香乱記〈下巻〉

著者 :
  • 毎日新聞社
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本棚登録 : 67
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106786

作品紹介・あらすじ

他国を侵さぬ自立不羈の国。田横こそ天下の王となるべきだ。中国の人口を半減させ、なおやまぬ楚漢の激闘。虐殺をくりかえす項羽と裏切りを重ねる劉邦。ひとり信義を守る斉の田横は天下の衆望を一身に担いつつあった。英雄たちの挽歌、感動の最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • どうにも読みずらく時間がかかった。 この人の作品では「晏子」「介子推」は読みやすく、「孟嘗君」「楽毅」そしてこの本が読みずらかった。 時代としては春秋時代が舞台なのがOKで、戦国時代ものがNG。 時代背景が主人公の主張に同調しているから読みやすく、浮いている時代がNGなのか。 もちろん私の感情がそう感じているだけなのかもしれないが。

  • 宮城谷さんの描く英雄像は晏子を除いて理解出来た試しがない。

  •  ラストを、日本人的だなぁ、と感じた私は、中華を誤解しているのだろうか。<br>
     たぶん、日本人を描いた作品であれば、何も違和感はなかったと思うし、この人の作品であれば、それもアリだったとは思うんだけれども。宮城谷昌光の描く中国ではない、という気がしてしまったラストでした。「死んで滅びず」みたいな発想は、実は日本人固有のもの(そんなものがあるか、という突っ込みはなしで…)じゃなくて、『史記』に昵近した日本人がそこから育んだものなんだろうか、とも考えてみる。納得はし難いけれども。<br>
     項羽と劉邦を描こうとしながら、中心に田横を据えるという発想は、やはり宮城谷昌光、だと思う。けれども、中心に据えた以上はきちんと中心に置いたまま描いて欲しかった、というのが正直なところで、作品前半で話の中心がフラフラとぶれ続けたことが残念。歴史の中心点をややずらす、というのはこの作家の得意な描き方だと思っていたので。以前の作品では、必要なときに必要な解説を加えて、尚作品のテンポを落とさない上手さが感じられたのだけど、今作前半ではそれがなかった。後半に来て回復したように感じられたので、これが連載小説の怖さだろうか。

  • 香乱記の最終巻を読み終えました。感想ですが、正直この巻での読みどころは、田横が兄たちの思想を想い、洛陽直前で自殺する場面のみでした。
     香乱記では、項羽や劉邦を人格的に低くとして、田氏兄弟の歴史的評価を覆そうと作者は、したかったと思います。しかし、夏姫春秋のようにはうまくいかず、贔屓の引き倒しになってしまった気がします。
     ですが楚漢春秋に於いて語られることの少ない、斉という国の動きを知ることが出来たので、そういう意味では良い作品だったのかなと思います。

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プロフィール

1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『呉越春秋 湖底の城』など多数。また『風は山河より』など日本の歴史に題材をとった作品もある。

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