ひと芝居 (MIRA文庫 GH 1-5)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596915245

感想・レビュー・書評

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  • ロマンス小説というジャンルを築いたジョージェット・ヘイヤーの異色作。
    男女入れ替えの変装もの。

    ロンドン社交界に現れた美貌のメリオット兄妹に社交界の視線は集中。
    まじめですがすがしい兄と、チャーミングで賢い妹のようだが‥
    ピーターと名乗っているが実はプルーデンスという姉と、ケイト実はロビンという弟の変装。
    父親である老紳士に率いられ、様々な国を転々として詐欺まがいに生きてきたのだ。

    プルーデンスは長身で腕も立ち、さっぱりした性格の若者にちゃんと見える!
    のだが、側近くに寄れば何だか色っぽく感じる男性も出てくる(笑)
    快活なロビンは、女装が大得意で楽しんでいるが、いざという時には力を発揮するいい漢ぶり。

    プルーデンスは男装を続けることに悩み、父親である老紳士の意図も疑う。
    満を持して登場した彼は、行方不明だった貴族と名乗る大勝負に出たのだったが‥?

    シェイクスピアの喜劇のようで、近年の作品のようにラブシーンが延々続くことはないです。
    時代設定がよくある年代よりやや古い、18世紀というのも新鮮。
    破綻しそうで破綻しない、それは心通わせるようになった恋人がちゃんと理想的に立ち回ってくれるから(笑)
    恋人たちの組み合わせと一癖ある話の展開が面白く、楽しめました。

  • 人を食ったような父親に皆が振り回されて
    まるでシェイクスピアの喜劇を見ているよう。
    ロマンスというより「老詐欺師、一世一代の大勝負」という感じ。
    秘密が少しずつ明らかになるので、最初の方はちょっと状況が理解できなかった。
    (途中であとがきを読んでようやく理解)

    登場人物皆があっさりサバサバ。
    決して単純な人物じゃないのでもう少し掘り下げて書いてくれれば
    ロマンス的な情緒も生まれたろうと思う。
    (特にヒーロー・ヒロインのロマンス部分。設定は好みなのに…)

  • 男女入れ替わりものだが、感情移入するロマンスとは違い、観劇するような感覚。

    アントニーとプルー、二人の脱出劇はかっこいい
    仕込み杖を抜き突きつける、緊迫のある描写といい、プルーを思う彼の行動といい、とても素敵だった。
    繰り人形が思い通りに動かなかったと、バラム卿…
    自画自賛の老紳士の行動に、困惑させられながらも、夢中になってしまった。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3217.html

  • ヒロインがものすごく魅力的です。ロマンス小説なのに意外なことに「媚びない女」を書かせたらヘイヤーは天下一品です。爽やかで、他の作家の追随を許しません。ジェーン・オースティンが始祖なら、ジョージェット・ヘイヤーはロマンス小説中興の祖。この小説でも他の作品でも「お約束」が見られますが、実は彼女が原典、という場面がたくさんです。

  • 最近のホットな場面(濡れ場)の多すぎる作品に飽いてしまっているせいか、ヘイヤー作品は却って新鮮。
    人を食うような父親にいらっとしつつも、彼がいなきゃ話にならん?w と思ったり。
    読後、彼がバカボンパパとかぶった。
    「わしはバラム卿トレメインなのだ」
    「わしはバカボンのパーパなのだー」

  • ロンドン社交界に現れた美貌のメリオット兄妹。彼らの秘密は身を隠すため性別を入れ替えた姉弟だということ。それぞれに恋する相手がいてちょっ複雑な関係だけれど危機に陥った時の男性陣(女装してても)が女性のために素早い行動ができるとこ。ユーモアと波乱に満ちた人生を歩んでる姉弟と老紳士。彼らと生きるには勇気と決断力が必要なようだ(笑

  • 3.8
    老紳士の掌で踊らされる人たち。
    プルーデンスとロビンの姉弟には好感が持てる。

  • とりかえばや In UK編  どうやら普遍のテーマらしい。
    G.ヘイヤーには常にひれ伏すのみ。

  • すごい企みの中で成長した姉弟が純粋というのも凄い話ですね。

  • 姉弟がメリオット兄妹に変装してロンドン社交界へ。父親は自称バラム子爵トレメイン、娘プルーデンスと弟ロビンが主人公。

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著者プロフィール

1902年、英国ウィンブルドン生まれ。1921年にThe Black Mothで作家デビュー。歴史小説やスリラー、ミステリと幅広い執筆活動を展開し、日本でも「悪魔公爵の子」(1932)や「紳士と月夜の晒し台」(35)、「グレイストーンズ屋敷殺人事件」(38)、「令嬢ヴェネシア」(58)などが訳されている。1974年死去。

「2023年 『やかましい遺産争族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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