夏の恋はミステリアス (MIRA文庫 EL 1-9)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
2.67
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596912992

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • オリンピックを間近に控えた馬術選手のレインは、会場となるカリフォルニアの峡谷でコースを下見していた。留守がちな政府高官の父、父の影に徹する母の背中を見て育った彼女は、決して母のような生き方はしないという思いを胸に、馬術にうちこんできたのだ。メモをとっていたその時、背後から何者かに襲われた。一瞬、男の姿が目に入り、地面に組み伏せられる。「ここで何をしている?」俊敏な動きに冷静な口調。そう、父の周りを囲むこの種の人々のことはよく知っている。訓練を受けた、特殊任務に就く男。どうして私を…。

    移動中の暇つぶし用に購入したので、特に期待はしてなかったけれど……あまりに安直なおはなしだった。
    ロサンゼルスオリンピックをベースにしてあるだろうとは思うけど、見事にオリンピック臭がしない。確かに馬術は花形スポーツとはいえないかも知れないが、あまりにも描かれているものが地味。と言うか、有り得ないだろうよ。馬だけでなく選手だってそうそう自由にならないだろうに、宿泊は女子だからモーテルとか、勝手に下見に行けるとか。挙げ句に誘拐を警戒するからってトレーラーハウスに宿泊とかね。
    普通は選手村にいなければならないんじゃないのか。
    なんかそのあたりだけで、ぐったりで、政府要人の娘なのに危機意識をまったく持たずに育ったとか、そういうところまで突っ込む気力は萎えた。

    うーん、なによりもヒーローもヒロインも魅力がなかったのが痛い。ヒーローなんかテンプレなテロ対策特殊部隊職員なだけで、彼自身の良さが伝わらない。確かに馬の扱いには長けているのかも知れないけど、だからといってそれがヒーローをグッと引き立てたかと言えば、そうでもなかったし。
    怪しげな仲間とか堅牢なトレーラーハウスとか小道具は目一杯なのに、それが生かし切れてない感じ。ヒーローの悲願の敵の存在もあまりにもテンプレで薄い。
    題材的にはもっと面白くなるはずなのに、全体に生かし切れずに消化不良、残念。

全1件中 1 - 1件を表示

エリザベス・ローウェルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×