功利主義と分析哲学: 経験論哲学入門 (放送大学教材)

著者 :
  • 放送大学教育振興会
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784595311918

感想・レビュー・書評

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  •  2010年10月5日(火)阪大生協書籍部豊中店にて10%オフで購入し、2011年5月2日(月)読み始め、5月17日(火)に読み終える。

     "utilitarianism"を「大福主義」と訳す案には反対。

     章によって内容がまちまち。どの章もだいたい15頁ほどで書かれているため、最後の「ベイズ主義の展開」なんかは幅広くいろいろな説を紹介してくれてはいるが、一つ一つの説明が薄く結果として難解に感じられた。ある程度網羅的で勉強にはなったが、どのような読者を想定して書いているのだろうかと疑問に感じ(るほど難しい箇所がところどころあっ)た。放送大学の講義を受けながら教科書として読めばそうでもないのだろうか。

     第10章「ウィトゲンシュタインの出現」は秀逸。

  • ベーコン、ホッブス、ロックからヒューム、ベンサム、ミルをはさみ、フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタインに至り、最終的には現代の功利主義、ベイズ主義に到達します。これら功利主義と分析哲学に共通するものとして「経験」を基盤として、それぞれを解説しています。功利主義については馴染みが無かったので勉強になりました。ここでいう「経験」はカント的経験とは違うんだろうを理解しています。

  •  たぶん始まりはイギリスが中心であろう「計量化的志向」が本質に抱える確率、曖昧性、蓋然性、probability, vaguenessの問題。イギリスの王立協会(Royal Society)の問題意識、ウィリアム・ペティの統計的思考。それらがいかに功利主義、分析哲学、経験論の根底に関わってくるかがわかる本。真理の導出法にいかに確実性をもたせるのか。
     内容は難しい。一ノ瀬正樹先生の他の著作を読み進めてから、再読したい。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4595311915
    ── 一ノ瀬 正樹《功利主義と分析哲学 ~ 経験論哲学入門 201003‥ 放送大学教育振興会》
     
    …… いつも腹いっぱい食べ、ブクブク太ったA子は、ミルにたえない。
     いつも食べすぎないよう我慢して、やせているB子のほうがマシだ。
    (サルは一日中食べつづけるが、ヒトは考えることを知ったからだ)
    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3057803.html (No.1 20070605)
     
     Mill, John Stuart 経済哲学 18060520 England 18730507 66 /異18730508
    ── 《Utilitarianism 1861‥‥ England》
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4124006594
    ── ミル/大河内 一男・訳《功利主義論 197910‥ 中央公論新社》世界の名著49
     
    ── ミル/伊原 吉之助・訳《功利主義論 1979‥‥ 中央公論社》 世界の名著38
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003411668
    ── ミル/塩尻 公明&木村 健康・訳《自由論 19711016 岩波文庫》
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A1%D4%BC%AB%CD%B3%CF%C0
    ── 西本 正美・訳《ミル自伝 19281215 岩波文庫》P154-156 精神の危機
     

  • 分析哲学というものを知りたくて放送大学の講座を取った。初心者にはとても難しかったが、論理実証主義から発展していった流れがわかって非常に興味深かった。

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著者プロフィール

1957年生まれ。東京大学大学院哲学専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。和辻哲郎文化賞、中村元賞受賞。著書に、『人格知識論の生成』(東京大学出版会、1997)、『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001)、『死の所有』(東京大学出版会、2011)、『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011)など。

「2020年 『人間知性研究〈普及版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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