もしもし下北沢

  • 毎日新聞社
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レビュー : 228
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107578

作品紹介・あらすじ

この街に来てから、私はどんどん素直になっていく。知らない女と心中してしまったお父さん。残された私とお母さんは、新しい人生を始めようと思い立った-下北沢で。どこにでもある、でも、たったひとつの人と街の愛しい物語。ばななワールドからの贈り物。

感想・レビュー・書評

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  • 無理心中に巻き込まれて死んだ父。残された妻と娘のよっちゃんの悲しみや怒りが生々しい。

    関東圏に住んだことがないので下北沢という場所の土地柄みたいなものがさっぱり分からず残念だけど、どん底の2人にとっては下北沢で口にした麦のサラダや甘い茄子カレーが救われるきっかけになった。人間、美味しく食べられるうちはまだ大丈夫だ。

    心中って殺人なんだな、と再認識。かの太宰治氏も何度か心中しようとして、女性だけ死なせちゃったりしてたな…自分が死ぬまで他人を巻き込み続ける人は怖いなぁ。自殺にしたって、周りの残された人々はもしもワールドの中で取り返しのつかないことを悔やみ続けるのだし。

    新谷くんと慎重に距離を詰めて気持ちも確かめて、でも結局なんか違ったーってなるのは悲しいけど仕方ない。でも山崎さんと…っていうのは正直よく分からないや。

  • よしもとばななさんの本はあまり読んだ事がなく、ただ下北沢が舞台だ~~って事だけで借りてみたら、意外と重かった。
    父親が見知らぬ女性と心中をしてしまって、母と娘が葛藤するんだけど、
    そんな2人を下北沢の街が癒していってくれてる。
    下北沢、好きな街だからまた行きたいな。ゆっくり散策したい。

  • 「あいまいで、気持ち悪くて、ぐずぐずっとしていて、もやもやしていて、みんながみんなちゃんとしていなくって、それでいいのではないだろうか。いいやいいや、別にいいや、なんでもいいや。だって私は生きているし、多分ほんとうに好きな人と今いっしょにいるんだし。」

    新聞連載ということも手伝ってか、
    スピリチュアル色がかなり薄い物語だった。

    にしても、ばななさんの言葉は、
    どうしてこんなに、すとんと入ってくるのか不思議で堪らない。
    きっと、私だけじゃないのだろうけれど。

    「これは、私がいつもおもっているけれど、言葉にしにくいと思っている心情説明だ!」

    というのを正に言い得て妙という言葉が次々と。

    物語の流れは、そんなに、大きく揺れ動かず、ただふんふん、、と追っていたのだけれど、
    この時折入ってくる、あ、これって私のあの時の心の動きじゃん!というのに、いちいち立ち止まってしまう。

    だからやっぱり、この人の作品を読むのをやめられないんだろうなぁ。

    【3/6読了・初読・大学図書館】

  • 実際に下北沢に行きたくなりました。出てくるカフェが雰囲気がとてもよく、料理も美味しそう。

  • 後半の山崎さんとの展開がいきなりすぎる感じがしてうまく入っていけなかった。しかも何で’山崎さんとそんなことに?って感じ・・・。全体的には好きな作品。

  • 「よしもとばななはもういいや」
    何度もそう思うけど、時々ふと読んでみたくなる。
    新作が出てもすぐ手に取る気はないけど、何かの拍子に
    ふと目にとまり読んでみる。そして「ああ、また一緒だなぁ」と
    感想をもらす。
    書いてる本人も「いつものような話、でもそれでも少しだけ
    新しいところがあればいい」みたいなことを言っている。
    私は、ばななさんはある特定の人のためだけに書いているんだと
    常々思う。すごく落ち込んでて、死が隣にちらちら見えて、
    でもすんでのところで留まっている人たちの心が癒されるなら、
    そう思っていつも同じような設定のお話を書いているのではと
    思う。そういう人たちは癒されていつしかばななさんを越えて行く。
    完璧に立ち直り、彼女の新作を手にとって
    「あ、あの頃と少しも変わってないわ。今は必要ないけれど
    確かにあの時救われたわ」と思ったりするのだろうか。
    そして越えて行く人の数だけ、傷ついて暗闇のなかで
    ほんのり優しい癒しを求める人もいる。
    あとは劇的初恋の炎を燃やし続けるばななファン?
    そういう人たちのために彼女は書いているのかな。

    私はばななさんの描く植物的で品のいい優しい男女が
    いきなり肉欲むき出しにして対峙する落差が苦手で、
    いつもここで引いてしまう。
    もうずっと品よく言葉を交わし、時間を共有することで
    満ち足りた、子孫繁栄などすることないカップルの登場を
    待って次の作品をほとぼりが冷めた頃手にするのだ。

  • 久々のよしもとばなな!
    ほろりと良かった!

  • 表紙やタイトルだけ見て、気軽なガイドブックかな?と思ってしばらく手に取らなかったのですが、購入してめくって20ページもめくらないうちにホロっと泣けてきた。

    この本はなんとなく昔の著作(吉本さん時代の)を彷彿とするところがあったけれど、観念的なシーンじゃなくて、あくまで自分の感覚が肌にぴたっと来ない感じや、どうしても引き摺られてしまう感じ、自分の本当の気持ちを探り当てるまでの旅を描くのが上手くてページをめくって唸った。

    普通の愛ある暮らしの中で平凡に生きているだけで取り返しのつかない傷を受けることはあって、そこからいかに自分の人生に立ち戻っていくかということを、本当に何度も何度も、形を変えてはその時々の言葉をしぼって描いてくれている。
    わたしはこの本が凄くしっくりきました。
    読んで嬉しい本でした。

  • 2011.2.26 初読 市立図書館

    寝る前に読み始めて、最後まで止めれなかった。寝不足^^;

    夜に読んだせいもあるのかもしれないけど・・・なんとなく静かな雰囲気の小説だった。
    うーん。
    うまく言葉にできないんだけど、良かった。

    「よっちゃんはなんでも言葉で考えるからだよ。ぐるぐるぐるぐる回っても、答えが出ないことがいっぱいあるでしょう。でも、よっちゃんにとって、それこそが時間をやり過ごすやり方なんだと思うから、幼いとかよくないとか思ったことはない。でも、なんでもない空間をただしーっと、なにも考えないで見てるような、ぐっとこらえ抜くようなやり方もある。おふくろさんは、そっちのタイプの人なんじゃないかな」

    <3/5>図書館に返す前に再読。今度は昼間にじっくりと。

    しみじみと、やっぱりいいなぁと思った。
    ばななさんに再生の物語を書かせたら、ホントにすごい。
    最初に読んだときは、下北沢でお店をしている人々がちらついて(エッセイで読んでたので、それを思い出しちゃって)完全に物語に集中してなかったんだけど、2回目はじっくりと物語を堪能した。
    1番好きな「ハゴロモ」にも感じが似ている。(すきだってことです)

  • 「もしもし下北沢」は
    下北沢という場所を舞台に
    そこに集まる沢山の人たちの身体を借りた、
    精神と肉体のバランスが半分ずつの物語だと思う。

    キッチンの続編のような、
    もしくは同じ世界の中での出来事のような感じがした。

    清濁を得たよしもとばななの文章は
    湖面に反射する陽光の様にキラキラと輝いている。

    だが決してその光は眩しすぎる事はない。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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