黒龍の柩 上

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  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106601

感想・レビュー・書評

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  • 滅びるまで、生きる。生ききったという思いの中で、滅びる。それが男ではないか。
    なんとなく、そんなことを歳三は考え続けた。(352p)

    この前書評を書いた「草莽枯れ行く」の脱稿7年後、大作「水滸伝」連載開始前後にこの作品が出来上がっている。しかも、「草莽枯れ行く」と、相楽総三と清水次郎長以外は登場人物がかぶるのである。(2人は同作の主人公なので登場させないようにしたのだろう)だから、これも明確な日本版「水滸伝」なのである。

    新撰組、特に土方歳三という二癖三癖ある人物を中心に、今のところ山南敬介、近藤勇、沖田総司、勝海舟、坂本龍馬などが登場して幾人かは物語の途中で退場して行く。最後に「生ききって」退場するのが、土方歳三という仕掛けなのに、違いない。

    前巻では、その最後の前に一つの「夢」があったということを匂わせている。そこに「林蔵の貌」で語られたあの「構想」が述べられる。裏の幕末モノといってよい。もしかしたら、他の作品もリンクしているかもしれない。多分「水滸伝」を前にこの作品で幕末モノの集大成を図った感がある。と、いうわけで、期待して下巻へ。

  • 新撰組は本当に好きですね~特に土方の生き方が僕には魅力的で彼の短い生涯が本当に羨ましくさえも感じる。駆け抜けるには良い舞台だったのかもしれない。でも、一軍の将としてもっと大きな舞台を与えられたら彼はどんな活躍を見せたのでしょうかね?

    さすが北方先生といいたいところは、僕の中では新撰組のエピソードの中では一番嫌いな山南の脱走のところなんですよね!そのエピソードに至るまでの土方と山南のやり取りを誰よりも美しく描いています。この部分がなんとも言えずにいい!世代は違えど簡単に仲間を裏切る行為とはなかなか出来ないことです。その中でありえそうな物語を作っていただいたことに感謝をしたいくらい。

    上下巻合わせて800Pほどの大作ではあるが、頭の中に次々と飛び込んできた寝る間も惜しんで2日間で読破しました。エンディングは僕の一番望む終わり方で読み終わった頃には笑みがあふれていました!

  • 新撰組土方歳三を主人公として物語は進展。北方謙三氏によるものであり、男としての生き方が本筋にある。
    決して内戦状態にしてはいけないと行動していく勝海舟、小栗忠順、坂本龍馬。
    大政奉還となり、新撰組としてどうするのか。命をかけて、土方歳三はその生き方を探っていく。

  • 新撰組・土方歳三が主役。
    京都の池田屋事件から江戸に行くまでぐらいの話。

    土方歳三視線で新撰組の進むべき道、あり方を模索していく様が描かれている。それが、ミステリー小説風でどうしても先が気になってしまう。

    剣から銃へ。袴から洋服へ。価値観が目まぐるしく変わる時代に己の進むべき道を必死にもがきながら見つけていく男達。読み応え十二分。

  • 初めて読む北方作品。途中、勝海舟や坂本龍馬との交流が中心で新撰組の話とは少し離れてしまうが、前半の山南との友情や後半の近藤との訣別場面などは読み応えがある。下巻も期待。

  • 初の北方謙三である
    大好きな新撰組ものだけに面白い
    いや、作品の質も高いな・・・
    歴史感も一致しそうなのですが
    何やら幕府(徳川家)サイドに大いなる
    たくらみの気配があり、それに深くかかわる
    コトがあった土方歳三という設定が・・・フム
    面白い

  • いままで読んだ新撰組と、また違う目線でした。

  • 上下巻。

  • 新撰組好き女子は是非読むべし。壮大にして突飛なストーリーもあるが、とにかく新撰組や龍馬が格好良い!

  • 新撰組副長・土方歳三が主人公です。土方と山南総長の男の友情の描かれ方が良かったです。通説では反目し合っていた、とされるふたりですが。上巻で山南氏がさっさと退場してしまうのが彼のファンとしては残念(仕方ないですけど;)。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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