死ぬまでにしたい3つのこと (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541512

感想・レビュー・書評

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  • ピエテル・モリーン、ピエテル・ニィストレーム『死ぬまでにしたい3つのこと』ハーパーBOOKS。

    スウェーデンの二人の合作新人作家によるミステリー。昔の未解決事件を捜査するというのはよくあるパターンだが、FBIの特別捜査官がスウェーデンを舞台に事件を捜査するというのは珍しい。読み終えてみれば、余り驚きも無く、さもありなんという無難な結末に少し拍子抜けした。

    序盤は2009年のスウェーデンと2019年のアメリカを舞台に物語が展開し、物語の中心は2019年のスウェーデンとなるのだ。

    2009年、スウェーデンを代表する企業の社長令嬢エミリーが大量の血痕を残し、失踪する。直前、彼女のFacebookには腕の3つのチェックボックスのタトゥーの最後の1つが埋められていたことを示す写真が残されていた。容疑者として少年ビリー・ネイルマンが浮上するが、死体が発見されず、未解決事件となる。

    2019年、FBI特別捜査官ジョン・アダリーは麻薬密売組織の囮捜査を終え、証人保護プログラムが適用される。新たな身分を得たジョンはアメリカを離れ、母国のスウェーデンでヴェルムランド県警察の刑事となる。10年後にエミリーの死体発見の報に、ジョンは捜査に加わり、異父弟のビリーが真犯人だったのかを暴こうとするが……

    本体価格1,440円
    ★★★

  • 【終了しました】【感想募集】世界で版権争奪戦がおきた北欧ミステリー『死ぬまでにしたい3つのこと(原題:DET SISTA LIVET – THE BUCKET LIST)』。発売前の超話題作をゲラで読ん|ハーパーコリンズ・ジャパン|note
    https://note.com/harpercollins_jp/n/n849f74ee4965

    死ぬまでにしたい3つのこと|ハーパーコリンズ・ジャパン
    https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/13668

  • スウェーデンのミステリー作品。
    大企業の社長令嬢が失踪し10年の月日がたちほぼ迷宮入り。その少女の腕には特徴的なタトゥーがあった。そして同じタトゥーを入れた少女の死が判明。その捜査に関わることになったのは、元FBIのオトリ捜査官で、今はスウェーデンの県警の刑事。
    スウェーデン、ミステリー、タトゥー、大企業というと、もうスティーグ・ラーソンの「ミレニアム」シリーズを彷彿させるキーワードばかり。複雑な人間関係と過去の沿うさ記録に丹念にあたる内容もあったりと、読んでて似てるなあと思わずはいられなかった。
    大きな違いと言えば、本作の主人公たる探偵役はアメリカ育ちの設定。なのでウエスタンヒーローのようなゴーイングマイウェイで、ルールは破るもの的な行動がエンタメ感を盛り上げている。600ページのボリュームを感じさせない素早いストーリー展開に引き込まれた。

  • おもしろかった!主人公ジョンのキャラが良かった。
    中盤から登場人物のほとんどを事件に絡めようとして、盛り込みすぎになりとっ散らかったかな…という印象。
    でも次回作あるなら期待してます。

  • 新人にしてはレベル高いし、今後も伸びてきそうな予感。

  • あらすじ
     FBI捜査官ジョン。ナイジェリア出身の父、スウェーデン人の母を持ち、ニューヨークで育つ。囮捜査中にマフィアから命を狙われ、特別保護プログラムで故郷スウェーデンに戻る。異父弟のビリーは10年前に容疑不十分で釈放されており、その事件を捜査しようと思ったのだ。企業の社長令嬢が行方不明になった事件。彼女は腕に3つのチェックボックスのタトゥーを入れていた。

     FBIとスウェーデンミステリーのコンビネーションが面白かった。知識も予算も人手もあって、ワーカーホリック気味に働くジョン。彼からしたらスウェーデンはのんびりしている上に、犯人は弟だと思い込んでいて歯がゆい。タイトルの3つのことは書かれていなかった印象が…。でもこのタトゥーがきっかけに事件は進んだし。続編は本国で上梓予定とあったけどあるのかな?

  • キラキラ自己実現女子むけのハウツー本?

