刑事ファビアン・リスク 顔のない男 (ハーパーBOOKS)

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本棚登録 : 221
感想 : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (659ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596550378

感想・レビュー・書評

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  • ステファン・アーンヘム『刑事ファビアン・リスク 顔のない男』ハーパーBOOKS。

    『刑事ファビアン・リスク』シリーズの第1弾。最近読んだディスカヴァー文庫のサムエル・ビョルク『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』が非常に面白かったので、新たな北欧ミステリー・シリーズを開拓してみようと思い、読んでみた。ミステリーとしてのテーマは非常に面白い。前半のストーリー展開のテンポの不味さは少し色んな物を入れ込み過ぎたせいかなと思ったのだが、後半に全てを挽回してくれた。

    着任前で休暇中の主人公、ファビアン・リスク刑事のかつてのクラスメイトが休日の学校で両手を切断された変死体となって発見される。休暇を返上し、捜査にあたるリスク刑事だったが、単独捜査の果てに失態を演じ、他のクラスメイトまでも死に至らしめる。しかし、それは発端に過ぎず、彼のクラスメイトは次々と悲惨な死を遂げる……犯人は30年前にいじめを受けていたあの男なのか……

    本体価格1,157円
    ★★★★★

  • 日記にミスリードされたなあ。そして切ない。
    他人に認知されないというのは本当につらくてさみしいことだと思うけど、だからといって、ねぇ・・・

  • グロテスクな感じ?でも気になる…。

  • こういう殺人ミステリー大好き‼︎

  • 気持ち的には星4ではなく3.5かなぁ。
    北欧感は出ていて(そりゃ舞台がそうだから当たり前なんだけど)雰囲気に浸れるし、展開に映画みたいなスピード感があるのも読んでいて飽きが来なくて良い。登場人物の言葉から察するにファビアンは渋くてカッコイイおじさんのようだし、自分の想像の中で動かすにしても楽しい。

    若干の不満は、細かいところの辻褄合わせが放棄されている点。犯人の動機の部分とか(「注目を浴びない」ことが猟奇殺人に結びつくかなぁ??それに、卒業アルバムの写真とかさすがに業者や学校がきちんと確認するでしょ…)、殺し方の部分とか(例えばカミラの目を結局どうやって攻撃したのかとか)、緻密さが強調されている犯人の割には、方法が説得力に欠ける運任せのような要素があった。あとは、警察側の動きにしても、「さすがにそんなヘマはしないのでは…」みたいな流れがいくつかあり(瀕死の重傷を負ったデカを医者もいない雑居ルームに移したりするかなー?)もう少し背景の説明がしっかりあっても良かったかなー、というのが正直な感想。

    家族との確執の部分は、人間味を出すために必要な要素でもあるのだろうけど、個人的には、前作でもそうだったしもうそろそろお腹いっぱいという印象。家族が巻き込まれてお父さんが必死に助けようと頑張る!という展開も、まぁよくあるパターンなので「うーん…」という感じ。

    あ、でも、細かいところだけど、たまに出てくる食事のシーンはなぜか惹かれることが多かった。疲れた後の珈琲&クリームたっぷりのケーキとか、仕事中にダッシュで食べるポテト&コーラ&チーズバーガーとか。なんだろ、自分の生活とかぶるからかな。読んでいる最中に思わずマックでバーガーのセットを注文してしまったこともある。

    この一作でどうこうではなくて、シリーズものとして、全体の雰囲気を楽しみつつ読んでいくのがいい気がする。

  • 読後に思った。
    あれ?いじめられっ子、結局被害者の中にいたっけ?
    犯人は影が薄い子だったよね・・・あれ?
    そしてもう一つ。
    ファビアンの転職の理由とか、バックグラウンドとか、そういったものについて、ほぼ詳しい説明ないよね?これって作者にとって1作目だっけ?この前にファビアンのシリーズ、出てる?

    と、色々『?』が飛んだけど、次作も読むと思う(笑)
    ただ、ちょっと大風呂敷広げすぎかな・・・。
    ファビアンの女性問題についても、それを匂わす程度の描写しかないし。
    デンマーク警察の鼻持ちならない警視の件も、顛末はどうなった?
    始まりも曖昧だし、結果的にどうなったかも不明。
    この事件、まだ次の作品にまで続く?と頭を悩ませてしまった。
    脚本家が執筆した作品だそうだから、きっと、映像ありきの本ってことなのでは・・・と思った。
    言葉で書かなくても回想シーンを挟めばいける!みたいな?(苦笑)
    で、これも片付いてないけど、テオ君。
    すごい美形らしいけど・・・悲しいというか切ないというか。イケメン過ぎていじめられるのかな・・・
    テオ君が救われますように、と願ってる。

  • 読み応えがある

  • 次々と起こる同級生を狙った殺人事件。

    犯人と思っていた者も殺されてしまう。
    一体誰?

    クラスにいたのに空気みたいに存在感の薄い者の復讐。
    何もされなかったことに対して。

    読み応えがある一冊でした!!

  • 海外ミステリの入り組んで厚みのあるストーリーはすごく好き。
    なんだけど、すでにそういう作品をいくつか読んできたというこのタイミングが悪いのか、そういうウケる要素をもれなく入れたソツのない作品という印象。

    これだけの人を殺すにしては動機が弱すぎる気がするし、社会に出て何年も経ってからというのも説得力が無いと思う。
    そしてこういう作品に出てくる刑事の奥様は何故自分が刑事と結婚したことを忘れ去ったように定時で帰ってきて子供の面倒を見るように言うの?この職業の人にそんなこと無理なのだから違う解決策を見つけるべきでは?とテンプレ奥様のイライラを見るたびに思う。

    家庭崩壊の危機、
    後先考えずに性的暴力を振るう上司、
    残虐な拷問殺人の様子、
    自殺願望でも抱えてるみたいに無断で単独行動に走る探偵役、
    なんで犯人の名前を手に入れたのにチームに連絡もせずに帰宅してるの?

    というところが弱いなーとか、ミレニアムの二番煎じみたいだなぁとか思いつつもそれなりにハラハラしながら楽しく読みました。
    登場人物たちは、犯人とクズ上司以外は魅力的で、ほかの活躍も読みたいなと思わせる感じでした。

    最後らへんのポスターのくだりとか、残りの殺人の説明とか蛇足だと思う。

  • 事件は解決したけどほとんどの人が救われなかったのは果たしていいのか??

    面白かったけどかなり残酷なので好き嫌いはあるかな。あとはやっぱこれは事件解決と言えるのかどうか、っていう結末。犯人に出し抜かれっぱなしだったかな、と。

    海外の作品ってだいたい犯人の独白があるよね。そしてそれらがだいたいミスリードを誘ってるよね。あれがなんか海外の作品読んでいる感ある。
    あと海外の刑事さんはだいたい家族とうまくいってない。この二点はしっかり抑えられています笑

    2018.6.10

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