- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596930972
感想・レビュー・書評
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いつものスーザン・フォックス
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ヒロインが健気すぎて、自分を抑えすぎ。悪役が存在するストーリーなのですが、その悪役のせいでヒロインは窮地に追い込まれ、村八分にされてしまい可愛そうでたまりません。ヒーローとの感情に再会してからの感情の描写には、何度も胸をキュンとさせられました。ヒロインもヒーローも2人とも辛い立場で、どうしようもない気持ちが盛り込まれています。スーザン フォックスは初めて読みましたが、他の作品も読んでみたくなりました。
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ウィラは人々の後ろにたたずみ、ひっそりと葬儀を見守っていた。育ての親だった叔父を送り、叔母の姿を一目見たら、誰にも気づかれないうちにさりげなく立ち去るつもりだった。だが、やがて参列者がざわめきはじめた。皆の冷たい視線が言う。交通事故で親友を死なせ、町から永久追放された女―あの“厄介者の黒い羊”が臆面もなく舞い戻ってきた、と。亡き親友の兄、ひそかに愛したクレイの瞳も憎しみに光っている。もしかしたらという淡い希望が消え、ウィラは唇を噛み締めた。私に着せられた濡れ衣は、5年経った今も晴れていないのだ…。
ずいぶんと簡単に嘘が通ってしまったものなのだなあ。死者が出ているんだから実況見分とかありそうなものだけど。それに一方の言うことだけで判断してしまうのは、あまりにも不自然だし。それでもヒロインの健気さは涙を誘う、いかにもHQらしくて。でもちょっと許しすぎな気がする。そうやって何でも自分で抱え込むからこそ、そういう事態になったとも言えるし、結局は事実が一番なわけだし。