- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596541437
感想・レビュー・書評
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カリン・スローター『グッド・ドーター 下』ハーパーBOOKS。
悲劇に見舞われた家族の物語なのか、法廷ミステリーなのか判然としないストーリーはどこに向かうのか。主人公は弁護士なのに、何故か警察も法廷も舞台とはならず、非公式な場面でのみ事件捜査が進行する違和感。結末もありふれた感じで今一つ。ウィル・トレント・シリーズが好調だっただけに残念な作品だった。
中学校で、教師と女子中学生を射殺した女子高校生のケリー。彼女を弁護することになったシャーロットの父親ラスティは何者かに刺される。28年前の事件の真実と中学校の銃乱射事件が1本の糸でつながり……
解説は池上冬樹。本作は、映画化されるのだとか。
本体価格891円
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解説にあったように、この作品はミステリではなく、悲劇を乗り越える家族の話だ。ミステリ要素を抜きにして、それだけでも面白いと思ったが、ミステリ要素と絡んでこその、ストーリだとも感じた。
また、主人公が弁護士ということもあって、少し考えさせられることもあった。その一つが、「許す事」の価値だ。「許す事」と「復讐」は同等だろうかとか、なぜこんなにも許す事は難しいのだろうなと考えたりした。 -
同じページには「聡明そうな」とある。こんな日本語があるのか?
https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2022/11/10/141707 -
家族部分が長すぎだが、過去以上の重圧抱えちゃって…
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下巻です
読んでいて、この作者はどこまで女性に試練を与えるのだろうと思います
上巻からあるシーンが繰り返し何度か出てきます
家に押入った暴漢が母親を銃殺し、二人の姉妹が外に連れ出されて、姉は撃たれ妹は隙を見て逃げると言ったシーンです
このシーンが出てくるたびに鮮明に、詳細に、残酷になってくるんです
それがスローターの筆力なのですが、このシーンが出てくるたびに心がざわつきます
そして何度もこのシーンをなぞりながらもクライマックスに導くところは流石です
本来のハッピーエンドとは違うかもしれませんが最後は落とし所のつく結末にホッとします -
手続きを誤魔化して進めようとする警察や検察と弁護士のせめぎあいは迫力がある。通報で駆け付けた警察官が集まっていた場所で銃を持っていた少女が犯人と思われていたが、実は無罪ではないかとの疑念も提示される。ニューヨークの弁護士が刑事訴訟に参加することは物語の展開に大きな意味がある。地方の人間だけではナアナアになってしまう。多様性は価値がある。
一方でチャーリーの回想やトラウマ、抑圧された記憶も物語の軸になっている。上巻の後半には新たな視点人物が登場し、物語の着地点が見えない。色々と詰め込みながら放りっぱなしで終わらせないところは流石である。
コリアンバーベキューの移動販売車はタコスよりも行列になっていたとの描写がある(下巻30頁)。日本の縁日でもチーズドックの屋台が大行列になっていたことを見たことがある。アメリカでも韓流は勢いがあるようである。 -
前編は読み進むのがしんどかったけど、後編は展開も早く解決しましたね。