草原の椅子 上

  • 毎日新聞社 (1999年5月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784620105994

感想・レビュー・書評

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  • 物語に引き込まれました。主人公たちと同年代の私には頷ける部分が多々あり、胸が苦しくなることしばしばです。下巻でどのような物語の展開があるのか興味深いです。

  • 約15年ぶりの再読。
    宮本輝の小説は、いわば上質のブランデーの味わいと言ってもいいよいか。
    阪神大震災後の街を舞台に、主人公とその親友との関わり合いを横糸に、様々な日常が淡々と進んで行き、やがて厄介な難題に直面する。
    そして、主人公たちは、しきりに日本の現状を慨嘆する。
    「一所懸命働いている人間から、だんだん、働き甲斐や、生き甲斐を失くさせていくのが、この日本という国や。」
    「人情の機微なんて知らないやつらが、国を治めたり、権力を握ったりしたから、この日本はここまで腐ったんだな。」

  • 知人から薦められ、よかった。
    素敵な大人になりたい。

  • 50代のオヤジ二人がメインのストーリー。色んな人が関わりこのお父さんたちの善人の行いでストーリーは展開する。日本の政治を批判したり、良い行いをしない人を批判する。自分達はかなりいい人のようだ。曰く付きの少年と陶器店の女主人が今後の展開にどう影響していくのか、どんな〆方になるのかが見もの。

  • 久しぶりの宮本輝

  • 宮本文学

  • 宮本輝作品の中で、好きな方に分けられる作品。
    異国の様子も魅力的に描かれているし、登場人物も好感がもてる。

  • 遠間憲太郎、50歳、営業マン、離婚し、社会人となる娘と暮らす。
    これまでの人生を後悔するわけでもないけれど満足せず、また今後の人生をどのように生きるべきか、自分が何を成して人生を終えるべきか、思い悩む。
    同い年の親友・富樫は自営業の社長。
    遠間と富樫は様々な人間トラブルと遭遇し、また貴志子という女性に出逢い憧れ、娘の弥生を通じて母親に虐待されて育った五歳の圭輔と出逢う。
    宮本輝は、本書執筆前、日本という国に対し憎悪を抱いていたとあとがきに書いており、その気持ちを遠間と富樫に代弁させているのだと思う。
    そして堕落した日本や日本人を再生させるには、とこれまた遠間、富樫、貴志子に考えさせている。
    彼らの今後がその再生への道で、本書はそこまでで終了。
    いろんな人間がいるなぁ、幼稚な日本人が増えてしまったのだなぁ、というのが感想。
    遠間と富樫のあらゆることに関するやり取りはまともなのだけど、正直、二人の頭の中を整理するのを手伝っているみたいでしんどい(笑)。
    あとがきを読んで納得しましたが。
    本書の前に「樅の木は残った」と「漆の実のみのる国」で命がけの自己犠牲の人々の物語を読んだせいか、どうも本書自体が軟弱に感じられて仕方なかったな。
    登場人物に語らせるのではなく、もっと読者に考えさせてくれても良かったか。

  • 錦秋と違ってサラサラ読めた 旅前の私の日本への思いと憲太郎の思いが同じだった

  • 読了日不明

  • タクラマカン砂漠に行きたくなりました。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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