ジェイン・エア (HQ Fast Fiction 2)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596742025

感想・レビュー・書評

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  • ベルギー、ブリュッセルなどを舞台とした作品です。

  •  親を亡くして親戚に引き取られたジェイン・エアは、叔母や従兄弟たちに辛く当たられ、やがて叔母の家を追い出されるようにして、慈善施設である寄宿学校に引き取られる。施設長は冷たい人間で、暮らしは辛かったけれど、それでも十年間の施設暮らしの間に教養を身につけた彼女は、家庭教師としての働き口を見つけて、学校を出る。雇われた屋敷で、変わり者の主人・ロチェスターに惹かれるようになったジェインだが、ふたりは使用人とその主人という関係。それにロチェスターには婚約者がいて……

     19世紀のイギリス人作家、シャーロット・ブロンテの代表作。その妹のエミリー・ブロンテが書いた『嵐が丘』とセットでこの本の存在を知ったので、こちらも嵐が丘のような暗いトーンのお話なのかと、勝手に思い込んでいました。読んでみたらぜんぜん違った! もっとずっと前向きで力強い話でした。

     私、船戸明里さんの漫画『アンダー・ザ・ローズ』がすごく好きなのですが(※しかしこちらは暗いシーンは本気で陰鬱なので、そういうのが苦手な方には強く勧めづらいです)、「アンダロの世界だあ」って思ってから「あ、違う、順番が逆だ」って思いました。アンダロのほうがジェイン・エアの世界なんですね。

     恋愛のための恋愛モノって、どっちかっていうと苦手ジャンルなのですが、社会とか格差とか、女性の自立とか、そういうテーマがしっかり描かれているから、素直な気持ちで読めました。そして面白かった。独特の信念を持っているけれど、それゆえに世間からは変わり者とみられてしまう男女。おたがいの立場と苦難を乗り越えて、やがて結ばれる二人……という王道のストーリーがいいなと思います。

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著者プロフィール

Charlotte Brontë(1816- 1855).

「2014年 『シャーロット・ブロンテ全詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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