没落令嬢のためのレディ入門 (mirabooks MRB912)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン (2023年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784596523563

感想・レビュー・書評

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  • 「まだ後悔していらっしゃる?」
    「ああ、海よりも深く」 p155

    キティの心の声――
    どうしてあんな軽蔑の目で見るの?ほかの家族はみんなわたしを認めているのに?まるでわからない――まったく気に入らない。

    対してラドクリフの心の声――
    ミス・タルボットはアーチーに恋心などみじんもいだいておらず、金のことしか頭にない。
    責任をもってぼくがすべてをつぶす。

    両親亡き今、裕福な名士との結婚だけが借金を返済し幼い妹達を守る唯一の手段だったキティ。彼女はお相手を見つけるためにいざロンドンへ。
    母の旧友ドロシーおばに手ほどきを受け可憐なレディに変身したキティは見事に社交界デビュー。
    そんな彼女が結婚相手のターゲットに選んだのが名門伯爵家の次男アーチボルド・ド・レイシー。アーチーの恋心をギュッと掴み、母親のレディ・ラドクリフを心理戦で攻略し、結婚はもう目前!
    ところがトントン拍子と思われたキティの結婚計画に、ここで思わぬ強敵がたちはだかる。アーチーの兄でド・レイシー家の長男ロード・ラドクリフ伯爵。彼はキティが財産狙いでアーチーと結婚しようとしていることをすぐに見抜く。

    お互いの印象が最悪の出会い。
    理不尽な脅しからの秘密の共犯関係。
    憎らしくて意地悪なひと。
    なのに、いつの間にか相手を目で追うようになって。
    王道の恋愛物語。王道と恋愛ってめちゃくちゃ相性いいよね。
    ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』がお好きな方なら、とっても楽しめると思う。
    私は『高慢と偏見』がもちろん好きなので、キティとラドクリフの恋愛の行方、また彼らの妹弟がやらかした、とくにキティの妹セシリーが起こした事件には、うんうんそうなるでしょう、そうするでしょうとニマニマしながら楽しめた。

    物語の時代設定は1818年のイングランド摂政時代。
    『高慢と偏見』が書かれたのは1813年だから同時代ですね。
    ナポレオン戦争と戦後の社会不安で揺れ動いた時代でもあって、本書でもワーテルローの戦いがラドクリフの心に暗い影を落としている。
    私にとってこの時代のイメージは上流階級は華々しく優雅だけど社会階層の差は甚だしいもの。
    また印象深いのは本書や『高慢と偏見』のテーマでもあるのだけど、当時の女性の結婚事情。結婚は女性が生きていくための切実な問題だったのね。女性の幸せは良い結婚相手を見つけること。

    キティの肩には父親の残した莫大な借金と4人の妹の将来が重くのしかかっていた。
    そんなキティがときにはラドクリフに財産目当てのどこが悪いのとまであけすけに胸の内を吐き出しながら、いつしか彼を自分のお婿さん探しに巻き込んでいく。
    ラドクリフはそんな彼女を苦々しく思いながらも、なぜか彼女の窮地にさっと現れたり、なんやかんやと彼女の欲しい情報を手に入れたりするの。
    けれど、いつも冷静で鷹揚に構えているラドクリフにも、今は亡き父親との関係や長男としての務めなど胸の奥深くには悩みがあり、一人それらと葛藤していたんだ。その苦しみを初めて吐露できたのがキティ。
    他の誰かと愛のない結婚をしようとするキティになんだかモヤモヤするラドクリフ。そしてまた口論となる二人。焦れったい。

    本書はブク友マリモさんにおすすめしていただきました。さすが胸キュン大好き仲間、妄想族メンバー、永遠の乙女のマリモさんです。わかってらっしゃる。
    私が好きなシーンはラドクリフがキティの手袋のボタンを慎重にはずしていくところ。肌に触れたりするわけじゃないのにかっと体が熱くなるキティの気持ちがわかる気がする。
    きっと彼のうつむいた表情とか、伏せたまつげの長さとか髪の流れとか、長い指とか普段見たことのない部分を目の前で見たことにもどきどきしたんじゃないだろうか……と、どきどき妄想している永遠の乙女がここにもいます。

    • 地球っこさん
      マリモさん、こんばんは☆

      実は、実は、『天官賜福』のことでとっても嬉しいことがあったんです!
      もうこの幸せな気持ちを誰かに伝えたくて、ご迷...
      マリモさん、こんばんは☆

