毛利は残った

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107400

作品紹介・あらすじ

西軍の総大将に祭り上げられたお人好しの坊ちゃん大名・毛利輝元。関ヶ原敗北後、藩財政は破綻寸前、徳川幕府からは有形無形の圧力が。呑気な殿様と家臣団は、絶望的な状況から立ち上がった。組織再生への汗と涙の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 最初からうーんって感じでしたが、中盤以降は面白かったです。

  • 大国毛利家の当主として関ヶ原の戦いに挑むが西軍の総大将に祭り上げられたにも関わらず小大名の如くどちらの方にも保険をかける行動をとる。これは祖父毛利元就の教え天下を望むなとの教えが悪い方向に作用したのではないか。戦後毛利家は大減封に見舞われるがここから輝元の本領が発揮される。藩の借金を返す為増税を行い家臣の粛清も断行し毛利家を建て直す。

  • 関ケ原の戦いにて西軍の大将に担ぎ上げられた毛利輝元。
    敗戦後、改易となる西軍大名の中毛利の生き残りをかけた物語が始まる。

  • 安国寺恵瓊、石田三成らの策にはまり、まんまと西軍の総大将に祭り上げられた優柔不断で鈍重なお坊ちゃま大名・毛利輝元。しかしそれさえ見越した徳川家康が率いる東軍との関ヶ原の戦いに敗れ、毛利は八ヵ国百二十万石から三十万石に満たない二ヵ国へと減封される。膨大な借財の返済に追われ、家臣たちの禄高は四分の一に、年貢の取り立てのあまりの厳しさに農民たちは一揆を起こす。
    財政は破たん寸前、徳川幕府からは毛利家の瓦解を狙う有形無形の圧力が次々とかけられ、時には領民や家臣を死に追い遣らざるを得ないことも。
    それでも、「毛利は潰さない」。
    輝元と家臣団、領民たちは絶望的な状況を耐え、立ち上がり、そして十数年後、ついに――。

    数年前に経済番組で紹介されていたので経済本かと思って手に取ってみたら時代小説だったという。
    しかし人材育成、その活用、産業興伸、税制改革、そしてリーダーシップのあり方など、財政破たん寸前からの組織再生のヒントがふんだんに盛り込まれている。

  • ずいぶん前に評判になった本だと思ったが,5年前???~毛利輝元は父・隆元が早世したため中国八カ国の大所領を継いだが,祖父・元就が残したのは天下を望むなと言う言葉だった。太閤が亡くなり,天下は徳川家康に傾いているが,毛利と徳川は同格だ。家康が上杉を会津に攻めるため,上坂せよと安国寺が求めてきた。制止する者もいるが,石田三成の思い通りには進ませない積もりで大坂城にやってくると,家康に挑む西軍の大将に据えられてしまった。吉川廣家は黒田・福島に通じて徳川に内通しようとし,一時は跡継ぎにした従弟の穂田秀元は決戦に挑むべきであり,名代の逸る気持ちを抑えきれない。かくして関ヶ原は態度を決めかねている者を尻目に,家康が三成を打ち破ったが,廣家の内通で本領は安堵されそうだ。家康と本多正信は,毛利を長門・防府の二カ国に封じ込め,自滅を待つ作戦に出た。輝元は出家して宗瑞と名乗り,嫡子・秀就に家督を継がせたが,伏見に留め置かれて,領国の沙汰を下し,家名を守る新しい戦いを始めた。6カ国を削られ,家臣の扶持も五分の一とした。無理難題を掛けてくるのを借財を重ねながら熟し,酒も控えめにして,家康や正信よりも長生きすることを目標と定め,新田開発を奨励して,29万8480石を53万9200石へと増やしたのだ。居城についても,築城困難な萩を指名してくると踏んで,第三候補に挙げておいた。借財もなくなり,普請もこなし,大坂方に味方することなく戦国最後の戦いを終えた。不屈の精神は・・・~この本を読んで山口県に行きたくなった

  • まつりごとの描写がよかった。オススメ

  • 毛利輝元の視点で描かれた小説。西軍の総大将になってしまい、周りはわたわた、本人はあっけらかん、あとになってわたわた、とおーい…と思う人物。
    けれど、関ケ原後の転封以降、家の危機をいかに乗り切るか、という段になっていくにあたり、成長し、毛利家の関ケ原後における基盤を作った、というのが描かれていてとても面白かったです。
    分厚い&二段なので、結構な文章量ですが、サクサク読んでしまいました。

  • バカ殿 毛利輝元の奮闘記。表紙がそれを物語ってます。
    一応は史実に乗っ取っているようですが、歴史通には常識になっている作り話として有名な「三本の矢」の遺訓がいきなり冒頭で語られるなど、どこまで史実に対して信憑性があるのかは疑問ですが、関ヶ原以降の毛利家の様子が分かって興味深かったです。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。大学卒業後、暫しオートバイレースに没頭。その後、通信会社勤務を経て、フリーライターに転職。『時空の覇王』(ベストセラーズ)で作家デビュー。主な著作に『上杉三郎景虎』『南部は沈まず』『長宗我部元親 』『北条戦国記』『九十三歳の関ヶ原 弓大将大島光義』ほか多数。

「2023年 『兵、北の関ヶ原に消ゆ 前田慶次郎と山上道牛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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