氷結 下 (ハーパーBOOKS M ミ 1-2)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596550408

作品紹介・あらすじ

DNAの持ち主は悪名高きサディストの殺人鬼ハルトマン。だが彼は人里離れた研究所に隔離されており、犯行は不可能なはずだった。そんななか裸で吊された男の惨殺体が渓流沿いで見つかり、現場からはまたもハルトマンの痕跡が! セルヴァズらは捜査を進めるうち15年前に起きたある忌まわしい事件と山間の町に眠る暗い秘密に辿り着くが、新たな犠牲者と共に予想を裏切る容疑者が浮上し……。

感想・レビュー・書評

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  • ピレネー山脈で起きた残忍な馬殺しを捜査するセルヴァスと、精神医療研究所にやってきた心理学者のディアーヌ。連続殺人犯ハルトマンを介して、両者は結びつく。果たしてこの山奥にはどんな秘密が隠されているのか。

    読んでるだけで寒い。。一方では、被害者側の暗い過去を探る謎解き部分があり、他方では異常な殺人犯達といわくありげな研究所の人々というサイコさんなハラハラ感がありで、色んな要素が詰まっています。合間にセルヴァスの娘マルゴへの心配、部下達との関わりやら不倫未遂やらが挟まり、どれもこれも展開が気になってどんどんページが進みました!

    そして最後。。ハルトマンといいエスペランデューといい、これ絶対続きあるやん!ジーグラーが出てきたら嬉しい(願望)。

  • マルタン警部と娘マルゴ(別れた妻と同居)の関係は面白かった 
    マルタン警部がイレーヌ大尉(←イレーヌのよさが全然わからん)に惹かれかけるのがウザかった 
    後半、エスペランデューの妻シャレーヌ(妊娠中)からkissをされ欲望に目覚めるマルタン警部は気持ち悪い 部下の奥さんですよ!コラッ
    マルタン警部を敬愛し、いつもおしゃれで村上春樹を読むgay(Bi?)のエスペランデュー 
    エピでエスペランデューとKleim162とのシーンが一番ぶっ飛んだわ
    スイスから来たディアーヌは孤軍奮闘 GJ! よく頑張ったね

    ディアーヌかエスペランデューが主人公ものを読んでみたいな

    名前がとにかく、ややこかった ドイツものより無理かも
    そもそも、女性で大尉ってのがイメージむずい
    普段ロマを読んでる私にはどうしても大尉=男性になってしまうw

  • 1月-6。3.0点。
    連続殺人に発展する事件。
    過去の出来事が鍵に。
    医療刑務所の凶悪犯は、出入りしているのか。

    うーん。意外と時間がかかった。
    犯人と思われた人物が、違ったりだけど、想像ついた感じ。

  • あらすじ
    馬、薬局店店主と被害者が増えていく。現場には、研究所に収容されている凶悪犯のDNAが。どうやら、店主たちは、4人で後ろ暗いことをしていたらしく、町全体に秘密が広がっている。警部セルヴァズは体調が悪いながらも捜査を進める…。

    面白かったー。でも、読み始めてすぐに不穏な雰囲気は伝わった。雪と氷に閉ざされたピレネー山脈、村。静かで閉鎖されて、沈んでいる。全体の4分の1までの被害は、馬だけだったけど、不気味に感じた。山っていうスケールの大きさな舞台や、凶悪犯の研究所で、どんな展開になるのか予想できなかった。これがデビュー作ってすごいな。どきどきした作品だけど、主人公のセルヴァズがまだ常識人で(多分。部下の妻が気になっているが)安心できた。

  • フランス南部、スペインとの国境近くのピレネー山麓の町を舞台にした警察小説。タイトル通りの、全体を覆う重苦しい空気と凍てつくような世界観がストーリーを支える。

    猟奇殺人タッチのオープニングだが、丁寧に描きすぎているのか上巻はスローペースで冗長気味。警察と憲兵隊の役割や位置付けもよくわからないので退屈しかかっていたが、下巻から一気に視界がクリアになった感じ。

    主人公のセルヴァズ警部は地味ながらも有能で、そのせいか困難な状況に振り回されるけれども、着実に事件の核心に迫って行くタフなキャラクター。嫌味がなくてフツーで、何より作中の雰囲気にマッチしているので、それが安定した読書に繋がったのかも。