      実は、実は、『天官賜福』のことでとっても嬉しいことがあったんです!
      もうこの幸せな気持ちを誰かに伝えたくて、ご迷惑でしょうがマリモさんしか思い浮かびませんでした 笑
      マリモさんに「おでこにチュッ」の訳でお世話になった簡体字版のこと覚えていらっしゃるでしょうか。
      ストーリーは繁体字版(日本語版)よりも、もっともっと面白くなっているのに、繁体字版の胸キュンシーンがすべてカットもしくは修正されていて、それが残念だったあの簡体字版。

      「簡体字版のストーリーに繁体字版の胸キュンシーンをすべて復活させた『天官賜福』が読みたいっ!」
      ずっと願っていたその夢がなんとなんと叶っちゃったんです!!!

      「おでこにチュッ」も、ちゃんと口づけに戻ってるんです。すべてのキュンシーンが戻っていて、さらにそれ以上のキュンとなる仕草が加筆されているところもあり、ときめきマックスになってるんです。

      数日前に中国の晋江文学城というネット小説サイトで発表されたのを中華古風BLにお詳しいブク友さんが教えてくださったんです。
      でも中国は検閲があるので読めなくなる可能性もあるんです。突然作品自体やいくつかの章に鎖(ロック)がかかっちゃうんですよ。『天官賜福』もずっと鎖がかかっていたのですが、ついに数日前に解除されたんです。でもまた鎖になるかもしれない……

      願いって言葉にすると叶うっていうけど、私はブクログでしつこいくらい『天官賜福』の感想を書いているうちに叶いました。
      といっても作者さんのおかげであって、私が努力して叶えた願いじゃないんですけどね 笑
      でも、やっぱり、ブクログに『天官賜福』の感想を書いているうちに、今回の情報を教えてくださったブク友さんにも出会えたわけで。そう思うと、願いを叶えるための幸運は自分で引き寄せたのかな。

      もう何が言いたいのか……とにかく最高傑作の『天官賜福』完全版が読めるという夢が叶いました!というご報告です。
      もうおでこにチュッじゃないんですよーー
      ちゃんと花城が殿下をギュッと抱きしめるんですよーー
      来月発売の3巻にある大好きなシーンもすべてあるんですよ!マリモさんがお読みになったときには、またおしゃべりしたいです。

      ただただこの幸せを、「おでこにチュッ」でお世話になったマリモさんに聞いていただきたかっただけなので、お返事は気になさらないでくださいね。ほんと、迷惑なやつですよね。ごめんなさいっ。

      ではでは、今日も1日お疲れ様でした。
      2024/03/28
    • マリモさん
      こんばんはー!
      地球っこさん、よかったですね!!!
      繁体字版の2人のエピソードを残した(さらにアップさせた?)加筆バージョン、出て欲しいとず...
      こんばんはー!
      地球っこさん、よかったですね!!!
      繁体字版の2人のエピソードを残した(さらにアップさせた?)加筆バージョン、出て欲しいとずっと言ってましたよねー。地球っこさんら読者の熱い想いが作者さんに伝わったのでしょうね!!

      鎖がとれている期間はわからないんですか?とにかく今のうちに堪能するしかないですね(//∇//)
      日本語訳も来月に発売みたいですね!そちらもいずれ、加筆の繁体字バージョンで出てほしいですね。
      待ち望んだ繁体字版もぜひ楽しんでください!!
      2024/03/28
    • 地球っこさん
      ありがとうございます!!

      とにかく鎖になったら購入していても読めなくなるので、まずは400枚以上スクショです。この天官賜福改訂版だけは何が...
      ありがとうございます!!

      とにかく鎖になったら購入していても読めなくなるので、まずは400枚以上スクショです。この天官賜福改訂版だけは何があっても守り抜きます 笑
      サイトはコピーとか出来ない設定なんですよ。
      人気作品は鎖になったり、ちょっとでもキュンだったりえっちだったり(天官賜福は全くえっちなシーンないんですけどね)すると鎖章になるんです。あと文章でも赤裸の文字など□□になったりするんですよ。ほんと日本の小説や漫画などに慣れていると、なんでこれくらいのものがと驚きます。
      なので繁体字版の書籍は宝です。
      これから少しずつ楽しみます。
      お返事ありがとうございました。
      おやすみなさーい。

