結婚という物語 (ハーパーコリンズ・フィクション)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン (2021年3月22日発売)
3.80
  • (2)
  • (8)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 164
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784596552143

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さと愛の変化を描いた作品は、自己中心的な一面を持ちながらも、他者との関係を深く考えさせる内容です。手紙のやりとりを通じて、愛が時の経過と共に揺れ動く様子や、感情の暴走が巧みに表現されてお...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 結婚して一年半ほどのアフリカンアメリカンカップル、これから二人の未来を描いていくというところで夫が冤罪で刑務所に。刑期は12年。あなたならどうする?

    妻のセレスチャル、夫のロイの手紙のやり取りの前半に加え、セレスチャルの幼馴染でロイの学友であるアンドレの視点も加わる。前半は正直ちょっとだらだらとしていて、なんどか読むのをやめようかと思った。セレスチャルの気持ちの揺らぎがつらい。
    が、後半は結構ページターナー。

    結婚の時に何か感じた違和感
    むりやりはめたジグソーパズルみたいな結婚だった
    お互い思い込もうとしてたけど、本当はこの人じゃなかった
    いやとか嫌いとか興味がないとか、そういうことじゃない。
    この人といるのが一番幸せなんだろうか?
    一番好きな人と一緒に生きているんだろうか?
    これからこのひとと一生を過ごしていくんだろうか?


    女としてセレスチャルにちょっとイラつくシーンもあるけど
    これは難しいよね

    オリーブ(ロイの母)の葬儀のシーンが凄く強烈。
    それがある意味決定打になって脳にこびりついてしまったんでしょうね、セレスチャル

    最後の手前は「え?あぁ、あっそうなの?」てなったけど、
    最後の最後で「あぁやっぱりね」ってなった。

    でも、いい(?)終わりだと思いました。私は。
    結婚は家族と家族のつながりだけど
    離婚が悪いことのように見られるのって、どうなのかな、と個人的に思う。
    結婚した人が、本当にお互いの一番なのかな?
    新たに出会った人ではなく、昔から傍にいた人
    心のどこかで、それが正しかったという気持ちがありながら、それを必死に押し込めながら無理する結婚なら、それをやめて心にしたがう離婚は一時的な痛みを伴うけれど、お互いがそうなら最終的には幸せな決定ではないだろうかとすら思ってしまう。
    サクセスフルな結婚ってなんなんでしょう?
    子供がいれば幸せになれるのか?愛って何なんだろう?
    結婚観や家族に対する考えって、自分が幼少期の時の親がロールモデルになっている部分も大きいと思う。そういう部分も、この小説では垣間見ることができる。

    お互いかっちりはまる人におさまって、うらやましさすら感じます。
    そんな読み方をしたのは変でしょうか・・・。

    もし冤罪という不幸が五年という結婚機関より長い歳月を二人にもたらしていなかったとして、この二人は幸せに暮らしていたんだろうか?
    私は個人的には、二人は結婚を続けるけど、形式的というか義務的だったんじゃないかと思う。続けるというか、やめれないというか。

    原題のアメリカンマリッジ、どういう意味が含まれるのかわかりそうでわからない。
    オバマ元大統領の"夏に読みたい本"リストで紹介された際には"An American Marriage by Tayari Jones is a moving portrayal of the effects of a wrongful conviction on a young African-American couple" と紹介されており、いまだに「黒人」であることで信じられないような扱いを受けることが少なくなく、セレスチャルとロイもその被害者であると。アフリカンアメリカンと一口にくくっても、その中でも階級の違いは大きく、成功し裕福な家もあるし、そうでない人も多い。


    因みに著者のタヤリ・ジョーンズさんはコーネル大学でも客員教授として一時期在籍されていたそう。現在は物語の舞台でもあるジョージア州のエモリー大学で教鞭をとっているそう。他の本も読んでみたいと思う。日本語訳は2023年時点でおそらくこれのみ。

