アルバート、故郷に帰る 両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと
- ハーパーコリンズ・ジャパン (2016年9月24日発売)
本棚登録 : 95人
感想 : 16件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784596552037
感想・レビュー・書評
-
最近うまく行っていない若い夫婦が、ヤーヤーヤーと鳴くかわいいアリゲーターをビュイックで故郷へ連れていくロードトリップのお話。
マッチョな男性向きの本かもしれない。奥さんのエルシーがバカで自己中で不満ばかり言うので、こんな人を好きになるホーマーも変だし、破れ鍋に綴じ蓋なのでは?わがままな美人はかわいいのか?知らんがな…という気分になった。
いつも自由な雄鶏とヤーヤーヤーの鳴き声や、途中に出てくる不思議な人たちは、面白くて楽しかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フィクションとノンフィクションを混ぜたファンタジー。ワニをフロリダまで連れて行く新婚カップル、その先々での思わぬ出来事。人間個人としての成長、お互いを思い遣るカップルとしての成長、読んでいくに連れて私も人間としてひとまわり大きくなった錯覚に陥る。もっと前に読んでたら人生変わったかな〜とも思える作品。子供と読みたいし人としてどうありたいかを指し示してくれる。読んで良かった❗️
-
嘘みたいな本当の様な物語。
何と無く買って読んだら本当に楽しくスルスルと読んでしまった。他の方のレビューで読み終えられなかったとあったが、薦められて読む様な本ではないと思う。
なぜかこのタイトル、副題が気になった時、毎日変わらない生活に疲れた時にオススメかも。 -
若くして結婚した二人が旅で様々な出来事に遭遇し、自分のいるべきところを見つけ出すロードムービー物。
かなり面白く読めたが、遭遇するたくさんの奇想天外なエピソードに興醒めすることもあった。やり過ぎじゃないかなと。
それにめげさせずに最後までぐいぐい読ませたのは、ワニ、雄鶏、旦那さん、奥さんの描写が秀逸で、それぞれが物語に欠かせない役割を持っていることにあると思う。
子供だけどいざという時助けてくれたワニ、神のように俯瞰して世界を見ているかのような雄鶏、真面目で誠実でたくましい夫(作者の父)、何より奥さん(作者の母)の生き生きとした描写には、読んでいて何度も笑顔になることができたし、頭の中に色々な場面の情景が何度も浮かんできた。
しょうもないと思う部分は確かにあったが、そのあたりはとても素晴らしいと思う。 -
何のおすすめで読もうとしたか忘れたけど思ってたのと違った。途中であきらめた。
-
…ここに来てみたらば、存外高評価でビックリしました(笑)
合う合わないの違いかな…。
優しい文章でサクッと読めてしまいます。
(児童文学かと思っていました!)
年寄りが、若い時分のやんちゃぶりをハデに脚色して
語った中から教訓めいた部分を放りだす様な作りです。
勿論素敵な部分も沢山在ります。
時間は誰かにあげられる最高のプレゼント、なんて
ハッとさせられました。
似たような作りでも「卵を巡る祖父の戦争」とは
比べ物にならない。
…そしてなによりエルシーが奔放で我儘すぎて…
それが良いって云う方にはご褒美なのかも?
登場人物が好きになれない小説は駄目でした><
雄鶏&ホーマーは好きでしたよっ -
1930年代の米国。炭鉱の鉱夫のホーマーと妻のエルシーは、ペットのワニ、アルバートが大きくなったので故郷の川に帰してあげる旅にでます。
銀行強盗や労働紛争に巻き込まれたり、野球選手や看護婦になったり、スタインベックやヘミングウェイと知り合ったり、まさに波乱万丈。アルバートの帰る先はどこ?
なんとも奇想天外なお話。楽しめます。 -
結婚祝いにもらったワニのアルバートと住みやすい故郷のフロリダに帰すため、ヒッカム夫妻は旅に出る。
-
読み終わるのがさみしい、と久々に思えた作品。
ペットのワニ、アルバートとさよならする旅のはずが、破天荒な脱線の連続...アルバートは球団のマスコットになったり、映画に出演したり...で、湿っぽい別れの予感はどこへやら。ヒッカム夫妻の思惑も(それに職業も)刻々と移ろって落ち着かず。アルバートを本当に手放すのか (手放さないでほしい!)も含め、ギリギリまで結末が読めません。
しっくりいかない夫婦関係と、その鍵を握るアルバートに寓意を読み取ることもできそうですが、実話に基づいているというからニクい。
アルバートの一挙一動と「ヤーヤーヤー」(鳴き声!)に和み、小気味好いジョークに脱力し、最後はホロっとさせられる......深読みはさておき、物語の純粋な「楽しさ」に肩までつかる、贅沢な小説です。 -
「21世紀になってこれ以上面白い小説は書かれていないのではないか」
帯にもなっている、訳者あとがきの言葉だ。
ここまで言える作品を送り出せるとは、何て素敵なことだろう。
言葉通り、とても面白かった。
しかし、タイトルやあらすじから思い込んでいたラブコメ系エンターテイメントではなく、胸の深いところに沈み込むもののある作品で、読み終えてからずっと思い返して考えている。
私はてっきりほとんど事実を基にしているのかと思い込んで途中まで読んでいたのだけど、これは「結婚」についての寓話なのだと気づいてはっとした。
パートナーとの生活は穏やかなだけじゃない、本当に旅に出なくても、ワニとニワトリを連れて旅に出るくらいのことも、あるよね。あるある。
大好きな「ロケット・ボーイズ」と同じ著者の描き方はさすがで、最後の締めにはグッと来た。
何度も読み返したくなる作品。 -
偶然手にした一冊。奇妙なタイトルと表紙の絵が気になって読んでみた。著者(知らなかったが著名な作家らしい)の両親の若い頃の破天荒なエピソードで、どこまで本当でどこからが作り話なのか分からないが、スタインベックやヘミングウェイも出てくる。大恐慌の6年後の1935年に自動車で1000kmの旅をするというのは、相当の大冒険だったのだろう。長編のロードムービーのようで、(アメリカ小説をそれほど読んでいないにも関わらず)いかにもアメリカ小説という感じがする。「両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと」というのがサブタイトルだが、その「大切なこと」をどう理解するかは読み手次第といったところか。かなりの長編(450ページあまり)だが、一気に読んでしまった。