      2024/03/28
  • 1818年のロンドン社交界を舞台にした話。当時のイングランドの上流社会や舞踏会といった煌びやかな世界を堪能した。
    イングランド南西部のドーセットシャー出身のキティは、結婚を約束していた地元の裕福な家の息子から突然婚約破棄を言い渡される。没落令嬢で、今後4人の妹を養わなければならない立場にあったキティは期間限定でロンドンに滞在し、金銭面の問題を解決してくれそうな上流階級の男性との出会いと結婚を目指す。身分をある意味偽り、見栄やプライドが錯綜する上流階級に潜入することは、徹底的な情報管理や数多ある礼儀作法などを身につけないといけないが、目的意識がある人はやはり強い。
    婚約破棄を受けてもへこたれず、ロンドン行きを決意し、自分が不利な立場でも、どんな難しい状況になろうとも決して諦めないキティの根性が素晴らしかった。何事もできると強気に信じてやってみるのが大事だとつくづく思う。素敵なストーリー展開も良かった。

  • A Lady's Guide to Fortune-Hunting by Sophie Irwin Book Review
    https://thissplendidshambles.com/a-ladys-guide-to-fortune-hunting/

    Sophie Irwin | Penguin Random House
    https://www.penguinrandomhouse.com/authors/2266286/sophie-irwin#

    HIMEMI SAKAMOTO
    https://himemisakamoto.com/

    没落令嬢のためのレディ入門|ハーレクイン
    https://www.harpercollins.co.jp/mrb/books/detail/15081

  • 原題は"A LADY'S GUIDE TO FORTUNE-HUNTING"、初出は2022年。兒島みなこ訳。

    ちょ、ちょっとー!!??
    こ、こ、これはすごい!!面白い!!震えた。
    途中から胸キュン止まらん展開になるし、仕事中も続き読みたくてそわそわしちゃうし、世界の全女子、年齢問わず心は永遠の乙女に超おすすめです!!!(男子禁制)

    1818年、イングランド。
    父母を亡くし、四人の妹と暮らすキティは、ある日突然、地元卿士の婚約者から婚約破棄を言い渡される。
    死んだ父には莫大な借金があった。4ヶ月後までに返済しなければ姉妹の家はとられ、路頭に迷ってしまう。キティは一大決心をする。ロンドンへ狩りへ─、ロンドンの社交界に打って出て、裕福な紳士を射止めて6月までに結婚する!と。
    キティは妹のセシリーを連れて、母の親友を頼りにロンドンに赴き、持ち前の美しさと知恵と大胆さでもって上流社会に乗り込みをかける。最初に求愛を受けるのに成功したのは名門伯爵系の次男アーチーだったけれど、その兄であるラドクリフ伯爵は、キティの打算まみれの正体を暴いてしまい…。

    5人姉妹、お金持ちの婿探しというあたりは言わずと知れたジェイン・オースティンの名作『高慢と偏見』のオマージュ的な作品なのだが、何たって読みやすいし清々しいし、何よりも主人公らのキャラが良き。
    『高慢と偏見』は大好きで、英文学が好きになるきっかけともなった作品。でも、この時代のそこそこの身分の女性にとって、結婚以外に生活の途はほとんどなかったのに、エリザベスが打算なく、いとも簡単にコリンズやダーシーの求婚を断るところ、かっこいいと思うと同時に、本当にいいの?とも思っちゃうよね。まぁ結果オーライなのだけども、「男は金じゃない」とか「愛情や信頼あってこそ」とは、家を追い出され、落ちぶれてしまってからはたぶん言えないから。娘の結婚やら相手の財産にばかり気を揉んでいる母にも実は一理あるし、愛情よりも実利をとってさっさとコリンズの求婚を受け入れる友人シャーロットの強かさもすごく大事だったんじゃないかとも思う。

    対して本作の主人公キティは、愛も尊敬も二の次、あるのは打算のみ。紳士たちの財産をかぎ分け、計算づくで近づき、求婚までのプロセスも掌中にある。
    唯一の敵はラドクリフ。家族の秘密を暴かれ、アーチーからは身を引く約束をするけれど、反対にラドクリフにも条件を突きつけるキティ。互いに本音勝負だったから、キティもラドクリフも、他の人には隠していた胸中を明かし、だんだん気の置けない戦友のようになっていく。キティの狩り(婚活)のピンチを絶妙なタイミングで助けたり、助けてしまった自分の胸の痛みに気づいたり…。
    ラドクリフの心境の変化には大注目ですよー!

