抒情的恐怖群

  • 毎日新聞社 (2009年4月20日発売)
3.42
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784620107387

感想・レビュー・書評

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  • 日本独特の、じめっとしていて、不可解、はっきりとしない恐怖の短編集。

    『呪い田』『樹下譚』『緋の間』が好み。
    でも、『緋の間』は怖すぎた…

    この作家さんを知らなかったけど、図書館に他の作品もあったから読んでみたい。

  • グレー・グレーと呪い田が良い。後半3つはつまらなかった。

  • ぎゃー怖かった。夢中で読んだ。全部よかった。
    「町の底」「帰省録」が特に好きだったかな。視点の持っていき方、語り口、情報が出てくるタイミングが絶妙。もちろん話自体怖いけれど、ついつい引き込まれて先を追わされる文の構成がこころにくい。言葉の使い方に惚れ惚れする。自由自在に踊るように美しい、しかも読みやすい文だった。
    久しぶりに読書で夜更かしをしてしまった。

  • 再読。

    タイトルの「恐怖」よりも「抒情的」の方が強く感じられる短編集。グロいのはグロいし、ホラー要素もあるのだが…。作者のゴシック論をまとめた「ゴシックハート」「ゴシックスピリット」にて綴られる物悲しさの要素も強く出ているように思う。
    設定は良いのだけど、蛇足と感じる部分があったり(悪い意味で)予想外の展開に続いて長く感じたり…もある。

    「町の底」
    とある町に伝わる皮剥男の都市伝説について。調査の末に出てきた陰惨な子殺しの歴史と人喰いの伝説。町の地理についての説明が長く文章がちょっと読みづらい

    「呪い田」
    次々と連鎖する不幸と不審死、土地の呪いについての考察。「残穢」のように連鎖する呪い、不審死のバリエーションも広く不条理ホラーとしては結構好き。途中から考察がこじつけ感もあるな…と思ったが、ラストの展開的に信用出来ない語り手かもしれないと思うとそれも味。

    「樹下譚」
    タクシー運転手が語る、幼少期の奇妙な記憶と夢に出てきた美しい少女。作中でも語られたが乱歩や鏡花の作品を意識したか。幼少期の、婚礼の日に屋敷内で色とりどりの着物で着飾らせた子供達を自由に遊ばせる光景は雅で艶やか。仏前式の胡蝶のようだなとも思ったり。オチとしてはホラーというよりも異形との恋物語として落ちる。

    「グレー・グレー」
    死者が意識を保ち動き回る奇病が蔓延した世界を描くゾンビもの。こちらも、死を受け入れられず攻撃的になる死者こそいれど生前の意識を保った死者も多く、事故死して尚意識を保った恋人と共に暮らす男の切ない恋愛ものになる。ホラーではないが好きな作品

    「影女抄」
    サディスティックを超え猟奇的な性的嗜好を持つ同性愛者の女の話。グロテスクではあるがホラー…ホラー…?2人だけで満たされる完結した関係性なら良いような

    「帰省録」
    ふと思い立って帰省した故郷。何気なく思い出した過去の陰惨な事件と、事件現場で肝試しついでに行った「願掛け」の記憶。願掛けの結果、対価のように命を落とした仲間たち…と、ここまでは定番だが、オチは迷走。「もの狂い」としての突然起こる強烈な衝動についての描写はとても好きなのだが…結局、願掛けの対価としてパラレルワールドに飛び家族に危害を加える存在になる可能性があるものに選ばれた、という事なのか?

    「緋の間」
    久しぶりに再会した友人の体験談。とある屋敷の電子機器の無い部屋に2週間留守居するだけで高額な報酬を与える、という不可思議なバイトをした男。世話係の美しい女と閨を共にする中、身体に異変を覚え…身体から切り離された「それ」はバイトが終わり日常生活に戻っても現れる、という所までは良かったが、唐突な「友人」の消失から身重の妻の不審死へと続くオチは蛇足かなとも思う。

  • ホラー短編集としてはまあまあ、といったところ。恐怖よりも日常の中で「何かが、少し変」から異様な世界へと足を踏み入れる、という展開が多い。一つ、二つぐらいはそれなりに「おお」と思える作品があったが、パッと目立った作品がなく自分とは合わなかった。

  • 2022/8/24

  • 「樹下譚」「グレー・グレー」がお気に入り。特に後者、終末世界での主人公じゃない一般人の日常、恋愛の先行きの見えない哀しさというか、そういう新しい視点、気持ちになれたのがとても良かった。ひとの感想を聞いてまわりたい気持ち。

  • 暗くてじわっとした短編集。
    ホラーというよりダークファンタジーに近い印象。
    好みには合わなかったが、好きな人は好きな作風だと思う。

  • 怖いというより不気味。暗い。こういうホラー好きだな。
    帰省録が一番気になった。あの結果になったということは一体なに書いたんだ?

