6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む

  • ハーパーコリンズ・ジャパン (2017年6月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784596552068

作品紹介・あらすじ

本を愛するすべての人へ。

フランスで26万部突破、
36カ国で刊行のベストセラー小説

彼は今日も朗読する――死にゆく本を“天国”へ送るため。

パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、
本を〝死〟へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。
生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して〝往生〟させるのが日課だが、
憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める――。

読後きっと、いつもの景色が違って見える。
人生の葛藤と悲哀、希望を描いたベストセラー小説。

みんなの感想まとめ

人生の葛藤や希望を描いた物語が、日常の中に潜む小さな出会いによって変わっていく様子を描いています。主人公のギレンは、本を断裁する工場で働きながら、通勤電車の中で本を朗読する日々を送っています。彼の地味...

感想・レビュー・書評

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  • ブクログレビューを拝見して知った本。
    そうでなければ絶対に知り得なかっただろうし、手に取る機会も無かっただろうから、いつものことだが本当にブクログレビューはありがたい。

    私は翻訳物は苦手なのだが、それでもここ数年は結構トライはしてきていると思うし、最近の翻訳者は昔の翻訳者より上手いのか、だいぶ読みやすくなってきていると思う。

    本書は登場人物が少ないのも良かったし、翻訳も読みやすかった。
    物語の内容の印象は、一言で言えば、「変わってる」。
    主人公ギレンの職場環境の劣悪さ、特に元同僚が機械に両脚を切断された時の会社の対応を読んでいると、ものすごく昔の話なのかと思いきや、舞台は2012年であることにまず驚いた。

    序盤の通勤電車内での朗読シーンではギレンは少し病気っぽいのかな?と思ったが、両脚切断したジュゼッペに対する秘密の作戦をやってのけているところや、老人ホームでのやり取りなどを見ていると、ちゃんと臨機応変に、柔軟に行動できる人だと知った。

    しかし、車内で拾ったジュリーの日記(USB)をひとりで読む分ならまだしも(それも嫌だけどね)、通勤電車で他人の日記を朗読するなんて!
    聞いてる人達にもジュリーの職場がどこだかわかっちゃうかもしれないし、日記に登場してくる人が乗客の中にいるかもしれないではないか!
    ネットで晒したり拡散したりするのと同じくらい、酷く罪深いことだと思うけどなぁ。

    ジュリーの日記の方では、トイレの個室でスイーツを食べることを至福の喜びとしているジュリーとおばさん。(ジュリーはやってみたのは1回だけかも。おばさんは習慣化して週1でやっている。)
    現実の日本でも、かなり昔、社会問題として、ワイドショーを観ていた頃に耳にしたことはあるが。
    普通の感覚で言わせてもらえば、到底受け付けないわ。

  • 本の断裁工場で働くギレン。
    ショッピングモールのトイレで働くジュリー。
    誰もがやりたいと望むようなものではないが、誰かがやらなくてはいけない大事な仕事。その仕事に取り組む日々は華やかで明るいものにはなりにくいだろう。何かを生み出す仕事には、未来へと向かう希望が感じられるけれど、何かを壊し捨てる仕事はそうではない。

    以上、訳者あとがきより抜粋。

    これは、パリの日常を舞台にしたラヴストーリーです。
    ギレンは地味で目立たない青年にみえますが、小さなものや(たとえば飼っている金魚)友人を大切にする、心優しき青年です。
    ギレンは、毎朝、通勤電車の中で本の朗読をしています。
    ジュリーという見知らぬ、28歳の女性が落としたジュリーの日記の入っているUSBメモリーを拾い、それをギレンのファンだという老姉妹に頼まれた老人ホームで朗読するようになります。老人たちからは拍手喝采がおこります。
    ジュリーの日記は主にトイレの清掃の仕事についてのあれこれで、ジュリーはちょっと皮肉屋ですが、明るくて活発な女性だということがわかります。
    そして、ギレンは見知らぬジュリーをなんとか探し出そうと動き始めます。