    ここより後半の引用になりますのでご注意を。

    "「むしろ」ゆっくり言う。「ぼくの返事はまったく違うものになるだろう。もしきみがいま、ぼくをダンスに誘ったなら、ミス・タルボット」"

    ここな!ここ!ここ!(マロニーちゃん!じゃなくて)
    最高に良きー!
    やっぱりね、「最っ低!!!」な印象からの「この人実は…?」と互いに相手を知り、思いを深めていき、何かのきっかけで気持ちがこぼれるという王道な展開は好きですね。王道は王道たる理由があると思う。

    本作、なんと作者のデビュー作なんだとか!
    兒島みなこさんの訳もこなれていて会話が素敵だったし、是非次作も出していただきたいです、プリーズ!
    追いかけたい作家さんが増えて幸せ。

    こんな19世紀イギリスを舞台とした恋愛小説の頭のてっぺんからつま先まで楽しめるとか、私もだいぶレディが板についてきたなぁ♡(ギャ、石が飛んできた)

  • 流行りの追放もののような導入で、読み進めるかどうか多少迷ったのは否めません。元々恋愛ものや結婚で成り上がる物語があまり好きではない人間なので。
    感想をさっと調べたら密かに信頼する趣味の合う読書家の方々から好評だったのでちょっと頑張って読んでみた。面白い。図書館で借りちゃったんですが買っちゃおっと。

    美しく気高く華やか〜に描かれがちな19世紀イギリスの汚い面も描いてるのはけっこう好きです。服装とかも細かく描写されてて楽しい。
    キティがまあまあ計算高く、よし、何をしてものし上がってやんぜ!というおもしれー女キャラだったので楽しくて次はどうするんだろう?と読み進められた。
    にしても、ラドクリフの人間もうちょっと疑おうよ!と思っていたところに長兄ジェイムズの参戦。打打発止の二人のやり取りがどうなる?と読ませる読ませる。
    さらにキティたち姉妹は令嬢と名乗ってはいるが、母親のかつての職業のせいで没落し鼻つまみ者であったことまでわかる。キティ、一人で抱えてそれでも妹たちのために乗り切ろうとしてたんだね。すごい女性だ。だけど本当の礼儀は教わっていないからしぶしぶジェイムズに聞いて身につける…いやあ、予想もしない展開。

    勝ち残るために他人の好きな人を奪う罪悪感から目をそらし続けていたキティがドロシーおばの一言で優しさを取り戻したくだりは感動しました。
    さまざまなジェイムズを狙う女性たちはワーテルローの戦いのことを会話の糸口にしたがって彼の地雷を踏み、キティだけがそのつらさ苦しさに気づいていた、という流れも鮮やか。
    セシリーとキティが腹を割って話すところも、ジェイムズが父を思い出すところも、本当に良かった。恋愛ものと侮っていた自分を殴りたい。恋愛だけでない、家族愛のお話でもあった。
    キティが最初に欲しかったもの(愛のない、覚悟を決めた家のためのずる賢い金目当ての結婚)は奪い取れなかったけれど、愛するドロシーおばさんと妹セシリーの幸福と、なんとなんと、愛もお金もある結婚を手に入れた!うまく出来すぎに見えなくもないけれど、キティがどれだけ家族のために気を張っていたか、本当は慈愛のある人間か、いざという時にはピストルで悪党を脅せるだけの度胸があるかを読者は知っているので、祝福するしかない。ラストの一行までこんなに満足できた読書って本当に嬉しい。

    大事件の種をそこかしこに播いて、二人を結びつける最後の大騒ぎとほんの少しの大冒険の先で、やっと結ばれた!と満足できたので本当に嬉しかったです。もうちょい早くお互い気づいてくれ!とはちょっと思ったけど。やきもき感って必要だよね。

    英文を実際に読んだわけではない(読めるわけもない)のですが、作者さんも訳者さんの翻訳も当時のことをきちんとわかっていて、雰囲気が出るよう軽妙に書いているように思えます。ハーレクインの大家の出版社だからかな?とても好きな文章。カタカナの長ったらしい名前が大量に出てくるけどそこまで混乱せずに読めました。
    つらい現実から一時的に逃れてまた前進するための本、という作者言葉にもなんとなく救われました。読書ってそうであってほしいので。二作目も読めることを祈ります。

  • ジェーン・オースティン作品のような世界観に浸れる現代作品

    強気な2人の会話を垣間見るの、ものすごく楽しい
    とにかくヒロインが強かでかっこいいの...

