没落令嬢のためのレディ入門 (mirabooks)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596523563

感想・レビュー・書評

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  • 「まだ後悔していらっしゃる?」
    「ああ、海よりも深く」 p155

    キティの心の声――
    どうしてあんな軽蔑の目で見るの?ほかの家族はみんなわたしを認めているのに?まるでわからない――まったく気に入らない。

    対してラドクリフの心の声――
    ミス・タルボットはアーチーに恋心などみじんもいだいておらず、金のことしか頭にない。
    責任をもってぼくがすべてをつぶす。

    両親亡き今、裕福な名士との結婚だけが借金を返済し幼い妹達を守る唯一の手段だったキティ。彼女はお相手を見つけるためにいざロンドンへ。
    母の旧友ドロシーおばに手ほどきを受け可憐なレディに変身したキティは見事に社交界デビュー。
    そんな彼女が結婚相手のターゲットに選んだのが名門伯爵家の次男アーチボルド・ド・レイシー。アーチーの恋心をギュッと掴み、母親のレディ・ラドクリフを心理戦で攻略し、結婚はもう目前!
    ところがトントン拍子と思われたキティの結婚計画に、ここで思わぬ強敵がたちはだかる。アーチーの兄でド・レイシー家の長男ロード・ラドクリフ伯爵。彼はキティが財産狙いでアーチーと結婚しようとしていることをすぐに見抜く。

    お互いの印象が最悪の出会い。
    理不尽な脅しからの秘密の共犯関係。
    憎らしくて意地悪なひと。
    なのに、いつの間にか相手を目で追うようになって。
    王道の恋愛物語。王道と恋愛ってめちゃくちゃ相性いいよね。
    ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』がお好きな方なら、とっても楽しめると思う。
    私は『高慢と偏見』がもちろん好きなので、キティとラドクリフの恋愛の行方、また彼らの妹弟がやらかした、とくにキティの妹セシリーが起こした事件には、うんうんそうなるでしょう、そうするでしょうとニマニマしながら楽しめた。

    物語の時代設定は1818年のイングランド摂政時代。
    『高慢と偏見』が書かれたのは1813年だから同時代ですね。
    ナポレオン戦争と戦後の社会不安で揺れ動いた時代でもあって、本書でもワーテルローの戦いがラドクリフの心に暗い影を落としている。
    私にとってこの時代のイメージは上流階級は華々しく優雅だけど社会階層の差は甚だしいもの。
    また印象深いのは本書や『高慢と偏見』のテーマでもあるのだけど、当時の女性の結婚事情。結婚は女性が生きていくための切実な問題だったのね。女性の幸せは良い結婚相手を見つけること。

    キティの肩には父親の残した莫大な借金と4人の妹の将来が重くのしかかっていた。
    そんなキティがときにはラドクリフに財産目当てのどこが悪いのとまであけすけに胸の内を吐き出しながら、いつしか彼を自分のお婿さん探しに巻き込んでいく。
    ラドクリフはそんな彼女を苦々しく思いながらも、なぜか彼女の窮地にさっと現れたり、なんやかんやと彼女の欲しい情報を手に入れたりするの。
    けれど、いつも冷静で鷹揚に構えているラドクリフにも、今は亡き父親との関係や長男としての務めなど胸の奥深くには悩みがあり、一人それらと葛藤していたんだ。その苦しみを初めて吐露できたのがキティ。
    他の誰かと愛のない結婚をしようとするキティになんだかモヤモヤするラドクリフ。そしてまた口論となる二人。焦れったい。

    本書はブク友マリモさんにおすすめしていただきました。さすが胸キュン大好き仲間、妄想族メンバー、永遠の乙女のマリモさんです。わかってらっしゃる。
    私が好きなシーンはラドクリフがキティの手袋のボタンを慎重にはずしていくところ。肌に触れたりするわけじゃないのにかっと体が熱くなるキティの気持ちがわかる気がする。
    きっと彼のうつむいた表情とか、伏せたまつげの長さとか髪の流れとか、長い指とか普段見たことのない部分を目の前で見たことにもどきどきしたんじゃないだろうか……と、どきどき妄想している永遠の乙女がここにもいます。

