪いんです...
      こしあんさん、返信ありがとうございました♪
      共感しすぎて嬉しかったです!
      ぶっ飛んだ質問、ちょいちょいありましたね。笑
      尿にキレが悪いんですが…とか、
      病院行って!と心の中で叫びました。笑笑
      2023/09/20
  • おもしろくて、ラジオPodcastも聞いてみたら、そこで話していたことが最後に載っていた。

  • ことあるごとに刺さる
    何もなかった時に必死に何者かでいようともがいてたのを思い出す。
    連載終わりなのとっても残念。

  • 著者の日常や体験したことが綴られている。読みやすい。
    たまたま町で見かけた人をみて過去を思い出したり、想像力をふくらませみたり。物を書く仕事がいつまで続くか不安と何度も書いてある。
    普通に生きることはできないのか?の章が印象に残っている。「いつでもお前の味方だからな」と言ってくる人たちが信じられないところが。

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著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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