    途中からギレンに「頑張れ」と声援を送りたくなりました。
    ギレンとジュリーの出逢いは風変りにみえるかもしれないけれど、とても素敵だと思いました。
    二人の未来に幸あれと思いました。

    • まことさん
      タイトルの本という言葉に魅かれて読んだのですが「世界36カ国で刊行のベストセラー」だそうです。作家さんはヘミングウェイ賞も受賞されているそう...
      タイトルの本という言葉に魅かれて読んだのですが「世界36カ国で刊行のベストセラー」だそうです。作家さんはヘミングウェイ賞も受賞されているそうです。
      内容もよかったですよ(^^♪
      2019/08/06
    • くるたんさん
      まことさん♪
      こんにちは♪

      まことさんのレビューから手に取りました♪
      素敵な作品でした(*≧∀≦*)
      最後の手紙がものすごく良かったです♪...
      まことさん♪
      こんにちは♪

      まことさんのレビューから手に取りました♪
      素敵な作品でした(*≧∀≦*)
      最後の手紙がものすごく良かったです♪
      ほんとうに二人の幸せな未来を願いたくなりますね♪
      2019/08/24
  • じんわり静かに沁みてくる、素敵な物語だった。

    ちょっとした言い回し、言葉の紡ぎ方がすごく好みでとにかく読んでいて心地よい。

    毎日をギリギリ正常値で生きているような一人の青年の物語は決して楽しいとは言えない労働、日課のような朝の通勤電車での朗読、と…ただ単調な毎日が綴られていくだけ。


    だけれど、電車で本を朗読することに込められた思い、彼なりの本への思いが次第に姿をあらわす。そして彼の友人への想いを知った時には思わず涙腺が緩むほど…。

    そしてそんな彼の日常が一つの落し物との出会いから変わり始める。

    それはまるで花茶がゆっくり花開いていくのをゆっくり眺める感じ。

    きっかけはいつだってすぐそばにあるのかもしれない。

    文字が繋ぐ縁、言葉に宿る心…そんなことを感じさせてくれたラストがたまらなく良かった。



    こちらのサイトでなければ出会えなかった作品。
    出会いに感謝です。

    • まことさん
      くるたんさん♪
      私もこの作品は偶然、知っただけなのですが、そう言っていただけると嬉しくなります♪
      ギレンはいつも、本の破壊とう仕事をして...
      くるたんさん♪
      私もこの作品は偶然、知っただけなのですが、そう言っていただけると嬉しくなります♪
      ギレンはいつも、本の破壊とう仕事をしているから、逆に本をとても大切にしているのかもしれないですね。
      ジュリーも人の嫌がる仕事をしている女性だし、本当に幸せになって欲しいです。
      2019/08/24
    • くるたんさん
      ほんとうに…。
      誰かがやらなければいけない大事な仕事。そこにも感謝の目を向けたいです♪
      ほんとうに…。
      誰かがやらなければいけない大事な仕事。そこにも感謝の目を向けたいです♪
      2019/08/24
    • くるたんさん
      kanegonさん♪
      うん、良かったですよーー♪♪
      パリの街、雰囲気を知り尽くしてるkanegonさん♪はもっともっと味わえそうですよ(⁎˃...
      kanegonさん♪
      うん、良かったですよーー♪♪
      パリの街、雰囲気を知り尽くしてるkanegonさん♪はもっともっと味わえそうですよ(⁎˃ᴗ˂⁎)
      図書館本だったけど装丁素敵だし、私も購入して手元に置きたいぐらいです(⁎˃ᴗ˂⁎)
      2019/08/25
  • ブク友さんのレビューで知り、美しい表紙の写真と想像力を掻き立てるタイトルに惹かれた
    地元の図書館には無く、Amazonで手に入れ、ずっと寝かせていたが、図書館が閉館になり、読む本がなくなってしまい、満を持して開いた

    この中には、いろんな形の本や文章が登場した
    役目を終えたり、売れ残ったりして工場で断裁される本、断裁機のツェアシュート500に飲み込まれる間際に飛び散って生き残り、ギレンが電車の中で朗読する数ページの紙片、ギレンの数少ない友達のイヴォンが朗詠する戯曲、ギレンの心を掴んだ赤いメモリースティックに保存された70編の文章、そしてジュリーに自分の思いの丈を打ち明けたギレンの手紙