    • 地球っこさん
      マリモさん、こんばんは☆

      実は、実は、『天官賜福』のことでとっても嬉しいことがあったんです!
      もうこの幸せな気持ちを誰かに伝えたくて、ご迷...
      マリモさん、こんばんは☆

      実は、実は、『天官賜福』のことでとっても嬉しいことがあったんです!
      もうこの幸せな気持ちを誰かに伝えたくて、ご迷惑でしょうがマリモさんしか思い浮かびませんでした 笑
      マリモさんに「おでこにチュッ」の訳でお世話になった簡体字版のこと覚えていらっしゃるでしょうか。
      ストーリーは繁体字版(日本語版)よりも、もっともっと面白くなっているのに、繁体字版の胸キュンシーンがすべてカットもしくは修正されていて、それが残念だったあの簡体字版。

      「簡体字版のストーリーに繁体字版の胸キュンシーンをすべて復活させた『天官賜福』が読みたいっ!」
      ずっと願っていたその夢がなんとなんと叶っちゃったんです!!!

      「おでこにチュッ」も、ちゃんと口づけに戻ってるんです。すべてのキュンシーンが戻っていて、さらにそれ以上のキュンとなる仕草が加筆されているところもあり、ときめきマックスになってるんです。

      数日前に中国の晋江文学城というネット小説サイトで発表されたのを中華古風BLにお詳しいブク友さんが教えてくださったんです。
      でも中国は検閲があるので読めなくなる可能性もあるんです。突然作品自体やいくつかの章に鎖(ロック)がかかっちゃうんですよ。『天官賜福』もずっと鎖がかかっていたのですが、ついに数日前に解除されたんです。でもまた鎖になるかもしれない……

      願いって言葉にすると叶うっていうけど、私はブクログでしつこいくらい『天官賜福』の感想を書いているうちに叶いました。
      といっても作者さんのおかげであって、私が努力して叶えた願いじゃないんですけどね 笑
      でも、やっぱり、ブクログに『天官賜福』の感想を書いているうちに、今回の情報を教えてくださったブク友さんにも出会えたわけで。そう思うと、願いを叶えるための幸運は自分で引き寄せたのかな。

      もう何が言いたいのか……とにかく最高傑作の『天官賜福』完全版が読めるという夢が叶いました!というご報告です。
      もうおでこにチュッじゃないんですよーー
      ちゃんと花城が殿下をギュッと抱きしめるんですよーー
      来月発売の3巻にある大好きなシーンもすべてあるんですよ!マリモさんがお読みになったときには、またおしゃべりしたいです。

      ただただこの幸せを、「おでこにチュッ」でお世話になったマリモさんに聞いていただきたかっただけなので、お返事は気になさらないでくださいね。ほんと、迷惑なやつですよね。ごめんなさいっ。

      ではでは、今日も1日お疲れ様でした。
      2024/03/28
    • マリモさん
      こんばんはー!
      地球っこさん、よかったですね!!!
      繁体字版の2人のエピソードを残した(さらにアップさせた?)加筆バージョン、出て欲しいとず...
      こんばんはー!
      地球っこさん、よかったですね!!!
      繁体字版の2人のエピソードを残した(さらにアップさせた?)加筆バージョン、出て欲しいとずっと言ってましたよねー。地球っこさんら読者の熱い想いが作者さんに伝わったのでしょうね!!

      鎖がとれている期間はわからないんですか?とにかく今のうちに堪能するしかないですね(//∇//)
      日本語訳も来月に発売みたいですね!そちらもいずれ、加筆の繁体字バージョンで出てほしいですね。
      待ち望んだ繁体字版もぜひ楽しんでください!!
      2024/03/28
    • 地球っこさん
      ありがとうございます!!

      とにかく鎖になったら購入していても読めなくなるので、まずは400枚以上スクショです。この天官賜福改訂版だけは何が...
      ありがとうございます!!

