グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541437

感想・レビュー・書評

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  • カリン・スローター『グッド・ドーター 下』ハーパーBOOKS。

    悲劇に見舞われた家族の物語なのか、法廷ミステリーなのか判然としないストーリーはどこに向かうのか。主人公は弁護士なのに、何故か警察も法廷も舞台とはならず、非公式な場面でのみ事件捜査が進行する違和感。結末もありふれた感じで今一つ。ウィル・トレント・シリーズが好調だっただけに残念な作品だった。

    中学校で、教師と女子中学生を射殺した女子高校生のケリー。彼女を弁護することになったシャーロットの父親ラスティは何者かに刺される。28年前の事件の真実と中学校の銃乱射事件が1本の糸でつながり……

    解説は池上冬樹。本作は、映画化されるのだとか。

    本体価格891円
    ★★★

  • 家族部分が長すぎだが、過去以上の重圧抱えちゃって…

  • 下巻です
    読んでいて、この作者はどこまで女性に試練を与えるのだろうと思います
    上巻からあるシーンが繰り返し何度か出てきます
    家に押入った暴漢が母親を銃殺し、二人の姉妹が外に連れ出されて、姉は撃たれ妹は隙を見て逃げると言ったシーンです
    このシーンが出てくるたびに鮮明に、詳細に、残酷になってくるんです
    それがスローターの筆力なのですが、このシーンが出てくるたびに心がざわつきます
    そして何度もこのシーンをなぞりながらもクライマックスに導くところは流石です
    本来のハッピーエンドとは違うかもしれませんが最後は落とし所のつく結末にホッとします

  • 手続きを誤魔化して進めようとする警察や検察と弁護士のせめぎあいは迫力がある。通報で駆け付けた警察官が集まっていた場所で銃を持っていた少女が犯人と思われていたが、実は無罪ではないかとの疑念も提示される。ニューヨークの弁護士が刑事訴訟に参加することは物語の展開に大きな意味がある。地方の人間だけではナアナアになってしまう。多様性は価値がある。
    一方でチャーリーの回想やトラウマ、抑圧された記憶も物語の軸になっている。上巻の後半には新たな視点人物が登場し、物語の着地点が見えない。色々と詰め込みながら放りっぱなしで終わらせないところは流石である。
    コリアンバーベキューの移動販売車はタコスよりも行列になっていたとの描写がある(下巻30頁)。日本の縁日でもチーズドックの屋台が大行列になっていたことを見たことがある。アメリカでも韓流は勢いがあるようである。

  • 前編は読み進むのがしんどかったけど、後編は展開も早く解決しましたね。

  • もたつく展開が気になっていたけど、下巻に入ってようやくつかめてきたのは、単なるミステリーではなく家族小説であること。悲劇に見舞われながらも、果敢に正義を貫いた父と最愛の母、2人の娘がその過去を乗り越えていく家族小説。そう考えると展開の遅さも納得できたし感動もした。でも、それにしても、名前がハリエットになったりガンマになったり、サムになったりサマンサになったり、は正直ストレス。アメリカ人が読めばすんなり入ると思うけど直訳されると苦しい…。初のカリン・スローターはもしかしたら変化球だったかもしれず、他の著作も読んでみたい。

  • 姉の生還・リハビリ
    とんでもない事よ
    もどかしくて・・・
    ヤキモキもしたけど
    なんて事でしょ
    もう~~~凄いです
    完璧!!

  • ラスティ・クィンは売人や性的暴行犯、誘拐犯を弁護して大いに恨みをかっていた。家は放火され、別の家では覆面をかぶった男たちが妻を射殺し、娘たちサマンサとシャーロットをレイプしようとした・・・28年後、シャーロットは弁護士になっていた。夫とうまくいかず一夜を伴にした相手とスマホを間違えてしまったため、相手の勤める学校を訪れると、発砲事件が。若い女性ケリーが教師や生徒を撃っている。そして彼女の弁護に関わり・・・

    カリン・スローターは大好きなのだが、その中ではやや冗長。実はシンプルなもので、それをぐるぐるとラッピングした感じ。

    それでも、最初のスピード感、ラスティの人物造形、シャーロットのトラウマ、姉サマンサはどうなったのか、そして発砲事件の真実と読ませどころは多い。

  •  カリン・スローター作品で一番感情移入できた作品である。むしろそういうことをこの作家には期待してはいなかっただけに、これは驚きだ。面白さのための人間構築、常にストーリーのための対人葛藤の迷路を構築する建築学的な作家、とぼくは見ていたのだが、もしやそれは視野の狭い思い込みであったか。

     とは言うものの、導入部はいつもの通りである。この作家の個性とさえ言えるほどの、うんざりするほどの血とバイオレンス。だからこそ、まさか暴力に巻き込まれた家族の、その後の絆づくりという心の風向きに、この物語が手向けられてゆくとは予想をしてはいなかったのだ。

     弁護士一家を襲った過去の凄惨な事件により、心身ともに後遺症を抱えたまま家族を離れた長女。父とともに暮らしその弁護士としての仕事を継ぐ次女。暴力で断たれた母の命と、その豊饒なる知性の記憶。

     それぞれに性格の異なる姉妹。そして彼女らへの沈黙の不可視的な愛を貫く弁護士の父。それぞれに深みも痛みも介在する人間たちの傷だらけの人生。それでいて並々ならぬ知性豊かな三人の、喪われし人生の記憶とその再生の行方とが、何と、次女が出くわす新たな凄惨なる事件いう形で試されてゆく物語である。学校での発砲事件。もはや珍しいとは言えないアメリカの風物詩みたいな。

     事件の加害者である少女の沈黙がまずは謎である。事件の被害者は、さらに年少の少女、そして校長。一見、単純な構図に見える事件だが、動機も、その後の展開も、見た目通りではなさそうであった。事件に関わるヒロインたちの内なる闘いに、外なる疑惑が絡み合い、継いで、彼女たちに関わる男、壊れかけた夫婦関係、出産の失敗などなど、複雑な課題と過去とが絡み合う暗黒の深さ。

     主要登場人物がそう多くない割に、彼ら彼女らの個性が否応なく絡み合い、ぶつかり合う。いつものスローター節。どんでん返しや、いくつものトラップやミスリードが、全体のエンターテインメントとしての謎多き物語を象っているのも、いつも通りのスタイルである。

     しかし、警察小説の形を取らず、シリーズとは分離させ、事件関係者(被害者、弁護士、検事)やその家族たちの道を、心の内側から、それもいくつもの過去からの出来事の真相に迫ろうとする、この作者ならではの複雑に編まれたプロットにずっと寄りそうような心身の痛みの記憶がたまらない。

     娘たちを守れなかった父親と、その後の人生。一見雄弁に見える彼を取り巻く秘密と、娘たちの錯綜する心が出くわすとき、この家族の物語は、この家族を変える時間にようやく出会うことができる。そこにあるのは癒し? あるいは決意?

     不幸な事件により無残に傷つけられた家族とその後の人生航路を、押し寄せるいくつもの波濤のなかに描き切るビルディングス・ロマンである。少なくとも時間軸空間軸ともに壮大なスケールのミステリーとして、否、むしろヒューマンなドラマとしてしっかりと味わって頂きたい力作である。

  • 良い悪いは別として、全てが予想通りすぎたのはつまんない。

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