    その中でも、ギレンがジュリーに宛てた直筆の手紙は最高だった
    ずっと日本の作家さんの本ばかり読んでいたせいか、なかなか手強い。表現を味わい読めばいいのだが、どうしても回りくどい(ごめんなさい)と感じてしまう
    翻訳本特有の表現はやはり苦手だなと思いながら読んでいたが、最後化粧室接客係のジュリーに会いに行き、手紙を出すあたりから、(本当に最後の数ページになって) 一気に胸が踊った
    この最後の感動のために、それまでの少々退屈な文章はあったのかもしれない


  • ギレンと同じ電車に乗り合わせてみたい。
    きっと今見てる景色が少しだけ変わる気がする。

  • これまたこのサイトで知ったフランスの作品。
    この手の作品はまず自分から読もうと思うことはないので、レビュアーさん方に感謝。

    本のリサイクル処理工場で働いているギレンは、前日に機械に取り残された本のページを拾って翌朝通勤電車内でそのページを朗読するという生活を送っている。
    そんなギレンがある日、電車のホームで二人の老婆に声を掛けられたことから型に嵌った生活が少しずつ変わっていく。


    上司に怒鳴られながらやり過ごす工場の仕事、毎朝吐き気を感じながら通勤するという、最初はいわゆるプロレタリア系の苦しい話なのかと思っていた。
    工場内の事故で両足を失った元同僚の『足』を探すために吐いた嘘、電車内で偶然見つけたUSBメモリ内に記憶された小説とその持ち主探し…。
    これらの行方がどんな結末を呼ぶのかとハラハラしながら読んでいたが、意外な方向だった。

    誰もが何かしら抱いているコンプレックス、仕事への不満や鬱屈、将来への不安、判で押したような毎日への閉塞感。
    それらが老婆たちに声を掛けられ、老人ホームでも朗読をするようになってからは少しずつギレンの世界が開けていく。

    また自分の『足』が見つかる電話を待つだけ、そしてギレンがやってくるのを待つだけだった元同僚のジュゼッペにも新しいやり甲斐が見つかるし、守衛の詩人・イヴォンも守衛内で詩を詠うだけではない、新しい場所が見つかる。
    それからUSBメモリの持ち主にも。
    USBメモリの持ち主からの物語もなかなか魅力的だった。こちらを中心にしても良かったかも知れない。

    フランスの作品というとどうもオシャレでとっつきにくいイメージがあったが、訳者さんの技量の所為もあってか読みやすかった。
    毎朝電車内で様々なページの朗読をするという、ちょっとびっくりな日課で近寄りがたい人なのかと思ったらそうでもなく、どんな街の片隅にでもいそうな青年が彼なりの方法で様々な人と寄り添い受け入れられていく過程はホッと出来た。

    読み終えれば爽やかな物語だった。
    毎朝電車で乗り合わせるたくさんの乗客たちそれぞれに、それぞれの人生、物語がある。

  • 毎日決まった時間に決まった電車の席に座り、書類ケースから1ページ分の書面を取り出して朗読をする男、ギレン・ヴィニョール。

    この主人公の仕事は、古本や売れ残りの本を破砕機で裁断溶解し“再生紙”として蘇らせる工場で、「ツェアシュトー500」という名のモンスター機械を管理すること。
    朝、電車で朗読するのは機械の中で生き残ったページ

    本好きな人にとって耐えられない毎日を和ませるのは、工場の守衛で友人で吟遊詩人と自宅のルジェ・ド・リールという名の金魚、事故で両脚をなくした元同僚。

    そんな彼が出会った二つの出来事
    ひとつは電車で拾ったUSBメモリー
    もうひとつは同じ電車に乗っていた老姉妹

    子を持つ親であれば一度はあったこと
    子を寝かしつけるのに読んであげていたのにいつのまにか心地よく寝入っていたこと。
    “朗読”
    案外聴くより読んでいる方が心地よい

