- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620106625
作品紹介・あらすじ
子を、親を-人生を抱きしめた、深い共感を心に刻む六つの物語。
感想・レビュー・書評
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親だから 子供だから 妻だから 夫だから 孫だから
祖母だから うまく言えないこともある。上手にあしらうことができず流せないことがある。素直に思った気持ちを伝えられたら、物語はおきない。
私のその中の一人だと、つくづくいやになるほど感じている。そんな私にもエールをおくる小説。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編6つ。
田舎で一人暮らしする親。そんな親のことを考える日が誰にでもくるのだろう。どうするか。
息子への想いを手紙に綴るのもいいけれど、どうせなら実際に話したほうがさらに伝わりそう。手紙でしか伝えられないそんなところにまできてしまったということか。
いずれもジンとくる話しだった。 -
子を持つ親目線の話が多かったが、まぁ面白かった。
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一つ一つの短編が胸にじんとくる物語で、共感したり涙ぐんだり、とても楽しめる小説だった。
以下、読んだ順
「小さき者へ」・・・私にはまだ思春期の子供がいないが、いずれ子どもが育って中学生になったときのことを考えながら、親の立場に立って読んだ。「おまえのおとしたものを一緒に拾ってやる」ことしかできない主人公の父親の姿に涙が出た。私も子どもが苦しんでいたら、きっと助けることができず、一緒に苦しむことしかできないような気がした。
「海まで」・・・去年76歳で亡くなった母のことを思い出しながら読んだ。この小説に出てくる「おばあちゃん」は何歳なのか分からないけど、うちの母のように独居老人であるが、うちの母のようには認知症はまだ始まっていない。久しぶりに会うおばあちゃんと一緒にお風呂に入りたがったり一緒に寝たがるミツルはちょっと異常に感じた。父方の祖母に対して、しかも同居でなくたまにしか会わない祖母に対して、そこまで親しくする孫の方が珍しい、というか、現実味がない。
「フイッチのイッチ」・・・親が離婚した子どもの話。私の親も私が中学生のときに離婚しているので、主人公たちの気持ちは少しは分かるような気持ちがするのだが、父親が母親と再婚したがっていると勘違いする田中圭祐には「そりゃねーだろ」と突っ込みながら読んだ。芹沢組が最初に山野にした意地悪(椅子の上に座って聞こえないふりする)っていうのは、子どもっぽくて、ありえない気がした。中学生が、そんなあからさまな意地悪をするか?転校生の椅子に居座るって、小学3年生か、4年生くらいの意地悪だよね??
「団旗はためく下に」・・・この話に出てきた佐々木という人は、次の小説に出てくる佐々木という人と同じ人かと思ったけど、違うのね。
「青あざのトナカイ」・・・失業した中年が主人公。萌えた。
「三月行進曲」・・・なんつーお人好しな主人公だろうと思った。こんな旦那さんをもった奥さんは気の毒だ。ジュンとケイジの関係は、腐的には非常においしいのかもしれないと思いながら読んだが、私はガキには全く萌えないので、どちらかというと主人公の少年野球の監督について妄想を広げて楽しく読んだ。 -
2016.8.16
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親子関係、特に父親に焦点を当てた6編の短編小説集。それぞれにすれ違ってしまう、子供の心理、父親の心理がよく描かれている。普段は忘れてしまっているが、大人もみんな昔は子供だったんだということを感じさせられた。特に、「小さき者へ」「団旗はためく下に」「三月行進曲」が心に残った。
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26/141
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小さき者、子供だけではなく父親も小さき者なんだなあ。
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子供と父親、子供と祖母、子供と離婚などのテーマで描いた中編集。まあまあ面白かった。