    南部は全然行った事がないので、少し行ってみたい・・・違うアメリカを感じるんだろうな

  • みんな自分勝手。みんな自分のことばかり。
    相手のことを考えているようで、大事なのは自分。
    でも当然だ、人間なんだもの、生きてるんだもの。
    自分の生を全うしなくちゃいけないんだもの。
    誰も責められないけど、でもほんと、みんな人間だな。
    人間そのもの。

  • 手紙のやりとりによる時間の経過具合で、揺るぎ無いはずの愛に変化があらわれ、時には暴走した感情までを巧みに表現されており、読みながら「あぁ」とか「うぅ」と唸らされたのでした。

    正直ラスト(及びラスト前)の選択には理解が追いつかなかったけれども、そもそも結婚という物語は人それぞれの形があるのだからそれもそうだよな、と思い直し受け入れることとしました。

  • 生まれる愛、誓う愛、試される愛。ありふれた幸せな夫婦は、ある日夫にかけられた強姦の冤罪により、運命の試練にさらされ―2019年女性小説賞受賞、NAACPイメージ・アワード受賞、アスペン・ワーズ文学賞受賞。

  • 結婚という物語 タヤリ・ジョーンズ著 妻は冤罪の夫を愛せるのか
    2021/5/15付日本経済新聞 朝刊
    結婚、離婚、再婚をする。あるいは生涯結婚しない。いずれにしても、結婚という制度は一人の人生に大きな影響力を持っている。この小説は、アメリカの黒人の新婚夫婦に起こった冤罪(えんざい)事件を軸に、当事者とその周りの家族や友人の心の動きを、3つの視点から多層的に探り、結婚という制度に対する問いを投げかける。


    結婚してわずか1年半のある日、夫のロイが強姦の疑いで投獄され、懲役12年の刑が下る。妻のセレスチャルは夫の無実を信じつつも、次第に心が離れ、幼なじみの男友達アンドレと親密になっていく。先述の「3つの視点」とは、ロイとセレスチャルとアンドレのことで、それぞれの一人称、あるいは送り合う手紙によって進行していく。夫婦2人の視点に、第三者のアンドレの視点がからんでくる点が斬新である。

    無実の罪を信じる妻には、暗黙のうちに不変の愛と善人としての役割が求められてしまう気がするが、妻も自我を持った一人の人間である。辛い立場に置かれた状況の中で混乱し、揺れ惑い、やがて自分の喜びを見つけたいと願うこともあるだろう。裕福な家庭で両親の愛に包まれ、自由に生きてきたセレスチャルが、幼い頃から自分をよく知り、好意を寄せるアンドレと結びついてしまうことは、理解できる。しかしもちろん、良心の呵責(かしゃく)にも苛(さいな)まれるのである。

    決して典型的な物語展開にはならず、登場人物の葛藤が滲(にじ)み出てくる繊細な心理描写に惹きつけられた。そこには、人間のずるさも愛らしさも存分にある。どうすればいいのか、本当はどうしたいのか、愛はどこにあるのか。追いつめられながらも人生を進めるために、彼らは自問自答し、質問を投げ合い、時に爆発する。

    又、ロイとセレスチャル、そしてアンドレの、それぞれの両親の物語も詳細に描かれている点にも注目したい。アメリカの黒人家庭の数世代にわたる社会状況と意識変化を実感すると共に、被害者の証言だけで逮捕されたロイの現実がリアルに迫ってくる。白人警察官による黒人への不条理な暴力をきっかけに大きな広がりを見せた「Black Lives Matter」運動と結びつけずにはいられない。現代の社会制度の中で生きるということを根本から考えさせられる小説でもある。

    《評》歌人 東 直子

    原題=An American Marriage(加藤洋子訳、ハーパーコリンズ・ジャパン・2200円)

    ▼著者は米国の作家。米エモリー大学教授。

  • 一度借りて、少ししか読めずに返して、もう一度借りた本

    そういう本は結局、最後まで読めなかったりするのだけれど

    この本はだんだんおもしろくなってきて、

    特にラストは、こっちとくっついてほしくなくて

    でも、女性ってこういうところがあるよな、と思いつつ

    読みきって、ほっとした

全7件中 1 - 7件を表示

タヤリ・ジョーンズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×