作家ソノミの甘くない生活

  • 毎日新聞社 (2012年11月21日発売)
2.79
  • (1)
  • (16)
  • (64)
  • (26)
  • (8)
本棚登録 : 304
感想 : 45
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784620107882

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 老後の悩みがこれでもかってほど書いてあり、正直ウンザリするけれど、これが現実で、それでもソノミさんは諦めつつ頑張ろうとしている。
    老後の事なんて考えたくない。でも確実にやってくる。

  • 家で文筆業の仕事をする、主人公のソノミ、一人暮らしをする、彼女の母親、母親の妹の叔母…などの、リアルな関係。
    物語は、日常を描いて淡々と進む。
    一部の人を除いて、「何でこんなのが小説なの?」と言うほどの、何も事件が起こらない作品かもしれない。
    作者は多分、そういう感想を抱く、多くの一般の読者向けのエンターティンメント小説を書くつもりはさらさら無かっただろう。
    どういう人が読んで共感するのかと言うと…
    えっへん、私のような、“老いて一人暮らしの母”を持つ、おばさんである。
    何もかも“あるある”で、デジャヴ、「ほんと、イライラするよね!!」と、お茶とお菓子を用意して語り合いたい気分だ。
    テレビを見ていて、「そうだよね~」「あはははは」「バカみたい!」「かわいい~」…などと声を上げるのは珍しいことではないかもしれない。
    この本で、厚かましくも上京の宿を“家で仕事をしている”ソノミのマンションに定めた叔母も、“仕事をしている”ソノミの迷惑も考えず、テレビを見ながら楽しく声を上げている。
    しかし、テレビではないけれど、この本を読みながら、「あるよね~」「ほんと、老婆って、どうしてそういう思わせぶりな事言うんだろうね!」「ソノミ、人が良すぎるよ!迷惑なおばはんには“私、仕事があるので”って言わなきゃだめだよ!」
    …と、声を上げたくなったのである。
    これは、小説であるかも知れないが、仲の良い友達の愚痴みたいなものに感じた。
    …年齢の違いすぎる人たちには理解できないかもしれませんね。

  • なんだか、群さんの生活を映し出すような内容の話。
    達観してるなーと思う。
    生きていると、自分はいつも同じところにいるような気持ちでいるけど、
    しっかり時間は流れてて、自分もその流れにしっかり流されているところなんて
    身につまされもする。

    • kuroayameさん
      この本はまだ拝見していないので、是非探して読んでみたいと思います♪。
      いつも素敵な本をレビューにて教えていただきありがとうございます★。
      この本はまだ拝見していないので、是非探して読んでみたいと思います♪。
      いつも素敵な本をレビューにて教えていただきありがとうございます★。
      2013/02/22
  • 群よう子サン。気負いなく読める。
    プッって笑ったり、ありゃありゃって思ったり 理不尽な事もうんうんって…何も深く考えずに一緒なんだぁ〜って。読んでて安心⁈ 当たり前の事だけどそんな些細なことで喜んだりヘコんだりする自分の癒し本です。
    2013.11.26

  • 年を重ねての終着地、欠点丸出し……こわ……
    甘くない。甘くないけど、あっという間に来そうでこわい。
    対策とか……ないですかね。

  • 本人の話? と思ってしまう。
    個性的な母親を持つと苦労しそうだけれど、80代でこれほど元気だったら心配ナシだなぁ。
    やりたいこともいっぱいあって、家に閉じこもるでもなくハツラツとしていて。ま、口が達者なことはヨシとしないと……。
    少々面倒でも、これくらい元気な親であって欲しい。
    いやー、考えが似ているのか「わかる、わかる」という箇所もあり、いつもどおり楽しめた内容だった。

  • 50代後半の娘と80歳ぐらいの母親の関係。うーむ。分かるなあ。私は母が嫌い。最近施設に入った母だけど、妹が手続きをしてくれた。ありがたい。特に会いに行きたいとも思わないし、面倒だなあという気持ちが勝ってる。私自身も息子との関係がとても悪く、家族ってなんだかなあ。
    本書は、分かるよーとは思ったけれど、特に何も残らなかった。

  • 自分の老後や健康のことだけでも心配し始めるときりがないソノミ。母親と子供のいない叔母のこともある。
    年を重ねて出来なくなったこと。昔から変わらないこと。親と子の関係も変わらないようで変わっていく。お互いに性格も変わったり。
     