      とにかく鎖になったら購入していても読めなくなるので、まずは400枚以上スクショです。この天官賜福改訂版だけは何があっても守り抜きます 笑
      サイトはコピーとか出来ない設定なんですよ。
      人気作品は鎖になったり、ちょっとでもキュンだったりえっちだったり(天官賜福は全くえっちなシーンないんですけどね)すると鎖章になるんです。あと文章でも赤裸の文字など□□になったりするんですよ。ほんと日本の小説や漫画などに慣れていると、なんでこれくらいのものがと驚きます。
      なので繁体字版の書籍は宝です。
      これから少しずつ楽しみます。
      お返事ありがとうございました。
      おやすみなさーい。

      2024/03/28
  • A Lady's Guide to Fortune-Hunting by Sophie Irwin Book Review
    https://thissplendidshambles.com/a-ladys-guide-to-fortune-hunting/

    Sophie Irwin | Penguin Random House
    https://www.penguinrandomhouse.com/authors/2266286/sophie-irwin#

    HIMEMI SAKAMOTO
    https://himemisakamoto.com/

    没落令嬢のためのレディ入門|ハーレクイン
    https://www.harpercollins.co.jp/mrb/books/detail/15081

  • 原題は"A LADY'S GUIDE TO FORTUNE-HUNTING"、初出は2022年。兒島みなこ訳。

    ちょ、ちょっとー!!??
    こ、こ、これはすごい!!面白い!!震えた。
    途中から胸キュン止まらん展開になるし、仕事中も続き読みたくてそわそわしちゃうし、世界の全女子、年齢問わず心は永遠の乙女に超おすすめです!!!(男子禁制)

    1818年、イングランド。
    父母を亡くし、四人の妹と暮らすキティは、ある日突然、地元卿士の婚約者から婚約破棄を言い渡される。
    死んだ父には莫大な借金があった。4ヶ月後までに返済しなければ姉妹の家はとられ、路頭に迷ってしまう。キティは一大決心をする。ロンドンへ狩りへ─、ロンドンの社交界に打って出て、裕福な紳士を射止めて6月までに結婚する!と。
    キティは妹のセシリーを連れて、母の親友を頼りにロンドンに赴き、持ち前の美しさと知恵と大胆さでもって上流社会に乗り込みをかける。最初に求愛を受けるのに成功したのは名門伯爵系の次男アーチーだったけれど、その兄であるラドクリフ伯爵は、キティの打算まみれの正体を暴いてしまい…。

    5人姉妹、お金持ちの婿探しというあたりは言わずと知れたジェイン・オースティンの名作『高慢と偏見』のオマージュ的な作品なのだが、何たって読みやすいし清々しいし、何よりも主人公らのキャラが良き。
    『高慢と偏見』は大好きで、英文学が好きになるきっかけともなった作品。でも、この時代のそこそこの身分の女性にとって、結婚以外に生活の途はほとんどなかったのに、エリザベスが打算なく、いとも簡単にコリンズやダーシーの求婚を断るところ、かっこいいと思うと同時に、本当にいいの?とも思っちゃうよね。まぁ結果オーライなのだけども、「男は金じゃない」とか「愛情や信頼あってこそ」とは、家を追い出され、落ちぶれてしまってからはたぶん言えないから。娘の結婚やら相手の財産にばかり気を揉んでいる母にも実は一理あるし、愛情よりも実利をとってさっさとコリンズの求婚を受け入れる友人シャーロットの強かさもすごく大事だったんじゃないかとも思う。

    対して本作の主人公キティは、愛も尊敬も二の次、あるのは打算のみ。紳士たちの財産をかぎ分け、計算づくで近づき、求婚までのプロセスも掌中にある。
    唯一の敵はラドクリフ。家族の秘密を暴かれ、アーチーからは身を引く約束をするけれど、反対にラドクリフにも条件を突きつけるキティ。互いに本音勝負だったから、キティもラドクリフも、他の人には隠していた胸中を明かし、だんだん気の置けない戦友のようになっていく。キティの狩り(婚活)のピンチを絶妙なタイミングで助けたり、助けてしまった自分の胸の痛みに気づいたり…。
    ラドクリフの心境の変化には大注目ですよー!

