ヒヒは語らず (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
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本棚登録 : 28
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541277

作品紹介・あらすじ

現役警察官が放った圧倒的リアリティに屈服せよ!

かわいそうな猿…
死んだ姉の謎の言葉が意味するものは――?

ストックホルムの暗黒=アンダーグラウンドでうごめく、罪と性。

姉はなぜ死んだのか――その答え
を探るべく、アマンダは警察官に
なった。麻薬依存とレイプ被害の
果てに、“猿”にまつわる不可解
な言葉と日記を遺して自殺した姉。
早急な調査打ち切りの裏には何
が? アマンダは素性を隠し、担
当捜査官マグヌスの愛人となる。
さらに、姉を悪の道に引き込んだ
元恋人アドナンに接近するも、そ
こには想像を超える真相が……。
北欧最旬の作家が放つ警察小説!

感想・レビュー・書評

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  • アンナ・カロリーナ『ヒヒは語らず』ハーパーBOOKS。

    スウェーデン・ミステリー。

    なかなかストーリーが見えて来ないので、前半はかなりの我慢が必要。我慢の割りには……

    主人公のアマンダの性に対する奔放さと裏腹に彼女が抱える深い闇……

    『猿』に関係する言葉を残し、麻薬依存とレイプ被害の果てに自殺した姉のことを調査するために警察官となったアマンダは、担当捜査官だったアグヌスの愛人となり、姉を悪の道に引き釣り込んだアドナンに接近するが……

    本体価格1,236円
    ★★★

  • 先の見えない展開にほぼ一気読み。出てくる男がどれもこれも最低な奴で、腹立たしいったら無い。コイツらに天罰を!と思いながら読み進めた。主人公アマンダは行動力はあるが、考え方が自己中心的で今ひとつ共感出来ない。

  • 「腕、ふっと!」

    というのが第一印象である。
    あまり作家の写真を見て思うことではない。

    けれども、著者の前職を知って、このしっかりした腕に納得した。
    警察官だったのである。
    しかもこの『ヒヒは語らず』を書いた時、彼女は現職だったのだ。

    主人公はアマンダ・パッレル、彼女も警察官である。
    金髪の美人、グッチ・ラッシュの香水を仕事中もつける。ジムでのワークアウトが好き。

    実ははじめのうちは、なかなか読み進めなかった。
    なにやら不穏なのである。
    警察の仕事ぶりだったり、周りの人々の様子だったりが描かれるのだが、
    なにより、主人公アマンダだ。
    若くて、女性で、ひたむきで、まっすぐな警官・・・・・・なのだろうか?
    仕事ぶりは真面目である。頭もよく、勘もよい。しかし、それ以外の点はどうだろう?
    まっすぐさ、ひたむきさが、実は仕事以外の部分に向いているのだ。
    いいのかなあ、大丈夫かなあ、ちょっと大丈夫? 本当に大丈夫?? 
    アマンダのあれこれを知るにつれ、どうにも呼吸が浅くなる。
    その上、デビュー作ゆえの、なんともこなれない書きようが、不安をいや増す効果となって、とにかく緊張するのだ。

    よって、長時間続けての読書にならなかったのである。
    3分の1くらいまで、ちびちびと読んでいた。
    中盤で読むのが続くようになり、最後の3分の1はもう止められない。
    睡眠時間を犠牲にして、最後まで読み切った。
    読了後、しばらく、腕を動かすことができなかった。よほど力を込めて読んでいたのだろう。
    本を持っていた腕が、そのままの姿で、ガチガチに固まってしまったのである。
    3部作を予定しているというが、いずれ出版されるであろう、それらすべてを読み終えたら、私も著者のような、そしてきっと主人公アマンダのような腕になれるかもしれない。

    緊張感あふれる本筋の中に描かれた、警察の仕事の様子も印象に残った。
    アマンダが相棒とともに当たったいくつかの事件は、痛ましいやら痛々しいやら・・・・・・
    著者の前職を考えると、現実にこんなこともあったのだろうと、胸がふさぐ。
    そして、北欧ミステリにおなじみのゲス野郎も登場する。いっそ気持ちがよいほどのゲスっぷりだ。
    こんなのも現実に存在するというのだから、開いた口がふさがらない。
    舞台はスウェーデンだが、人種は色々登場する。
    スウェーデンはもちろん、アラブ、セルビア、ロシア、色々なルーツを持つマフィアだちだ。
    外国からやってきたマフィアは、それぞれの思考と流儀で行動する。
    枠外の、馴染みのないその仕事ぶりが垣間見えて、時にひやりとさせられた。

    骨太な物語を描く、腕太な著者には、共著の作品もあるらしい。
    なんと、あの『刑事ザック』のシリーズだ。
    モンス・カッレントフトとマルクス・ルッテマンの共著だったのだが、ルッテマンが4作目までで降りたため、5作目からアンナ・カロリーナが共著者となったのだ。
    1作目を、私はそこそこ扱き下ろしたのだが、アンナ・カロリーナがとなると、少し気になる存在にはなる。(そこまで訳されるかは不明だが。)

    しかし、やはりこちらの2作目、シリーズの続きが早く読みたい。
    私はアマンダのその後の物語が知りたいのだ。

    アマンダが相棒トッベと出動した後、聞いた音楽がこちら
    Dope ''Die Mother F Die''
    https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=Xw-m4jEY-Ns&feature=emb_logo

    追記。
    動物好きの人には、この本はあまり勧めない。

  • パンチ効き過ぎ。なかなかの衝撃度。
    マグヌスが糞すぎてある意味かわいそう、モデルいるんかな?

  • 長い。無駄に登場人物多くないか?別に最初のプロットから外れても、良い物を作るべきだと思う。どうでもいいエピソードが多すぎる。しかしタチが悪いのが、なんだかこの作者は人物を描いたり、文章そのものは標準よりも高い位置にいるような気がするんだよな。無理に警察ものを書くんじゃなくて、自分の良さが引き出されるような題材とまとめ方を見つけられたら良いと思う。「北欧が」とかそういう冠いらなくね?ネット社会なんだから、もうどこの国でもいいじゃん?(歴史物以外)

  • 私は好きだった。主人公のアマンダ、悪徳警官のマグヌス、麻薬の売人アドナン、それぞれが語る展開で場面の転換も早くて、660以上のページにも関わらず一気に読み終えた。ミステリーとしても楽しめた。

  • スウェーデンミステリー。アマンダは姉の自殺事件は殺人に違いないと信じ、真実を知るには警官になるしかないと考え刑事になった。姉の当時の交際相手の常習犯罪者、アドナンに近づき、また事件の担当者で怪しい刑事マグヌスの愛人になる。マフィアに近い関係のマグヌスは危ない捜査をし、妻に暴力をふるっている。そしてアマンダはアドナンのことを好きになってしまう・・・

    激しく面白かった。構成や展開が非常に目新しく、非常に好み。先がどうなるかさっぱり分からず、アマンダがどうなってしまうのかドキドキがずっと続く。

    主人公だけの目線ではなく悪徳警官マグヌスの目線でも描かれていて、こいつの嫉妬深さや自分勝手さに辟易し、早く不幸になれといつの間にか念じていた。それが物語の巧妙さなんだと思う。

    タイトル「ヒヒは語らず」については大したネタではなく途中で想像できてしまったので、そこは減点だけどそれを大いに上回る加点があった。

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