    「でも、とっても面倒くさい」
    そっと、うなずいてしまった。

  • 女性作家のドタバタな日常のないようだったが、後半は先々の親との関わりや、自身の老後、金銭問題等につながり、切実に考えさせられる内容だった。コメディタッチの前半だっただけに重いものがのしかかってきました

  • 作家ソノミには元気過ぎる母がいる。看護師だった母は退職してからダンスを習い始め、人生を謳歌している。この母と日常の他愛ない出来事が様々おこる。母、叔母、ソノミ それぞれが気楽なひとり暮らし。色々あるが共感する。

  • 淡々とした日常。

    私の好きな感じ。


    職業や、立場や、年齢や
    人それぞれに
    「甘くない」の中身は違えど

    私も「甘くない」というワードは
    心して、生きていこうと
    常々思う。


    群さんのこの感じ、好きです。

  • 小説なのかエッセイなのかと思いながら読みましたが、いくつになっても人との付き合いはあり、特に親族との付き合いは・・・良くも悪くも人は変わらない部分がありそこに厄介なこともありますね。

  • ベテラン作家ソノミは気楽な一人暮らし。高齢の母に翻弄され、来る老後に不安を感じつつも、日々をつつがなく送っていて・・・。ため息と笑いの日常小説。

  • 図書館。世界観に入っていけず中断。

  • 還暦間近の作家、ソノミさんの日々。

    結構良いマンションでマイペースで生活しているソノミさんですが、出版業界の不況の波に将来の不安を感じたり、離れて住む母や叔母について思うことがあったりします。

    年を追うごとに扱いにくい性格になってきたような母との付き合い方、世間からみたら自分も年寄り!?と落ち込んだり、仕事上のイライラの種とか、作家さんの私小説?と思うほどリアルでした。

    文中にソノミの物書きのポリシーとして「後世まで世に残り読み続けられる本を」と願う作家もいるけれど、自分は、なにか本でも読もうかな…と手に取ってもらえて、あっという間に読めて「ああ。面白かった」といってもらえたらいい、という個所があって。
    この本は、まさにそういう本でした。

    年齢が若い人には退屈に思うところもあるかもですが、いろいろ、あるあるな部分があって、おもしろく読めました。

  • 作家ソノミの日々。

    独身でマンションの家賃を払うために
    原稿を書き続ける毎日で

    80代でダンス教室が生きがいの母とのぎくしゃくした関係。
    田舎から泊まりにきた母とは正反対の性格の叔母。
    昔とは変わってきた原稿事情。
    年を取って感じること。

    著者によく出てくる
    偏屈な母との噛み合わない会話がすごい。

    きっと主人公が結婚していたら
    また状況は変わってくるのかも、とか思った。
    年を無駄に重ねればそれだけでエライというわけでもないのね。。。気をつけなければ。。。)^o^(

  • 2016/4/2 読了

  •  『2012年 11月 25日 発行』版、読了。


     還暦を三年後に控えた、女性作家の日常を描いた小説でした。

     本のタイトルが気になって手にとり、最初の数行をパラパラと読んだ時点で「よし、読む!」と、決めた一冊です。


     この作者の作品を読むのは、この本が初めてでしたが…とても読みやすく、日常で印象に残っている出来事を上手に選択して描かれた内容でした。

     ヤマ場となるのは叔母さんが上京してくるところでしょうか。でも、それでいてさえ、日常の出来事としては「あー、わかるわかる」といった内容で共感をおぼえました。

     それにしても、なんといっても母、最強でした。身内に唯我独尊的な人がいると確かに困ってどうしようもなく、それでもなお、母と向き合うソノミさんの振る舞い、いい勉強になりました。


     また作家としての業界的な出来事や事情を描いていたのも印象的でした。本作はあくまでフィクションの話だから、どこまでが事実かはわかりませんが…リアリティかつ説得力のあるエピソードでした。面倒な担当編集とかいたら、確かになあ…と、思ったり。


     昨今の出版事情を題材にしつつも、女性作家という視点で描いた本作は、長年、作者が作家としての経験を培ってきたらこそ描くことのできた内容ではないか…なんて、思ったりしながら、読了した一冊でした。

  • 群さんの本好きだけど・・・うーん、これは読んでいてうつうつとした感じになったかな。登場人物がそういう感じの人ばっかりなので読んでいても全然楽しくなれなかった。同じことが何回も出てくる気がしたし。

  • 原稿の書き方やら本を巡る今の現状やら
    、妙なところに共感。2014/12/24

全36件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

群ようこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×