    ここより後半の引用になりますのでご注意を。

    "「むしろ」ゆっくり言う。「ぼくの返事はまったく違うものになるだろう。もしきみがいま、ぼくをダンスに誘ったなら、ミス・タルボット」"

    ここな!ここ!ここ!(マロニーちゃん!じゃなくて)
    最高に良きー!
    やっぱりね、「最っ低!!!」な印象からの「この人実は…?」と互いに相手を知り、思いを深めていき、何かのきっかけで気持ちがこぼれるという王道な展開は好きですね。王道は王道たる理由があると思う。

    本作、なんと作者のデビュー作なんだとか!
    兒島みなこさんの訳もこなれていて会話が素敵だったし、是非次作も出していただきたいです、プリーズ!
    追いかけたい作家さんが増えて幸せ。

    こんな19世紀イギリスを舞台とした恋愛小説の頭のてっぺんからつま先まで楽しめるとか、私もだいぶレディが板についてきたなぁ♡(ギャ、石が飛んできた)

  • 最後に好きな人と一緒になれて良かった

  • 帯に「高慢と偏見が好きな方に!」と載せられていて 宣伝に他の本を使っても良いものなのかと思いながらもまんまと手に取ってしまった。
    開始10ページで間違いなくジェインオースティンの系譜であると分かった。女性は何も持たされておらず就ける職業も限られていて 一発逆転の手段は結婚のみ。高慢と偏見と違うのは ヒロインが家族のために結婚を選ぶところだろうか。またキャラクターがかなり深く作られているように感じた。頭でっかちな知識屋に見えていた妹(これも例の本の三女を彷彿とさせる)が 実は姉が自分のことを馬鹿だと思っていることを察していたり。対するヒロインも知識を披露するばかりの妹に呆れる振りをして その実羨んでいたり。貴族の男性と結ばれてハッピーエンドになるのはどちらも一緒だが ロマンス成分は恐らく没落令嬢の方が多い。ジェインオースティンの方は なんというかそのままその時代に書かれているので あんまり夢がないというか(そこもいいんだけど)……困った家族に対する恥や それに対する周囲の態度などそういうものの生々しさによって 後味こそいいものの読んでいてヘトヘトになるので。
    イギリス社交界の煌びやかな描写はすごく楽しいものだったし そこで生まれるドロドロに近いドラマもあまり胃が痛くならないように描かれていて良かった。私は基本的に主人公の友人を好きになるタイプなので 今回も例に盛れずヒンズリーのことを好きになった。ああいう男にはもっと幸せになって欲しいんだ……

  • 恋愛ものは普段読まないけど、これはレビューが高めなのと、ロンドンの上流階級の社交界が読めるとレビュアーさんがオススメされていたので、信じて読んだらちゃんと面白かったし、いつのまにか打算的でたくましいキティと夢みがちで文系乙女のセシルを応援してた。セシーには是非幸せになってほしい。案外貴族でも家柄とか気にしない所はあるんじゃないか。伏線としてセシーには学があるし。まあ社交界の厳しさはあるだろうけど。噂怖い。
    どの国でも上流階級は政略結婚なんだな。でもそこに愛があってもいいじゃない。
    ハラハラドキドキな社交界を乗り切るキティがかっこ良くて、ハピエンになれ!なるんだ!と気合いを入れながら読んだ。ピストルを構える女性なんて当時にすればジャジャ馬もジャジャ馬なんだろうけど、ジャジャ馬と貴族社会といえば昔読んだ「あしながおじさん」を思い出す。出生に負けないジュディを包み込んでくれるジャービスおじさんに憧れた昔の自分の感情にも再び出会うことができて、懐かしい読書になった。
    産業革命とか、時代が目まぐるしく変わろうとしている世界で、人々の意識も変わっていく。そんな時代だからこそ、セシーは幸せになって(まだ言う

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