    最後の最後でそれぞれの名前表記が変わるのもロマンティックでいいよね〜〜〜最高でした

  • 主人公のキティが不憫で、でもそんな不憫に感じるのは失礼だと思えるぐらい聡明で逞しくてかっこいいヒロインでした。
    姉妹のために、自分の幸せよりも姉妹を守るために動くキティをずっと見守っていたからこそ、最後のラドクリフとの婚約に至るまでの掛け合いには感動しました。よかった……。

  • ロンドンの上流社会に斬り込んでいくキティの様がとにかく痛快だった。一方で家族をひたすらに愛しているが故の苦悩だったり、自分自身の犠牲だったりの心情も繊細に描かれていた。
    最悪の形で出会った伯爵、味方になる人、去っていく人々…どの登場人物との会話も鮮やかに繰り広げられていた。テンポの良いやり取りをずっと見ていたい気持ちになった。愛すべき登場人物が沢山出てくるので、一人ひとりがこれからどうなっていくのかも、とても気になる。

    ロンドンの上流社会は見たことも無いけれど、物語の世界に引き込まれて、ページを読み進める手が止まらず、あっという間に読み終わった。読書の楽しさを改めて感じた1冊だった!

  • キティの行動力と戦略にあっぱれ!をあげたい作品。恋愛小説は苦手で避けていたけど、このロマンス作品はとても楽しく読むことができた。キティの玉の輿は素晴らしいけど、お金と自分の家族よりも愛する人と結婚しないといけないと気づいてくれたことは良かったなと感じた。
    まさかのセシリーの方が大胆な行動を取ったのには驚いたけど、恋は盲目という言葉通りの行動をとってくれたのも良かった。
    海外作品は苦手な人でもサラッと読めると思うので、ぜひ読んでほしい。

  • ずっと面白かった。万人受けしそうな作品。素敵なカップルと素敵な恋物語!

  • 久しぶりにキュンキュンした。
    妹たちの生活を確保するために、上流の社交会(婚活市場)で大金持ち男性を狙ってハンティング。
    勝気で計算高く、恋愛や情よりもとにかく家族のために突っ走る。
    かっこいいし爽快!
    最後は結局、嫌いあってたはずのラドクリフ伯爵と結ばれたので、愛も生活も手に入れたヒロインであった。
    印象最悪なところから、だんだんお互いに惹かれあっていく様子がキュンです。
    独特な翻訳が苦手で海外の本は敬遠していたけど、良かったな。映画化してほしい。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    上流階級を鮮やかに切り開いていくキティがかっこよかったし、徐々に惹かれていくキティとジェイムズにときめかずにはいられなかった。

  • マイ・フェア・レディの唯一引っ掛かるポイント、歳の差。それが解消されたもの。マイ・フェア・レディ好きは是非!
    主人公姉妹が美人設定だけれども、とてもそうとは思えないのが難点…。
    惹かれ合っていても、身分、いま置かれている自分の状況、責任のために、それを見ないふりをして背を向ける二人に辛くなる。
    見つめ合う瞳でお互い何かを感じているのに、何度も目を逸らしてしまう。あと数秒見つめ合っていれば、きっと気づいたはずなのに…。

    続きを読みたいけれど、ここからはイチャイチャするしかないからつまらないかもしれない…

  • めちゃくちゃ面白かった!ただの恋愛小説で収まらない、ロンドンの社交界の煌びやかさと冷たい金持ちの目線、それを突破するレディの知恵

    でもさらにそれを上回る、誰とどんな結婚をするかという、悪趣味なドキドキ!

    なにより文章がめちゃくちゃ読みやすくストーリーが面白い!これは映画化して!

  • 冒頭で婚約破棄される展開はなろう系だけど、『高慢と偏見』の本格オマージュ作品。

    婚約破棄される展開のその後の行動が素晴らしく機転が利き、家族のために形振りかわまず上流階級に乗り込むキティの不屈の物語。
    彼女の大胆さや強さも爽快でした。

    とにかく主人公キティの家族愛と婚活への自己犠牲と葛藤、意欲と有言実行能力の高さに惚れ惚れする作品。
    キティの能力と度胸も凄いし、ヒーローのラドクリフ伯も嫌味なく男前で、キティに振り回されている姿は可愛くすらあって楽しめました。

    読書垢で絶賛されていた作品で、確かに良質な読書体験時間を提供してくれました。
    オススメです!