    ユーモアを交えながらギレンの毎日を描く。
    最後がいい物語は、気持ちがいい。

  • 本の裁断工場で働く青年”ギレン”の日常と恋が描かれた小説。表紙の美しさ、タイトルに惹かれて手に取りました。フランスではベストセラーになったそうです。

    本を裁断する仕事に胸を痛め、毎朝助かったページを朗読する心優しいギレン。不器用だけど、善良で個性的で愛らしい人達が活躍するストーリーは、映画「アメリ」や「リトル・ヴォイス」を連想させます。

    彼らのユニークさに最初は戸惑いがありましたが、仕事や人間関係の煩わしさに共感する部分があったり、どことなくファンタジックなのも手伝って、気づいたら応援していました。ギレンの行動は、その殆どが優しさからなので、幸せを掴んで欲しくなるのです。

    華やかさは無いけれど真面目で優しい人達に、スポットライトがあたる物語で、明るい気持ちになりとてもよかったです。

  • 題名と、表紙の写真の美しさに惹かれて買いました。
    何度もじっくりと咀嚼して味わいたいような、そんな言葉がいくつも散りばめられた、素敵な小説でした。

    主人公はじめ、登場人物は皆、どこかにコンプレックスを抱えていて、一風変わった個性の持ち主ばかりなのですが、読んでいるうちにじわじわと愛着が湧いてくるというか…。

    ギレンやジュリーの思いの中に、自分と共通するものを発見しては、共感しじんわりと温かいものが込み上げました。
    読み終わったあと、とても爽やかな気持ちになる小説です。

  • じんわり、ゆっくりと心が温まる物語。
    哀しくもあり、腹だたしくもあり、おかしくもあり、愛おしくもある。
    綺麗な表紙に惹かれて手に取ったけれど、想像していた以上に素敵な作品でした。

  • 日常のような、非日常のような…
    普通ではないところのある登場人物たち。
    先が予想できず、どうなるのかが気になって、通勤電車の中で読了。
    独特な雰囲気のある、不思議な話だった。

  • ファンタジーの様な雰囲気がいしいしんじの「トリツカレ男」に通じる暖かさを醸し出していた。ジュリーの日記の一節が胸に残る。「人は見た目で物事を判断する、中略、だから今は、他人から変に思われないよう、自分を装う」疲れた時の大人の為の童話の様だった。

  • 献本に応募していただいた本。

    本の断裁というものがあることはもちろん知っていたけど、断裁工場というものを具体的に思い描いたことはなかったので、ちょっと意表をつかれた。

    「本を読む」が朗読だったことにも意表をつかれた。
    訳者さんもあとがきで書いているけど、これ奇矯な行動ですよね(笑)。けっして感動的な行為とは言えないような気がするんだけど、その朗読をたのしみにしている人たちがいたり、そこから人の輪が広がっていったりするところがいい。

    主人公は、けっこう知的で繊細な感情の持ち主のように見えるけれど、本の断裁というとてもストレスのたまる職場にいて、仕事がいやでたまらないのに、一向に抜け出せる様子もないあたり、ずいぶん閉塞感がただよってる。でも声を出して読むという行為でそこにほんの小さな穴をうがっていくところがいいなと思いました。

  • とても静かに進んで行く物語。なるべく目立たないように生きてきた主人公。毎朝決まった電車に乗り、様々な本の1ページずつ朗読する。とても文章を愛しているのに毎日何万という書籍を破棄する職業に凄くストレスを感じ毎晩飼っている金魚に話しかける日々を過ごす。また、彼はある理由から友人の為に本を集めている。集める理由が彼の心の温かさを示している。ある日電車で散文を収めたメモリースティックを拾ってから、灰色だった彼の人生が少しづつ色付き始める。最後の章は本当にすごく素敵だ。良い本に出合えたと思いました。