    タイトルだけを見て、いらない、私には用がない、と思ってしまった。申し訳ない。
    いざ著者近影を見てみれば、これはキラキラしていないなと。
    髭面男子が二人、こちらを見つめてくるのだ。
    ピエテル・モリーン、
    ピエテル・ニィストレーム、
    二人のピエテルが共同執筆した、これは北欧ミステリーなのである。

    2019年ボルティモアから、話ははじまる。
    2009年カールスタからも、話ははじまる。
    間違いではない。
    ボルティモアはアメリカだ。
    カールスタはスウェーデンだ。
    遠く離れ、時期も異なるの二つの話が、交互に描かれていくのだ。
    なんの関係があるやら、さっぱりわからない中で。

    ボルティモアにはボルティモアの事件/事故、出来事があり、カールスタにもカールスタの事件/事故、出来事がある。
    読者は、それぞれの向かう先を想像しつつ、このふたつがどう交わっていくのかについても、頭を巡らせるのだ。
    その読み応えときたら!
    二人のピエテルは、人をハラハラさせるのが実にうまい。

    彼らは幼なじみである。
    舞台となったカールスタ近郊に育ち、10才の頃からともにに犯罪小説を書いていた。
    1975年生まれというから、執筆キャリアは35年ということか。
    なるほど、さすがのストーリーテラー、素晴らしいコンビネーションだ。

    ピエテル・モリーンは大学でジャーナリズムを学び、記者として働いた。マーケティングや未公開株式投資といったビジネスにも明るい。
    ピエテル・ニィストレームは俳優として舞台に10年立ち、映画や演劇の脚本執筆、舞台監督などの経験がある。

    それぞれが得意分野で力を発揮しているなと、読むうちにいくつも見えてくる。

    たとえば、ゴルバチョフについての一言だ。
    ある人物のたとえにこの名が使われるのだが、そこにゴルバチョフを批評する一文が加わる。
    このジャーナリスト的なものは、ピエテル・モリーンによるものだろう。
    スウェーデン的なもの――職場での服装や、キッチン当番があることなどについて、エピソードでもってそれを描き、我々外国の読者にスウェーデンという国を伝えてくれるのも、彼だろう。

    いっぽう、こちらはピエテル・ニィストレームの手によると思われる。
    ある廊下に注意書きのステッカーが貼られたコーヒーメーカーがあるのだが、何度か出てくるこれの使い方がうまい。
    あの場面とこの場面が同じ場所であることが、視覚的にすぐさまわかるのだ。
    それによって、二つの時空間がぐっと迫って見えてくる。
    ドラマや映画でしばしば使われる手法だ。
    そして、会話の妙だ。
    どんな人物とどんな人物が、どんな勢いで、どんな様子で、声の大きさで会話をしているのか、ありありと目に浮かぶように描いている。

    そんな二人がつくりあげた主人公は――目がはなせない男だった。
    北欧ミステリーによくあるような酒の問題は抱えていない。ただし、飲酒運転にためらいがない。
    家庭の問題は、ある。かなりあるといっていい。
    さらに健康上の問題と、立場上の問題もある。
    人生が問題だらけだからだろうか、彼は少々きれやすい。
    優秀といえば優秀なのだが、頼もしさには欠け、
    大丈夫か? それでいいのか? 本当に大丈夫か?
    あああ、だから言ったのに――――!
    なかなか気をもむ読書となる。

    いっそ吊り橋効果かもしれない、いっしょにハラハラしていると、好きになってしまうというあれだ。
    私はこの主人公が好きだ。
    脇を固める面々も、それぞれにキャラクターが立っていてよい。
    もっと彼らを知りたい、物語を見たいと思ったら、そういう人は多くいたらしい。
    2021年春に、スウェーデンでは第2巻が出版されるという。
    驚くべきことに、この『死ぬまでにしたい3つのこと』は、彼らのデビュー作なのだ。
    ならばその2作目は、さらに劇的に面白くなるにちがいない。
    日本でもそれが読めるよう、その日が少しでも早くなるよう、私は願っている。

    蛇足ながら、これは好みによると思うが、登場人物表は、まずは見ないほうがいい。
    驚きポイントがいくつか明かされてしまって、これは興ざめしてしまう。
    最初に読む時くらい、え――っと驚き、声をあげたいではないか。
    見ないことをお勧めする。

  • 訳が読みやすく、あっという間に読めた。
    途中から何となく犯人が分かってしまったり、事件の終わり方も物足りない感じはあったが、それを踏まえても面白かった。
    女弁護士や警察の同僚など、登場人物が多くてそれぞれのキャラクターが中途半端な気はした。各登場人物の抱える背景などがもう少し描かれていても良かった。
    ただこれがデビュー作とのことなので、今後続編でどう語られていくか楽しみ。