  • 面白かった。キティとラドクリフの関係の結末は容易に予測がつくが、それがあっても楽しく読めた。キティとラドクリフの"その後"が見たい。

  • いや〜〜おもしろかったなぁ!翻訳作品にもかかわらず、するんとワールドに引き込まれ、19世紀イギリスの階級社会で下剋上を目指すキティの強さとセシリーの文学部的発想と、最終結末がものすごっっく腑に落ちて、要するに大好きな作品に。一瞬で読み終わりました〜!!!!訳者さんもとても訳がうまい。

  • 面白かった。高慢と偏見大好き、ジェイン・オースティンは最高!と考える人間だったので、これも楽しめた。

    キティのどこまでも計算高い合理性と感情を抑制する理性に感服する。財産目当てだけど、内情が切実。まあ、贅沢したいから、ではないだけ良いけど、そんな事情はみんな抱えてるとすげなくされてたらどうするんだろう。ラドクリフ伯爵良いやつだな。
    アーチーのうぶさは心配になるけど、こんなもんか?こんなもんか。みんなこれは真実の愛だと思いたいもんな。
    ジェイン・オースティンは人間描写が巧みだけど、これもなかなか。

    ハッピーエンドに至るまで楽しませてもらった。

  • 帯に「高慢と偏見が好きな方に!」と載せられていて 宣伝に他の本を使っても良いものなのかと思いながらもまんまと手に取ってしまった。
    開始10ページで間違いなくジェインオースティンの系譜であると分かった。女性は何も持たされておらず就ける職業も限られていて 一発逆転の手段は結婚のみ。高慢と偏見と違うのは ヒロインが家族のために結婚を選ぶところだろうか。またキャラクターがかなり深く作られているように感じた。頭でっかちな知識屋に見えていた妹(これも例の本の三女を彷彿とさせる)が 実は姉が自分のことを馬鹿だと思っていることを察していたり。対するヒロインも知識を披露するばかりの妹に呆れる振りをして その実羨んでいたり。貴族の男性と結ばれてハッピーエンドになるのはどちらも一緒だが ロマンス成分は恐らく没落令嬢の方が多い。ジェインオースティンの方は なんというかそのままその時代に書かれているので あんまり夢がないというか(そこもいいんだけど)……困った家族に対する恥や それに対する周囲の態度などそういうものの生々しさによって 後味こそいいものの読んでいてヘトヘトになるので。
    イギリス社交界の煌びやかな描写はすごく楽しいものだったし そこで生まれるドロドロに近いドラマもあまり胃が痛くならないように描かれていて良かった。私は基本的に主人公の友人を好きになるタイプなので 今回も例に盛れずヒンズリーのことを好きになった。ああいう男にはもっと幸せになって欲しいんだ……

  • 恋愛ものは普段読まないけど、これはレビューが高めなのと、ロンドンの上流階級の社交界が読めるとレビュアーさんがオススメされていたので、信じて読んだらちゃんと面白かったし、いつのまにか打算的でたくましいキティと夢みがちで文系乙女のセシルを応援してた。セシーには是非幸せになってほしい。案外貴族でも家柄とか気にしない所はあるんじゃないか。伏線としてセシーには学があるし。まあ社交界の厳しさはあるだろうけど。噂怖い。
    どの国でも上流階級は政略結婚なんだな。でもそこに愛があってもいいじゃない。
    ハラハラドキドキな社交界を乗り切るキティがかっこ良くて、ハピエンになれ!なるんだ!と気合いを入れながら読んだ。ピストルを構える女性なんて当時にすればジャジャ馬もジャジャ馬なんだろうけど、ジャジャ馬と貴族社会といえば昔読んだ「あしながおじさん」を思い出す。出生に負けないジュディを包み込んでくれるジャービスおじさんに憧れた昔の自分の感情にも再び出会うことができて、懐かしい読書になった。
    産業革命とか、時代が目まぐるしく変わろうとしている世界で、人々の意識も変わっていく。そんな時代だからこそ、セシーは幸せになって(まだ言う

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