- Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620107967
感想・レビュー・書評
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設定が軍艦島であるところが、魅力のところ。
ミステリー作品として読むと、すぐに犯人はわかって
しまうので、物足りなさを感じた。
ただ、露骨には歴史資料として残っていないが、複雑な人間関係が容易に想像でき、そこがいいところかもしれない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大沢在昌ってよりも佐々木譲の警察物みたい。面白いけど。
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軍艦島という閉鎖環境では島全体で家族の様な一面も垣間見えるが、そこは職場であり職能による上下関係が支配している側面もある。新しく赴任した警官がある事件をキッカケに、島に波紋を起こす様な微妙な話題に触れる。島に殺人者がいる…
【感想】
人間関係に悩まされそうな狭い環境で生きていくには自分はどの様な対応を取るだろう。味方が一人もいない状況では自分は耐えられそうにない。あまり綺麗な話ではないので、好き嫌いが分かれそう。 -
私も3,4年前、軍艦島観光に行きました。軍艦島の全盛期の雰囲気が読めるだけで楽しいのに、ストーリーもしっかり面白く楽しめた。
軍艦島が舞台のサスペンス。炭坑企業が優位に立つ島で、新しく赴任してきた警察官が、死亡時件に不振を持ち島の過去を調べ、謎に迫っていく話。
新宿鮫の著者かだいぶ昔に読んだな。作風の変化を感じ、著者も年を重ねたのだなあと思う。もう一度新宿鮫読んでみよう。 -
8月-7。3.5点。
昭和30年代、軍艦島(炭鉱)で起きた、少女の死亡。
若手警官が殺人を疑い、捜査。
島は警察より、炭鉱会社の自警組織が強い。
殺人を否定する島の連中と、険悪になりながら捜査。
途中までゆっくり。中盤から一気読み。
まあまあかな。 -
軍艦島での猟奇殺人の物語。
といってもこの島ではそんなに人は死んでいないが。
軍艦島の描写はかなりリアルで実際に存在する場所でもあるし恐ろしさは上昇する。
ただ、この恐ろしさを最大限りようしてないような。
普通の事件って感じ。
まぁ軍艦島には一度行ってみたくはなった。 -
物語の舞台は、長崎県にある島、その形状から軍艦島と呼ばれ1974年に閉山になるまで、炭鉱の島として稼働していた。そんな栄華を極めた時代の話。
島に入るものは厳重にチェックされ、よそ者はほとんどいない。いわば密室状態、そんな中で一人の少女の溺死死体が発見される。
事件性は無い、と片づけられるが新任の若い警察官は、その死因に疑問を抱き、独自に真相を解明しようとするが、その特異な島のしきたりや、考え方にはばまれ、孤立してしまい捜査は難航する・・・
この小説は、毎日新聞に連載されていました。大沢さんのファンの私としては、読みたいけど連ドラのじれったさを味わうのが嫌で本になるのをじっと待っていたわけですが、いや~他の人は朝からこんな重い話を読んでいたんでしょうかねぇ。一日の始まりにあまりにふさわしくない話だ~ というのが一番の感想です。
それから新任の若い警察官ですが、先走りしすぎ、考えの浅さその言動が新人警察官を表そうとする作者の意図的なものであるなら、それは成功と言えるけれど、それはあかんやろ・・・読みながら何度思ったことか。
今までの大沢さんの作風を思って読むと、少し肩透かしを食らうような作品でした。 -
よくも悪くも、普通。
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軍艦島の全盛期にはさもありなんという風俗小説の様な話であり、ミステリーもしくは警察小説としては王道から外れた感が強い。ただし、普通の犯罪とその解決という普通の話を閉ざされた島でなおかつ普通にはあり得ない一企業が支配する世界観の中で描くとということがテーマであるのであれば、まあこういう話になるのかもしれない。それにしても警察学校の校長が教え子に語る話としては、あまりふさわしい話ではないんじゃないという突っ込みをしてしまいそうになる。