だから荒野

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107974

感想・レビュー・書評

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  • 【46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へー「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!】

  • 図書館本 専業主婦の葛藤、旦那、息子にプッツンして全国放浪の家出。紆余曲折で平和に納まる。エグいダークな作風を期待していたので残念だった。また機会があれば文庫本で再読しても良いかな。

  • 2人の息子と旦那さんに嫌気がさして、自分の誕生日に車で家出した主人公の主婦。車で向かう道中で色んな出来事が起こる。最後どうなるの?と大急ぎで読み終えた。またこんなお話でと人に話したい。面白かった。

  • ドラマ化されてたこともあり、ちょっと読んでみました。
    桐野さんらしくない感じですね。
    「OUT」とか「グロテスク」のイメージが強すぎたのか、予想とは全く違ってました。

    これは、ハッピーエンドって言っていいのか??

  • 1年以上前に図書館で予約。忘れた頃に順番が来て読むことができました。面白かったです。私も専業主婦をしていた頃、一生懸命やっているのに認めてもらえないと悩んだり、思い通りに好き勝手に暮らせていいわね~とか嫌味を言われて悔しがったことを思い出しました。朋美の危なっかしいけれど思い切った行動にワクワクしたりイライラしたり、最後まで一気に楽しませてもらいました。旅先での出会いのシーンはどれもがとても考えさせられるものでしたが、とくに山岡とのエピソードは胸に響くものがあり、もう一度読み返しました。現実的なラストも良かったです。

  • 家族という人の集まりがいかに難しいものか、同じ人が家族に対してと他人にたいするのでは対処が全く違う。これもそれぞれが生きていくための
    処世術ということでしょうか?誰にたいしても同じ態度でいるということは難しい。でも、なるべく同じ姿勢でいられるように生きていきたい。

  • 久しぶりに読んだ桐野作品。私にとって桐野作品のキーワードは「容赦ない」なのだけれど、本作は意外にも「優しい」。どうした桐野?主婦の家出という奥田英朗的シチュエーションに、ときどき三浦しをんテイストが見える文体。本作はパロディか、はたまた何かの実験かとうがった見方もしたくなるが、単なるマーケティングの一環かも。個人的には映画「テルマ&ルイーズ」の日本版を期待したんだけどな。そんなことでは社会で通用しないぞ!みたいな。

  • 913.6キリ
    2015.8.4

  • 目じりの笑い皺が深くなったかもしれない、口角も下がった気がする、ほうれい線が目立つのはそのせいだろう。。まるで自分が描かれているようで物語に入っていけた。無鉄砲で世間知らずなのにブレない自分を持った主人公・森村朋美。共感はこれっぽっちもできなかったけれど、遠くから応援したくなる、そんな人物が描かれていました。

  • 家庭を捨てて逃げた妻と逃げられた夫の物語。

    妻が出奔するまでは妻に共感できましたが、その後の行き当たりばったり、ハプニングに対する焦燥感の無さにはぶっ飛び過ぎて付いていけませんでした。
    一方、夫の方はダメダメぶりがこれでもかと描かれて、さすがに自分はここまでではないなと安堵しました。
    主人公の妻が家庭に対する不満感や世間体を気にするところはリアリティがあり、家庭に不満を持つ女性読者の代わりになって胸がすくような行動をしているような気がしました。
    ラストは破滅的な展開ではなかったので、桐野作品としては物足りないですが、主夫としてはホッとしました。
    いずれにしろ夫、息子の男性陣は本作の騒動を通じても全く変化しなさそうですが、彼女が家庭をかき回せ続ければ荒野を耕すような行動となり、彼らも徐々に変わっていき、荒野となった家庭が沃野になるかもしれないと期待したいです。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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