  • なじ■

    まさしく叙情的な恐怖の群れと言うほかない7つの怪談。
    少しオチが腑に落ちないと感じたものが数篇ありましたが…
    文章が独特で最初は戸惑ったものの、
    読み進める内にしめやかな描写に惹かれていきました。

    恐怖的な意味では「町の底」「呪い田」、
    ストーリーとしては「グレー・グレー」「「影女抄」が特に印象的でした。

  • 少し怖い

  • 日本の怪談・ホラーは怖い。土着とか呪いとか暗ーいじめじめっとしたのがぞわぞわする。淡々とした語り口がまた怖い。怖すぎて2話目で挫折・・・。

  • こういう怪談を読みたかった。
    文章に癖があるが、それすらも不気味さに貢献しているのかも。
    緋の間は途中から背中が痒くて堪らなかった。

  • 内容は
    短篇集7編掲載。どれもこれも確かに抒情的恐怖。
    中でも、昔どこかの座敷牢に囚われていたアルビノ少女と
    夢のなかで逢瀬を繰り返す為に樹の下に行くという『樹下譚』と
    お屋敷に2週間ほど寝泊まりするだけの好条件バイトで
    体中に小さい手足が群生するようになってしまう『緋の間』が
    とてもよろしかった。

  • 良いですね。

  • 始めの顔半分に興味を惹かれ借りた。
    短編集だったのね。
    それぞれなんとなく謎解きしてくれるので比較的すっと読めた。
    でも気持ちは悪い。表紙も怖いw

  • こちらに書きました。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2009-06-11

  • 全話怖かった・・・呪術に詳しくなれる一冊。

  • フォークロアの雰囲気が溢れる、幻想的なホラー短編集。タイトルのとおり、実にしっとりとした恐怖が味わえます。まさしく抒情的。
    お気に入りは「呪い田」。こういうじわじわと来る話は怖いなあ。ついでにいうと、このルールだと私も呪われてしまいそうなので。さらに怖い。
    「グレー・グレー」も好き。これもまあ怖いといえば怖いのだけれど。雰囲気はなんとなくユーモラスでポップな部分があるなあ。どこかしらほんわかしてしまう物語。

  • 暑くて眠れない夜に、こんな本はいかがでしょうか。。。

    戦慄のホラーが七編。



    読んでると、背筋がゾクッとして涼しくなります。

    おまけに、怖い夢を見て、冷や汗も。。。(笑)




    それは、都市伝説であったり、土地にまつわる怪談であったり。。。



    昭和19年、当時10歳の少年は、町の路地で友達4人と遊んでいた。

    それは夕暮れのこと。。。

    突然、悲鳴が上がり、男の子が目の前を駆け抜けて行った。

    その子の顔は、皮膚と肉が削ぎ取られて、血が滴り、

    顎は、ほぼ完全に肉がなく、白い歯がむき出しになっていた。。。



    それから十数年後の現代、都市伝説に興味を持った男が、

    その話の出所を探ろうとするのだが。。。そこには恐ろしい真実が。。。。!

    (町の底より)



    背筋も凍りそうなのは2編ほどでしたが、他のも、たっぷり楽しめました。

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著者プロフィール

高原英理(たかはら・えいり):1959年生。小説家・文芸評論家。立教大学文学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。85年、第1回幻想文学新人賞を受賞。96年、第39回群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。編纂書に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選』『ファイン/ キュート 素敵かわいい作品選』、著書に『 ゴシックスピリット』『少女領域』『高原英理恐怖譚集成』『エイリア綺譚集』『観念結晶大系』『日々のきのこ』ほか多数。

「2022年 『ゴシックハート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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