  • 181123*読了
    本が好きなのに、本の断裁工場で働くって日々苦しいだろうなぁ。発想が豊かで、みんなどことなくおかしい人達。
    足が断裁機によって切られてしまって、その時に溶かしていたパルプで作られた本を集めている元同僚とか。
    電車で毎朝、本のある1ページを朗読されたら、最初は怖っ!って思うだろうけど、確かに楽しみになるかも。笑
    ショッピングセンターのトイレの接客係をしている女性は、その日々を綴っていて、ところどころ彼がそれを読んでくれるのもおもしろかったです。
    最後は急にロマンスっぽくなって、あ、そうなるのねと思いました。

  • 孤独と閉塞感のある生活を送り仕事にも嫌悪感を持っている主人公ギレン。でも、ごく少ない人との関わり様が、彼の善良なこころを表していて心惹かれた。本の裁断をする機械ツェアシュトー500は怖ろしいモンスターのようだ。良質なアニメ化希望。

  • たっぷりとミルクを飲ませてもらって満足してる赤ん坊のような

  • 献本企画で知った本
    (応募したけど当たらなかったけれども)

    どんな内容か全く知らずに読み始めました。
    変わった人々が出てきて驚きの連続でした。
    始めは読みづらかったけれど、途中から意表をつかれ
    その後は先へと読み進めやすくなりました。

  • タイトルに惹かれて図書館からレンタル。

    主人公の性格的にこだわりの強かったり、数字を数えているところ、電車の中で突然スクリプトの朗読を始めたりするとこらから、自閉症のようなギフトを持った方なのかなぁと思い読みました。それが差別的とかどうということではなく。性格的なものという印象です。
    大きな起伏はなく、淡々と、むしろ少し鬱々とした日々が絵が描かれる。
    でもそれは呼吸のようにゆったりとしていて、ギレンの日常なのだなあと感じられる。

    本が好きで本を愛しているのに、それを断裁しなければならない背徳感。
    仕事だと割り切ることが出来ないギレン。
    不器用で、でも人らしくて愛おしい。
    元同僚のジュゼッペに対する思いやりや、度を超えた優しさもきっとギレンだからできることなのでしょう。

    人の日記を読んでしまい、ひっそりと想いを寄せるギレンは純粋のようだが、それを電車で読み始めた時はドキドキしてしまった(笑)
    最終的にはロマンスに発展しそうなところがフランスっぽくて素敵だなと思った。
    ジュリーの日記は、たしかに格言というかハッとすることが書かれていて、思わず頷いて読んでしまう。
    ギレンじゃなくても読み込んでしまう。
    し、そこから職場を絞り込んだジュゼッペの執念たるや。
    もしかするとジュゼッペはギレンのやっていることを少しは悟っているのかなと思った。

    物憂げで、ゆったりとした日々を描きつつも、少しの非日常が加わり色付いていく感じが夜更けから綺麗な朝焼けへと変化していく空の様で印象に残った。

  • 献本としていただいた本です。
    読み始めからいきなり、主人公ギレンに強い共感を持ってしまった。
    それは、自分の名前が嫌いなところ(笑)
    私も子供のころ自分の名前が嫌いで嫌いで。。。一文字を変えるとある野菜の名前になり、常にその野菜の名前で(つまりは、あだ名で)呼ばれた(笑)
    ホント、嫌だった。。。そんな過去を思い出し懐かしい気分になった。
    それはさておき、本の断裁工場で勤務するギレンが、断裁から逃れた本のページを取り置いて、早朝の通勤電車でそれを読む、いや、朗読する。そして、居合わせた人たちが彼の朗読に耳を傾ける。。。
    一見、かなり不可解な行動だけど、この物語の中でならそんな行動もしっくり来るから不思議だ。
    淡々とした日常の中で、ギレンの周辺にもささやかな出来事が起きる。周りの人物も個性豊かに描かれている。守衛のイヴォンが私の一番のお気に入りだ。朗読ひとつで煩い業者を黙らせ、老人ホームのシニア達を虜にした。どれだけ素晴らしい朗読なんだろうか??
    イヴォンの朗読をぜひとも聞いてみたいものだ(笑)
    どんな人生を背負っていても、どんな職種に就いていても、それぞれが淡々と生きていく一方でささやかな幸せを見出してゆく。
    大事なのは物の豊かさではなくて、心の豊かさなんだな。改めてそのことについて考えることとなった。

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