銀婚式

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107752

作品紹介・あらすじ

「男の本分は仕事」。それは幸せな人生ですか?歳月を経て、夫婦がたどり着いた場所。働くとは。結婚とは。幸福とは。直木賞作家が描き出す、激動する時代の「家族」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「銀婚式」という題名から、私くらいの年代の夫婦の苦労話か幸せ話か・・と予測していましたが、早い段階で二人は離婚。
    その後も倒産やリストラ・・と銀婚式とはかけはなれた内容へ。
    それでも、親の介護や病気など、まさに私世代にどんぴしゃな内容で、さすがの篠田さん。ぐいぐいと物語に引き込んで、ほとんど一気読みでした。

  • 一気に読んでしまった。会社、仕事、恋愛、介護、子供・・・どれも厳しい現実を突きつけられる内容。

  • 順風満帆だったはずの仕事、家庭。
    順風満帆だと思っていた仕事、家庭。
    でも、”はず” も ”思ていた” も独りよがりで…
    一番近くに居る家族のことが見えない、見ようとしないと脆く崩れていく…

  • 証券、損保、大学と仕事を渡り歩いた人間の人生記のようなもの。
    銀婚式を迎える年に息子の結婚式がある。

    結婚、倒産、介護など社会問題をさらりと書き下している。
    人生の機微を表現できる数少ない作家かもしれない。

    参考文献が豊富だ。私学について参考文献がないのは、
    子供が行っているのか、著者が講義をしえちるためだろうか。

  • たまたま、篠田節子さんがNHKラジオに出演し、本書について話されているのを聞いて、本書を購入しました。

    エリートサラリーマンだけでなく普通のサラリーマンなら、誰もが遭遇するかもしれないリストラ、転職、親の介護、親の葬儀、離婚、再就職などが綴られており、他人事とは思えず、一気に読破しました。
    主人公は、この後、どういう人生を送るのか・・・。

  • ニューヨーク勤務となって順風満帆な人生かと感じていたのにちょっとしたことで生活が崩れていく。
    離婚、会社の破綻、別会社に再就職したらリストラ。偶然会った知人の紹介で大学に勤めることになったと思ったら、親との関係が……。
    別れても息子との付き合いがあり、それに伴い前妻との不思議な関係も持続。親子の関係は離婚しても切れないだろうしなぁ。
    海外勤務がなければ離婚しなかったカップルなのかも? と思うと、この微妙な関係もうなずける。

    • bbtsk0505さん
      フォローどうもありがとうございました。アイコンもどこか似ている感じですね。こちら(ブクログ)のほうは思いついた時にボツボツという感じですが、...
      フォローどうもありがとうございました。アイコンもどこか似ている感じですね。こちら(ブクログ)のほうは思いついた時にボツボツという感じですが、これからもよろしくお願いします。
      2012/04/07
  • 仕事に生きた男の日々が綴られているだけなのに、ハラハラドキドキしながら一気に読みました。ニューヨーク勤務、リストラ、転職、うつ病で退職、仙台で大学教授といろんな仕事に全力でぶつかった男が50歳を過ぎて自分の一番大切なものに気づく。こんな銀婚式もアリですね。

  • なんだか不再議なスピード感に溢れている、というのが第一印象。
    アクションやサスペンス、クライムものなどとは程遠いのに、あれよあれよという間に物語は疾駆していく。
    毎回に必ずヤマを1つ作らなければならない…、という連載ものの宿命なのかもしれないが。
    だから非常に読みやすく、実際にスルスルとほぼ一気読み状態になってしまったのだが、反面、心に沁み入ってくるコアな骨太感のようなものは感じられなかった。
    離婚、リストラ、介護、教育崩壊、子供の受験…、多くの現代人が抱えがちと言われている問題を散りばめてはいるが、ただ現象として扱っているだけ、あくまで表層だけを軽く触っているような印象。
    一言で言うならば、主人公が薄く、軽い。
    「ゴサインタン」や「弥勒」であれだけの世界を真っ直ぐに描き出し、また「ロズウェルなんか知らない」といった比較的ライトタッチの作品でも名人芸を見せてくれた篠田節子氏の実力を知る者にとっては、物足りない一作と言わざる得ない。
    連続テレビドラマなんかの題材としてはちょうどいいのかもしれない。

  • 題名からもわかるとおり、銀婚式になろうとする男女の物語。主人公の高沢修平は自分の信じるとおり、真面目に人生を進め、妻を愛し、仕事にまい進してると思っていた。だが妻とは結婚10年足らずで図らずも離婚となり、会社は倒産。そして倒産後の残務処理を終え5年間のニューヨーク勤務から帰るとあの9.11が起きてニューヨーク時代の友が亡くなった。。 とここまで最初の方で書かれる。現在の設定が52,3。おそらく昭和30年代前半生まれという、自分と同じ年代の設定かと思う。

    物語はグイグイ進みページをめくる手は止まらない。修平の帰国、再就職、また失業、そして地方大学への講師としての就職、自分の親、(元)妻の親の介護と死、息子の受験、結婚、ともう、まさに銀婚式になろうとするものが経験することが盛りだくさんに描かれている。仕事への対処、子供への対処。主人公の修平はいたって真面目ないい人。そして妻もそうなのだ。だがそう、人生は素直には進まないんだよね。ほんと25年もあればいろいろな事が起きるワ。
    最後のページの言葉は、自分のことと重ね合わせ、静かに音の余韻が続く。

  • 離婚、子どもの成長、中年のとまどい、リストラ、転職・・・等々、特殊な人生ではなく、誰の身にもおこりそうな出来事を描く。上手いなぁ、篠田さんのこういうジャンルの作品も。
    50歳という年齢に達するまでに、誰しも人生いろいろある。
    とても他人事とは思えない。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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