  •  この作品の不思議なタイトルを見て、不思議に思ったので、まずはネットで検索してみたのだが、『死ぬまでにしたい100のこと』『死ぬまでにしたい10のこと』がヒット。ミステリーではないみたいだが、ドラマ化されたり、推奨行為として実践されたりしているようである。本書を読むまで、死ぬまでにしたいことのリストアップをぼくはちなみに考えたことすらない。

     でもこの物語の少女は、『死ぬまでにしたい3つのこと』のタトゥーを片腕に入れてから、しっかりと行方不明になってしまったそうである。本書のこのタイトルが気になる方は、その意味ではぼくの疑問に回答が得られたや否やを、読むことで探り当てて頂きたい。
     
     個人的なことだが、実はこの直前に読んでいたノルウェー・ミステリーが、現在とその60年前の過去を往復するという叙述だった。続けて手に取った本作も、現在と10年前とを往還してゆくミステリーであったので、その偶然に驚いた。その上、実はこの形式は、かなりぐいぐい読める。つまり恐るべきリーダビリティを発揮する、一つの特異な手法なのではないか、と今のぼくは思っている。さほどに両書は、読まされてしまう面白さ、という一点で括られてしまった。

     スウェーデン、ノルウェーと進んで、ここでまたスウェーデンに戻るという、これまた個人的な北欧ミステリー週間である。そこに特に意図はなく、たまたま北欧ミステリー好きだから。そしてその期待を裏切らない北欧ミステリーである。初めて出会う作家たちの作品も、総じて優れているところにあると言える。

     本書は、二人の若手作家のデビュー長編ということである。不思議でならないのは、これだけ連続性のある面白作品を、どうやって二人で書き紡いでいるのだろうか? そんな具体的、かつ詳細への疑問だ。どちらかがアイディアやプロットを考え出し、どちらかが文章化するのだろうか? それとも、、、。

     両作家ともピエテルというファースト・ネームで、小さな同じ町に育った幼な馴染みで、驚いたことに、10歳のときに二人で初めて犯罪小説を創作したそうだ。さらにモリーンは大学でジャーナリズムを学び、ニィストレームは俳優・脚本家として活躍していた、云々。ううむ。

     さて、本書は潜入捜査官としての主人公ジョン・アダリーの2019年の叙述から始まる。『三秒間の死角』を思わせるスリリングな潜入捜査とその後の負傷と治療。保護プログラム適用という新しい人生のスタートに向けて、緊張感のある状況が伝わってくる。

     一方、十年前の2009年に娘が行方不明になった夫婦の状況が、父親ヘイメル・ビュルワルの主観で語られる。さらに第二部以降、二つの時制は合流し、同じ時代に二人の主人公目線でストーリーは続いてゆく。どうも妻であり企業主であるシセラとの夫婦仲や生活バランスにも問題がありそうだ。

     十年前の事件の再捜査に当たるジョンは故郷スウェーデンの町の警察署に入り、名前を変え、正体を隠しつつ、実は前述の少女失踪事件の容疑をかけられている実弟の事件を探りたい。しかも保護プログラム下で命も狙われつつの仮面捜査。直前の潜入捜査後のトラウマ(PTSD)により心身がズタズタで、時折り危険な発作に見舞われるという彼の内外の状況もまたスリリングである。

     物語設定が面白さのすべてなのだが、読みどころは、やはりストーリーテリングの上手さに尽きるという気がする。多くのスリルや謎立てが先を追い立てる。ページを繰る手が止まらない。現在と過去の複層的な繋がり。ジョンとヘイメルの複雑な境遇や、心理的葛藤も、作品の世界設定に厚みを加えているかに見える。何よりも、幾人もの犯人像が浮上しては決定しない状況の連続。真相が常に、さらに深い、手の届かないところへと逃げてゆく感じは、まるで逃げ水みたいだ。歯がゆい感覚。

     だからこそ、なのだろうか? 最後の最後も、事件解決時のすっきり感に増して、人間の弱さやエゴを事件が剥き出しにさせたことでのやり切れなさ、のような後味が残る。ジョンの運命は? そう、今後もまた一筋縄では行かないだろう。シリーズ次作は、本年スウェーデン語で刊行予定ということらしいなの。日本語でも近々、再会できるときが来ると思う。

     ちなみに、プルーフ本はよく頂いたことがあるけれど、ゲラ稿に応募して読ませて頂くのは初めてである。発売前に読ませて頂いたので誠意を込めてレビューさせて頂きましたが、至らぬ点はどうかご容赦あれ。

    それにしても死んだ少女の腕に残された死ぬまでにしたい3つのこと、いったい何だったのだろう?

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