    事件の背後に隠されたおぞましさを踏み台にして、クライマックスからラストへと劇的な展開が続く。警察小説としてもサスペンスとしても完成度が高いお話だけど、やっぱり上巻のスローペースが尾を引いたかな、結果的には可もなく不可もない評価になりました。続編はちょっと楽しみではあるけど。

  • クセのあるものが多いフランスミステリだが、これはわりに読みやすかった。サービス精神旺盛なエンターテインメントという感じ。異常犯罪者が収容された施設とか、シリアルキラーとか、道具立ては派手で、どんどん先を読みたくなる面白さがある。反面、焦点がぼやけた感じがなきにしもあらず、というところ。アメリカのミステリなら、ラストはもう少しホッコリした雰囲気だろうけど、そうならないところがフランス。

  • 上巻から少し時間を置いての読了。相変わらずするする読めて感嘆したが、一つ前に読んだミステリのことを思うと、翻訳者のおかげも多分にあるのだろうなあと再認識した。
    同シリーズの「姉妹殺し」から読み始めたため、一部人物のネタバレを知ってしまってはいたものの、本筋にはさして影響なし。犯罪グループと語らぬ被害者周りの設定は海外ミステリで割とよく見るステロタイプという感じで、ドラマの「トゥルー・ディテクティブ」なんかを思い出す。真犯人の大富豪は上巻の事情聴取?で出番の尺と人間的魅力を使い切ったようで、その後は容疑もかけられず出番がほぼなかったために、終盤の捕り物シーンはいまいち盛り上がらず、ただの記号的な犯人として処理されてしまった感がある。
    などと文句を垂れはしたが不思議と面白く読めた。主人公周りの人物に好感が持てているのが大きいのだとは思う。次の作品をたどっていくのがますます楽しみ。

  • フランス作家のミステリ。舞台は雪と氷に閉ざされた冬のフランス・スペイン国境に横たわるピレネー山脈の山麓の町。標高2000mの水力発電所で、大富豪ロンバールの愛馬が惨殺されて発見された。ここから、ラストまで冷たく、鬱々とした雰囲気で物語が進む。上巻は、サラッと読んだほうがいいのかも、なかなか話が進展しないように感じたので。

    メインのセルヴァス警部を含め、魅力を感じる、ワクワクするような登場人物がなく、逆に悪役の方が魅力的?

  • クライマックスに至る前から事件の真相や真犯人の見当がついてしまい、割と平凡なミステリーだったという印象だが、常識に囚われないフランスらしい男女の色模様がキャラクターたちに人間味を加えており、シリーズものならではの群像劇を今後楽しませてもらえそうな予感と最強最悪な敵役が登場する期待を込めて続刊を手に取りたい。

  • まるで、某メーカーの酎ハイのようなタイトルで、中身はフレンチミステリー。
    凍り付くような季節・場所・事件に、スピードのある展開と緊迫感満載の場面の連続で、あっという間においしく飲み干してしまった。

    舞台は、暗い谷の奥に怪しげに佇む精神医療研究所と閉鎖的な町。
    雪と氷で閉ざされた水力発電所のロープウエイ頂上で、首を斬られた馬が吊り下げられていたという事件から始まる連続殺人(馬一頭含む)事件と、時代錯誤とも感じるほどの「治療」方法が行われる「研究所」の謎。
    入所しているのは最強のシリアルキラーたち、なかでも最強なのが知性と残虐性を併せ持つハルトマン。外に出ることが不可能なはずのハルトマンの痕跡が殺人(馬)現場に、…。

    運動音痴(でも体力勝負)のセルヴァス警部とクールビューティでパーフェクトなイレーヌ大尉のコンビによる捜査と、研究所に着任したばかりの心理学者ディアーヌが体験する研究所の出来事が交互に語られ、飽きる暇もなく進む。

    しかし、やっぱり主役の刑事さんは離婚している……。
    ヨーロッパの警察は過酷な職業で、優秀であればあるほど家庭との両立ができないってこと?それとも性格的にクセの強い人しかなれないの?
    ちょっと、日本人のヒーロー像と違っているかなー。

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